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すべての車両でマルチタッチジェスチャーを:赤外線カーテンに取り組む【コンチネンタル・オートモーティブ】
2014年12月19日
● 小型、アフォーダブルカーでもマルチタッチジェスチャーが可能
● 高コストのタッチディスプレイに代わる赤外線カーテン
● もう1つの利点 : 手袋をしていてもジェスチャーを認識
国際的な自動車部品サプライヤーのコンチネンタルは、これからのアフォーダブルカーに用いる制御デザインとして、インテリジェントな赤外線技術に取り組んでいます。かつてないほど電子化が進んだ娯楽機器で使われているマルチタッチ制御で、とりわけ価格に敏感な自動車セグメントの最新方式のディスプレイや制御システムの強化にも貢献することになります。コンチネンタルの開発者たちは、「赤外線カーテン」を用いて、いわゆる静電式ディスプレイと呼ばれるタッチスクリーンの経済的な代替品を実現しようとしています。
「かつて2011年に、私たちは赤外線カーテンがカーインテリアのどのような場所もユーザーインターフェイスに変えられることを示しました。」コンチネンタルのシンガポール拠点でディスプレイ開発に従事するフック – ワイ・リー( Fook Wai Lee) は言います。「私たちは今やこの技術を、スワイプ、ズーム、ピンチのような入力手段としてよく使われるマルチタッチジェスチャーも認識できるレベルにまで発展させました。」この技術はディスプレイの認識能力自体も高めます。最新のスマートフォンでも知られている通り、静電式タッチスクリーンは一般的な手袋では操作できません。手袋をしてスタンダードなタッチスクリーンを使用する場合には特別にデザインされた手袋が必要になります。「私たちの赤外線技術なら専用の手袋をする必要はありません。赤外線カーテンは手袋をした指先のジェスチャーを認識できるからです。」
カーテンの背後にある技術
コンチネンタルの赤外線カーテンは、ディスプレイの横に並べた赤外線光源によって作られます。1本の指による操作なら1列のLEDで十分ですが、マルチタッチジェスチャーには相互接続した2列の赤外線が必要です。ディスプレイの前でマルチタッチジェスチャーをすると、ヒューマン・マシン・インターフェイス(HMI)の電子機器は、光の遮断に基づいて指の位置を判断します。ジェスチャーを電子的に認識する静電式ディスプレイよりも生産コストが低いことに加え、手袋をしたままで操作できます。「課題は一体化です。光源がディスプレイの表面からわずかに突き出る程度でありながら、必要なすべてのマルチタッチジェスチャーを認識できることが目標です」とリーは説明します。
この技術を利用すれば、HMIの電子機器はスワイプ、ズーム、ピンチなどの動きを認識できます。選択メニューをあちこちに移動したり、地図上の選択位置を変更したりするのも簡単になります。赤外線カーテンは2017年にも量産に向けた態勢が整う予定です。
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