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自動車のネットワーク化を通じてモビリティに革命をもたらす【ボッシュ】

2014年6月24日

自動車にインターネットを導入

-  「コネクテッドカーは常により優れた車となる」(ヴォルフヘニング・シャイダー)
-  「自動車のネットワーク化は新たな時代の幕開けとも言える。これまでは周囲の環境とは切り離された存在だった自動 車が、今後は相互に作用するようになるからだ」(ヴォルフヘニング・シャイダー)
-  「私たちはメカトロニクスの世界とデジタルの世界を結びつけている」(ヴォルフヘニング・シャイダー)



20年前、インターネットはコンピューターの世界に革命を起こしましたが、さらに今後数年間に渡って、自動車に大きな変革をもたらすと考えられています。 そうした中で、ボッシュは現在、自動車をインターネットの能動的な要素へと変貌させ、ドライバーにさまざまなメリットを提供しています。ロバート・ボッ シュGmbHの取締役会メンバーとして自動車機器テクノロジーセクターを統括するヴォルフヘニング・シャイダーはこう述べます。「コネクテッドカーは常に より優れた車となるでしょう」。ボッシュは自動車をネットワーク化することで、未来のモビリティの快適性、安全性と効率を向上させるだけでなく、デジタル 世界の魅力を現実世界の道路に届けようとしています。その際、ボッシュは3つの戦略目標を追求しています。1つ目は、インターネットを直観的に車内で体験 できるようにすること。2つ目は自動車をインターネットに接続し、付加価値の高いドライバーアシスタンス機能を作り出すこと。そして3つ目は自動車と交通 インフラをネットワーク化することです。「ネットワーク化は、単に公道上でネットサーフィンができる、ということだけを指しているわけではありません」(シャイダー)。ボッシュは必要とされるあらゆる技術の開発に熱心に取り組んでおりますが、その中でも特に選りすぐりのさまざまなソリューションが早くも 量産段階に入っています。しかし、将来的にはまったく新たな機能が次々と現れてくることになるでしょう。例えば、車載の拡張現実が仮想世界と現実世界をつ なぎ、ウィンドシールドが自動車のメインディスプレイとなり、あらゆる自動車情報や周囲の環境に関するデータをドライバーの視界に映し出すなどといった機能です。


目標1 : 自動車にインターネットの要素を取り入れる
デジタル化がますます多くの人々の生活に変化をもたらす中、ネットワーク化は自動車業界におけるメガトレンドになりつつあります。そして、自動車そのもの がデジタル化の広がりにおける1つの要素となっています。このため、ボッシュのエンジニアたちは直観的に操作できる、洗練されたソリューションの開発に 日々取り組んでいます。そうした中で生まれたソリューションの筆頭として挙げられるのが、「mySPIN」です。
これはiPhone®やアンドロイドスマートフォンを自動車に完全に統合するシステムになっており、スマートフォンの表示を車載のメインディスプレイで見ることができます。車内でもアプリを簡単・安全に使用できるようになるだけでなく、使いやすさも一層向上します。

ボッシュはまた、携帯電話を介さずにインターネットを自動車で利用できる仕組みを取り入れています。現行のナビゲーションシステムでは、フレンチやイタリ アンなど飲食店の検索が可能なのですが、将来的には、ボッシュのサービスがすぐに利用できる最寄りの充電スタンドに直接誘導し、電気自動車のドライバーが スタンドを探す手間を省くといったようなことや、最も近い駐車スペースを確保した上でその場所まで誘導するといったことができるようになります。

ボッシュは、パワートレインにおいてもインターネット接続を可能にします。ボッシュが提供するeHorizon シ ステムは、数十年にわたって培われたパワートレインのシステム開発力を革新的なソフトウェアプログラミングと結合させることで、その基礎を築きました。 シャイダーはこう話しています。「私たちはメカトロニクスの世界とデジタルの世界を結びつけています」。こうして、ボッシュは2012年から商用車向けに eHorizonを提供し、スムーズな走行と不必要な加減速を減らすために大きく寄与しています。 例えば、2kmの下り坂の後に市街地に入ることをこのナビゲーションソフトウェアが認識した場合、最も燃料効率が優れたモードで走行するか、またはバッテリーを充電するよう自動車に指示するため、ドライバーは燃料を最大で15%節約することができます。将来的にはインターネットから得た最新の交通データを 通じてナビゲーションデータを随時補完し、自動車が交通渋滞地点に到達する前にコースティング(惰性走行)に入れるようになっていくでしょう。このように、自動車がインターネットから入手したデータを活用するこの種のネットワーク化されたナビゲーションは、トラックだけでなく、乗用車にとっても大きなプ ラスとなります。


