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新合金マグファイン磁石の量産・販売を開始【愛知製鋼】

2011年9月29日

~ディスプロシウムフリー、ネオジム30%節減~

愛知製鋼株式会社(本社:愛知県東海市、社長:藤岡高広)は、これまで世界最強のボンド磁石「マグファイン(Magfine)」を商品化し、自動車用モータの50%小型・軽量化を推進してきた。昨年6月には、レアアースの資源問題に対処するためにディスプロシウム(Dy)フリーとした新合金を開発し、さらにネオジム(Nd)使用量の30%節減を可能とする新技術の開発により、今般、量産・販売を開始した。

新合金マグファインは、ネオジム系異方性ボンド磁石である従来のマグファインに、Dyを添加しないで、保磁力性能を高めたものである。保磁力の高いこの磁粉は、150℃の高温環境で使用でき、Dy問題を心配すること無く、自動車用をはじめ、さまざまな分野のモータの小型化推進が可能である。さらに高保磁力特性を活かして、磁石成形形状を30%薄肉化(軽量化)できるため、結果として30%のNd使用量節減が実現できる。

本年9月から磁石厚みを30%薄肉化した電動工具向けのリング磁石の量産・販売を開始した。年内には、自動車用ボディー系モータ(シート、パワーウィンドウ、リアーワイパーなど)や介護用ベッドモータ向けに、このマグファイン磁石の生産を開始する予定である。今後さらに、ABS(Antilock Brake System)、EPS(Electric Power Steering)、燃料ポンプ用など、自動車用ユニット系モータへの拡大およびエアコン、ファン、洗濯機などの家電用モータ、電動バイクや小型発電機用モータ等への応用拡大を期待している。

ネオジム系磁石の保磁力は、Dy添加によって改善を図るのが一般的な方法である。当社は、昨年結晶粒を微細化し、その結晶粒界にネオジム・カッパ・アルミニウム(NdCuAl)合金の非磁性粒界フィルムを形成させ、Dyフリーで従来の14KOeから20KOeへの高い保磁力を実現する新技術を発明した。そして今般、新プロセス量産ラインの確立により量産・販売の開始に至った。

本件は、新合金開発から、製造プロセス開発、設備開発まで、すべて日本で発明した新技術で構成されており、日本経済が直面するDy、Ndなどレアアース資源問題の解消に役立つと期待している。
※Oe : エルステッド(oersted)。磁場(磁界)の強さの単位

1. 商品名  :  マグファイン(Magfine)

2. 特長  :  ①ディスプロシウム(Dy)を添加せずに150℃の高温環境での保磁力、および酸化ロス信頼性を向上。②薄肉磁石化により、ネオジム(Nd)使用量を30%節減。

3. 主成分  :  ネオジム・鉄・ボロン(NdFeB)合金

4. 主な使用先  :  電動工具用モータ、自動車用小型モータ、エアコンなど家電用モータ、電動バイク用モータ 等

5. 生産開始時期  :  2011年9月

6. 販売計画量  :  50T/月(2012年9月予定)


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