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ドイツWethje社の株式取得について【三菱レイヨン】

2014年7月31日

三菱レイヨン㈱(本社:東京都千代田区、社長:越智仁、以下「当社」)は、このたび欧州の自動車用途における炭素繊維・複合材料事業の強化拡大を図るため、ドイツの自動車用炭素繊維強化プラスチック(CFRP)製部品メーカーであるWethje Holding GmbH(以下「Wethje(ベティエ)社」)の株式の51%の取得を目的とする「株式売買契約書」を、Wethje社の親会社であるオーストリア国CROSS Industries AG(以下「CROSS社」)と締結しました。関係当局の許認可を前提として、所定の手続きを経て、本年9月を目途に当社の連結子会社とする予定です。
また、CROSS社グループは、オーストリアを拠点とする自動車・二輪車用部品のリーディングカンパニーですが、当社は、Wethje社を長期的に共同保有することにより、同グループと強固なパートナーシップを構築していくことを確認しています。

ドイツを中心とする欧州の自動車市場では、環境規制が強化される中で、CFRPを車体構造材に全面的に使用した電気自動車「BMW i3」が昨秋に販売開始されるなど、高い強度と軽さを併せ持つCFRP部品を本格的に採用する動きが加速しています。1979年創業のWethje社は、高級車への豊富な採用実績を通して、高い技術力を持つ自動車用のCFRP製部品メーカーとして欧州市場で広く認知されています。また、小規模生産向けのオートクレーブ工法だけでなく、中規模量産向けのRTM工法の両方に対応できる数少ないメーカーのひとつです。

当社は、これまでも、ハイサイクルプレス成形(PCM工法)用プリプレグ材料など中間基材の開発・製品化や、㈱チャレンヂの買収及び中国のAction Composites International社への出資を通じたCFRP製自動車部品の量産拠点の整備、RTM工法の中間基材となる多軸ファブリックの開発に強みを持つ独TK Industries社のグループ会社化など、自動車向けの炭素繊維・複合材料事業の強化に努めてきました。

新たに当社グループに加わるWethje社を当社の欧州におけるCFRP製自動車部品の開発・製造・販売拠点とし、その製品を通じて当社の炭素繊維・複合材料の欧州での実績をさらに高め、欧州における自動車向けの炭素繊維・複合材事業のサプライチェーンを一層強化していきます。


【Wethje社について】
名称 : Wethje Holding GmbH
所在地 : ドイツ国バイエルン州ヘンゲルスブルグ市
創立 : 1979年
代表者 : アルフレッド・F・ヘーテンフーバー
事業内容 : 炭素繊維強化プラスチック(CFRP)製自動車部品の開発と製造販売


【CROSS社について】
社名 : CROSS Industries AG
所在地 : オーストリア国ヴェルス市
代表者 : ステファン・ピエラー
事業内容 : 二輪車及び自動車・二輪車用部品の製造販売


※ PCM(Prepreg Compression Molding)工法
三菱レイヨンが開発したCFRP部材の量産成形技術。積層したプリプレグをプレス機で圧縮成形する。約5分のサイクルタイムで、自動車向け部材の量産を可能とする。また、成形品は表面の平滑性が高いためクラスA塗装が可能で、外板部材としても利用できる。

※ RTM(Resin Transfer Molding)工法
欧州で一般的なCFRP部材の量産成形技術。主にラージトウ炭素繊維を用いた多軸ファブリックを配置した型に液状樹脂を注入、熱硬化させる工法。風車翼など大型成形品にも用いられる。

※ オートクレーブ工法
オートクレーブ(圧力窯)内の高圧環境下で、積層したプリプレグを配置した型を加熱・加圧し3〜4時間かけて硬化させる工法。



掲載内容は発表日現在のものです。
その後内容が変更になる場合がありますので、あらかじめご了承ください。






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