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米国で高性能プラスチックの製造体制を強化【ランクセス】
2014年8月25日
● ノースカロライナ州ガストニアで1,500万米ドルを投資
● 第2製造ラインは2016年前半に稼働予定
● 米国の自動車市場で軽量化プラスチックの需要が拡大
● ポリアミドのバリューチェーンの一層のバランス向上を目指した投資
ドイツの特殊化学品メーカーのランクセス（LANXESS）は、米国ノースカロライナ州ガストニアの高性能プラスチックのコンパウンディング工場に第2製造ラインを増設し、製造能力増強を図ることを発表しました。この増設には約1,500万米ドルが投資される予定で、年間製造能力は現行の2万トンから4万トンに倍増します。第2製造ラインの建設は、2014年下半期にスタートし、2016年前半に稼働の予定です。
ランクセスのガストニア工場では、高性能プラスチック「デュレタン®（Durethan®）」（ポリアミド）と「ポカン®（Pocan®）」（ポリブチレン テレフタレート）が製造されています。これらは、自動車の金属部品の代替となる軽量なプラスチック部品の設計を可能にし、燃費の向上と排ガスの低減に貢献します。
ランクセスの米国現地法人であるランクセスコーポレーションの社長兼CEOであるフレミング B. ビョンスレフは次のように述べています。「米国の高性能プラスチック市場は世界有数の規模を誇り、その中でも自動車産業は重要な位置を占めています。自動車産業の売上は約10年ぶりの高水準となっており、ガストニアに第2製造ラインを増設することで、ランクセスは、顧客への継続的なコミットメントを表しています」
自動車の軽量化構造が高性能プラスチックの需要を後押し
ランクセスは、プラスチック・金属ハイブリッド技術とコンポジット技術のグローバルリーダーです。これらの技術は、金属部品から高性能プラスチック部品へと切り替えることで、自動車部品の重量削減をコスト効率良く実現します。部品によって異なりますが、軽量化デザインは部品の重量を10%から50%低減することが可能となります。様々な応用分野において高性能プラスチックの需要が増加していますが、特に自動車生産の増加とより燃費の良い自動車へのシフトがその原動力となっています。高性能プラスチックの米国における需要は、2020年まで年間約7%の増加が予測されています。
自動車メーカーは、CAFE（企業平均燃費）基準に準拠すべく取り組んでいます。CAFE基準の下、米国内で販売される新車の平均燃費は2025年までに1ガロンにつき54.5マイルまで引き上げられる予定で、これは年率約5%の燃費向上に相当します。
ハイパフォーマンスマテリアルズ（HPM）ビジネスユニットのゼネラルマネジャーであるイェンス・フィッシャーは、次のように述べています。「ランクセスの軽量化を可能にする高性能素材は、自動車メーカーや車両部品メーカーが自動車重量を削減し、より高い燃費基準を達成するために欠かせないものです。今回の投資によって、ランクセスはプレミアムサプライヤーとしての競争力を一層強化し、旺盛な市場ニーズに対応します」
プラスチックと金属のハイブリッドのフロントエンドは、現在、世界中で80以上もの自動車モデルに採用され、それは数百万台にのぼります。「デュレタン」や「ポカン」のコンパウンドは、車体部品、オイルパン、クーラントパイプ、バッテリーハウジング、ステアリングロッド、ペダル、ペダルブラケットといった多様な部品に使用されています。
ランクセス、高性能プラスチックのグローバル製造を拡大
ノースカロライナへの投資は、ランクセスの高性能プラスチック向けのグローバルネットワークを強化するだけでなく、カプロラクタムの自家消費率を上げることで、ランクセスの全体的なポリアミドのバリューチェーンのバランスを一層向上することになります。
2014年7月、ランクセスのアントワープ拠点（ベルギー）において高性能プラスチックの重合用新プラントが稼働を開始しました。約1億米ドルを投じたこの世界規模の施設は、約9万トンの年間製造能力を備えています。さらに、ランクセスは最近、ポルト・フェリース拠点（ブラジル）に年間製造能力2万トンの高性能プラスチック製造プラントを稼働しました。その他にも、ドルマーゲン拠点（ドイツ）、無錫拠点（中国）、ジャガディア拠点（インド）にコンパウンディング工場を有しています。
アントワープ拠点で製造される全てのプラスチックは、グローバルネットワークで繋がるランクセスの各コンパウンディング工場において「デュレタン」と「ポカン」ブランドの製品に加工されます。また、高性能プラスチックの重合用新プラントは、ランクセスがアントワープ拠点で稼働するカプロラクタム施設に隣接して建設されました。カプロラクタムは、プラスチック製造において重要な中間体です。
ハイパフォーマンスマテリアルズビジネスユニットは、パフォーマンスポリマーズ部門（2013 年度売上高：45億ユーロ）に属しています。世界中に約 1,500名の従業員を擁し、ベルギー（アントワープ）、ドイツ（クレフェルド-ユルディンゲン、ハッム・ユントロプ）、中国（無錫）、インド（ジャガディア）、米国（ガストニア）、ブラジル（ポルト・フェリース）に製造拠点を置いています。
これは、ドイツ・ケルンで8月13日に発表されたリリースをもとに、ランクセス㈱が発表したものです。
この原文（英語）は、以下のURLにてご参照下さい。 http://www.press.lanxess.com
ランクセスについて ：
ランクセスは、世界31カ国で事業を展開する大手特殊化学品メーカーです。2013年の総売上は83億ユーロにのぼり、全世界の従業員数は約 16,900人、世界中に52の拠点を展開しています。主な事業は、プラスチック、合成ゴム、中間体、特殊化学品の開発、製造とマーケティングです。ランクセスは、持続可能性に優れた企業を選定する「ダウ・ジョーンズ・サステナビリティ・インデックス」のワールド・インデックス（DJSI World）とヨーロッパ・インデックス（DJSI Europe）および「FTSE4Good」の構成銘柄です。また、世界的なNPO組織CDPの調査から、気候変動に関して優れた取組みおよび情報開示を行っている企業で構成されるCDLI（Climate Disclosure Leadership Index:気候変動情報開示先進企業）に選定されています。
ランクセスについての詳細は同社URLにてご確認下さい。
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