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ハイブリッドホイールローダZW220HYB-5Bを開発【日立建機】
2014年6月24日
-「第33回国際農業機械展in帯広」に出展-
日立建機㈱(社長:辻本 雄一)は、ハイブリッドシステムを搭載したホイールローダZW220HYB-5B(標準バケット容量3.4m3、運転質量18.2t)を開発しました。
ZW220HYB-5Bは、ZW-5シリーズのZW220-5Bをベースにしています。搭載しているハイブリッドシステムは、日立グループの協力を得て開発したもので、ディーゼルエンジンで発電機を駆動し、発電された電気を走行電動モータに供給する構造です。そのため従来のパワートレインのようなトルクコンバータやトランスミッションが存在せず、動力伝達のエネルギーロスが大幅に低減されました。さらに、減速時の回生エネルギーを電気として蓄電器に回収し、加速時の駆動力に再利用することが可能になりました。また、油圧システムをさらに高効率化するなど、従来機の作業性を損なうことなく、燃料消費量とCO2排出量を大幅に低減しています。
日立建機では2003年に、業界初となるハイブリッドホイールローダ(運転質量7tクラスの試作機)を開発し、その後実用化に向けた研究を続けてきました。
ハイブリッドシステムを搭載した建設機械の製品化では、油圧ショベルが先行し、2011年7月にZH200ハイブリッド油圧ショベルを発売。低燃費性能だけでなく、さまざまな現場に柔軟に対応できる実用性を兼ね備えた新世代ショベルとして、お客様へ提供してきました。2013年12月にはその後継機として、一層の低燃費と作業性の向上を追求し、優れたコストパフォーマンスを実現した、オフロード法2011年基準適合機ZH200-5Bを発売しています。
ZW220HYB-5Bは、今後各種性能試験を実施した後、2015年春の市場投入に向けて、準備を進めていきます。なお本機は、製品化に先駆けて、7月10日から14日までの5日間、北海道帯広市で行われる「第33回国際農業機械展in帯広」※に出展する予定です。
主な特長
1. 日立グループの高度な電動技術を結集
高い低燃費性能、走行操作性を実現するために必要な電動機器、制御コントローラを日立グループと共同で開発し、高度な電動技術を結集したハイブリッドシステムを搭載しました。
2. 燃料消費量とCO2排出量を26%低減
当社独自のハイブリッドシステムにより、従来機ZW220-5B(トルクコンバータ仕様)に対して、積み込み作業時の燃料消費量とCO2排出量を26%低減しました(当社測定方法による比較値)。
3. 走行操作性のストレスフリー化
ハイブリッドシステムの採用により、従来のトランスミッションが存在しないため無段変速となります。掘削作業時や坂道走行など変速操作をすることなく最適な走行駆動力を得られ、走行操作性のストレスフリー化を実現しました。
4. 低騒音化
ハイブリッド化により実現した小型エンジンの採用と低回転運転により、ZW220-5Bに対して周囲騒音とキャブ内騒音を大幅に低減しました。
5. 走行と作業の複合操作性の改善
従来機は、走行駆動力と作業機速度をアクセルペダル操作のみでコントロールしていましたが、本機は、走行駆動力はアクセルペダル操作で、作業機速度は作業機操作レバーの操作でと、それぞれ独立してコントロールすることを可能にしました。複合操作が、従来の油圧だけの機械に比べてよりスムーズに行えます。狭い現場での積み込み作業を例にとると、作業機のアームを最高速度で上昇させたいが走行速度は遅くしたいという場面において、最小限のブレーキ操作で効率良く作業を行うことができます。
※国際農業機械展について
4年に1度、わが国最大の食料供給基地である北海道・十勝からその時代に即応した最新鋭の農業機械を発表する場として開催されています。前回2006年に行われた「第31回国際農業機械展in帯広」では、5日間の来場者数が24万5千人となるなど、国内有数の規模を誇る展示会です。(2010年に予定されていた第32回の展示会は、口蹄疫発生により翌年へ延期となり、翌年は東日本大震災発生により中止となっています。)
【第33回国際農業機械展in帯広 「次世代農業へ新たなる挑戦」】
日時 : 2014年7月10日(木)~2014年7月14日(月) AM9:00~PM4:00(最終日はPM3:00まで)
場所 : 「北愛国交流広場」特設会場(北海道帯広市愛国町10番1)
日立建機出展機種:ZW220HYB-5B、畜産・農業仕様ホイールローダ、双腕仕様機、など
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