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コンフィギュレーション、デバッグ、ハードウェアサポートなど各種機能を強化した最新の組込みハイパーバイザを発表【メンター・グラフィックス・ジャパン】

2014年9月4日

メンター・グラフィックス・コーポレーション(本社:米国オレゴン州、以下メンター・グラフィックス)は、信頼性が高く、堅牢でセキュアな組込みアプリケーションの開発に向け、システムコンフィギュレーション、デバッグ、ハードウェアサポートなどの各種先端機能を強化拡張した最新バージョンのMentor® Embedded Hypervisorを発表しました。工業、医療、車載、ネットワーク、テレコミュニケーション、コンシューマエレクトロニクスに搭載される高性能アプリケーションの開発に最適なソリューションです。

今回発表されるMentor Embedded Hypervisorでは、ボードサポートパッケージ(BSP)ごとにゲストリソーステーブルをハードコーディングするのではなく、データドリブンのコンフィギュレーションとデバイスツリーに基づいてゲストリソースをパーティショニングできるようになり、容易なシステムのビルドとコンフィギュレーションを実現します。ターゲットハードウェアに対するバイナリイメージも簡単に生成、実装できるようになりました。また、コマンドシンタックスの簡素化と設計機能の拡張に加え、ハイパーバイザとゲストのオペレーティングシステム(OS)に対するJTAGデバッグが可能になるなどデバッグ機能が強化されるとともに、1回の解析で同期したシステムをトレースし問題点や性能上のボトルネックを特定できる統合型開発環境(IDE)のSourcery™ CodeBenchとも、より一層緊密に連携します。

高難度化する今日のヘトロジニアスSoCアーキテクチャは、アプリケーションクラスのコアとマイクロコントローラクラスのコアとを組み合わせることが多く、ヘトロジニアスの高度なオペレーティング環境を単一デバイス上で実現するニーズが高まっています。デバイスの複雑化が進むにつれ、組込み仮想化テクノロジをベースとしたAMP(非対称マルチプロセッシング)フレームワークなしではヘトロジニアスマルチOS環境内のIPC(プロセス間通信)、リソース共有、プロセッサ制御に伴う課題に対処できなくなっています。Mentor Embedded Hypervisorの最新版は、(大半の商用Linux®に見られるテクノロジに基づく)高い効率性と拡張性を誇るIPCメカニズムを搭載し、機能の新規実装も含め、マルチコア設計およびマルチOS設計向けて拡張されています。

フリースケール・セミコンダクタ(以下フリースケール)、i.MXプロセッサ製品開発ダイレクタのラジーヴ・クマー氏は、次のように述べています。「車載、工業、医療業界におけるフリースケールの顧客は、NucleusをはじめとするリアルタイムOSやベアメタルアプリケーションをLinuxやAndroid™に統合するための組込み仮想化技術を必要としています。メンター・グラフィックスのハイパーバイザを活用することで、i.MX 6プロセッサで新たに開発中の製品に求められる性能、堅牢性、セキュリティを達成できるでしょう。」

信頼性に優れたセキュアなデバイスのシステムコンフィギュレーションとデバッグ
複数OSを実装する設計、仮想マシンへのペリフェラルの割り当て、ペリフェラルの効果的な共有方法の検討には、通常テキストエディタやコマンドラインスクリプトが用いられています。これらの作業は非常に煩雑であり、ミスも発生しがちです。最新のMentor Embedded Hypervisorであれば、システムのコンフィギュレーションとリソースのパーティションニングにデータ主導のモデルを活用できます。Mentor Embedded Hypervisorのビルドシステムは、プロセッサをまたいだ複数のOS間とアプリケーション間の相互作用を仮想的に実現します。さらに、Abatron BDI3000 JTAG ProbeによるハイパーバイザとゲストOSのサポートなど、開発者の作業効率とデバッグ能力を高める多くのツールを利用できます。

Mentor Embedded Hypervisorは、システム全体のセキュリティを確保する手法であるARM® TrustZone®に対応しています。メンター・グラフィックスが提供する仮想化技術を組み合わせることで、安全性と信頼性に優れた組込みデバイスの基盤を構築できます。また、ARM Cortex® A9(フリースケールi.MX 6プロセッサ向け)とARM Cortex A15(テキサス・インスツルメンツOMAP5とJacinto 6向け)のデバイスファミリをサポートします。

Yocto Project 1.6 Linuxディストリビューション、GENIVI 6準拠プラットフォーム、NucleusなどのリアルタイムOS(RTOS)、ベアメタルといった環境に多様なゲストOSを実装する場合でも、Mentor Embedded Hypervisor最新リリースであれば手間がかかりません。メンター・グラフィックスはさらに、AUTOSARソフトウェアとAndroid環境を対象とした専門サービスも提供しています。

テキサス・インスツルメンツ(TI)、Infotainment Processors、Product Manager、Matt Watson氏は、以下のように述べています。「TIの顧客がメンター・グラフィックスのハイパーバイザを導入すると、Linux、Android、Nucleusなどの各種OS、ベアメタルアプリケーション、および組込みツールにTIのアプリケーションプロセッサであるSitaraやJacintoを統合し、革新性と生産性に優れた組込みシステムを開発できるようになります。このソリューションは、コネクテッドカーやIoT製品に欠かせない車載インフォテイメント(IVI)、ストリーミングビデオ、音声認識システムのアプリケーション開発にも役立ちます。」

メンター・グラフィックスの組込みシステム事業部について
メンター・グラフィックスの組込みシステム事業部は、自動車、工業、スマートエネルギー、医療機器、家電を含むさまざまな用途の組込み製品開発を支援しています。商用利用およびカスタマイズ可能なLinuxベースのソリューションとして業界をリードするSourcery CodeBenchとMentor Embedded Linuxは、最新のプロセッサやマイクロコントローラを搭載した組込みシステムの開発を支援します。Nucleus RTOSの小さなフットプリントとローパワー設計は、リアルタイム制御システムの開発に大きなメリットをもたらします。メンター・グラフィックスが提供する組込みソフトウェア関連製品およびサービスについての詳しい情報は、www.mentorg.co.jp/embeddedを閲覧ください。

メンター・グラフィックスについて
メンター・グラフィックス・コーポレーションは、世界中で成功を収めている電子機器メーカー、半導体企業、電子システム構築ベンダのニーズに応える製品をはじめとし、コンサルティングサービス、受賞歴を誇るサポートサービスを提供する、電子ハードウェアおよびソフトウェア設計開発ソリューションのグローバルリーダーです。1981年に設立されたメンター・グラフィックスは、過去12ヶ月間の売上高としておよそ11.5億米ドルを計上しており、本社はアメリカ合衆国オレゴン州ウィルソンヴィルに所在しています。メンター・グラフィックスについての詳しい情報は、www.mentorg.co.jpをご覧ください。

Androidは、Google Incの商標です。この商標の使用はGoogle Permissionsを条件としています。登録商標Linuxは、全世界における商標保持者Linus Torvalds氏から排他的ライセンスを受けているLMI(Linux Mark Institute)からの許諾により使用しています。

Mentor GraphicsはMentor Graphics Corporationの登録商標です。その他記載されている製品名および会社名は各社の商標または登録商標です。

組込みソフトウェアについて

www.mentorg.co.jp/embedded-software/

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メンター・グラフィックス・ジャパン㈱
マーケティング部
E-mail : yuri_ellison@mentor.com






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