目標2 : インターネットに自動車の要素を持ち込む
車内のデータハイウェイは決して一方通行ではありません。自動車はインターネットから得た情報を単に利用するだけでなく、情報を周囲に提供することもでき るのです。そこで、ボッシュはインターネットに自動車の要素を持ち込もうとしています。しかし、シャイダーはこう述べます。「自動車をクラウドに接続する際、データの保護が不可欠の要件になると私たちは考えています。メリットは、潜在的なリスクをはるかに上回ったものでなくてはなりません」。この目的を達 成するために、ボッシュの子会社であるescryptが、スタンドアローンの暗号化など、自動車専用のセキュリティソリューションの開発を担っています。

将来的には自動車自体がセンサーとなり、収集した周囲の環境に関する情報を自動車同士、あるいはサーバーとやりとりするようになります。フローティング カーデータと呼ばれるこうした情報は、高度な動的マップと自動車の安全性を向上させるために必要になっていきます。ドライバーには前方にカーブしか見えていなくでも、ナビゲーションシステムはその先に凍結した箇所や渋滞の後尾があることをすでに把握しているため、乗用車やトラックが玉突き事故を引き起こし たり、渋滞の列に突っ込むことを回避したりできるようになるからです。システムはその際、ドライバーに警告するか、あるいはブレーキ操作を自動的にスタートさせます。「ネットワーク化は自動化の構成要素ですが、その逆もまた然りなのです」(シャイダー)。

自動車が外界と通信するアプリケーションはすでに存在しています。その1例であるeCallは、欧州連合で2015年から義務化されることになりました。 エアバッグを作動させるのと同じセンサーで起動するeCallを搭載した自動車の場合、事故が起こると、自動的に情報が救急サービスに直ちに伝えられます。これにより、救急隊が事故現場に到着するまでの所要時間を地方部で50%、都市部で40%短縮することができます。もちろん、ボッシュの役割が技術面 だけにとどまっているわけではありません。ボッシュの従業員は事故と緊急サービスの間のインターフェースとして、オペレーションセンターで緊急通報に対処 し、救急サービスに迅速かつ正確に情報が伝わるよう努めています。

自動車データを収集するためのこうしたアプローチは、安全性の向上だけでなく、コストの削減にも寄与しています。ボッシュが提供する 「Leaseplan」は、自動車のネットワーク化を通じてまったく新しいかたちのフリート分析を可能にしています。また、ボッシュは予防的メンテナンス のためのソリューションの開発を進めています。例えば、ショベルカーやホイールローダーのエンジンデータをデータベースに随時送り、そのデータを分析後、 アーカイブに日々蓄積される同程度の負荷にさらされている同種の自動車のデータと比較することで、主要なコンポーネントの摩耗の有無やより重要な摩耗限度 を迎える時期を予測し、コンポーネントを適切な時期に交換できるようにするといったシステムです。ショベルカーを例に取ると、ダウンタイムを回避できれば、多額の費用の節約につながります。こうした機械が停止した場合、オペレーターには1時間あたり最大で2,000ユーロもの費用が発生するからです。もちろん、将来的にはこうした機能が乗用車でも利用できるようになるはずです。その用途としては、エンジン部品の摩耗インジケーターなどが考えられます。こうした機能があれば、ドライバーは道路で突然立往生する羽目に陥る前に、損耗した部品を事前に交換できるようになっていくでしょう。


目標3 : 自動車をモノのインターネットの一部に組み込む
自動車のインターネットへの接続は、こうしたアプリケーションをはるかに超えるものだと言えるかもしれません。「自動車のネットワーク化は新たな時代の幕 開けです。これまでは周囲の環境とは切り離された存在だった自動車が、今後は相互に作用するようになるからです」(シャイダー)。最適なモビリティを実現 するために、巨大な都市全体を、インフラを含めてネットワーク化していくことも十分ありえます。都心から郊外に向かおうとした場合、中心部で電車を利用してから、カーシェアリングに切り換えるという方法も考えられるからです。そして、サービスブローカリング機能を備えたボッシュのプラットフォームは、公共輸送会社、電気自動車レンタカー会社や電動バイクレンタル会社の連携を促し、総合的なモビリティサービスの提供を実現しようとしています。

ボッシュのソフトウェアプラットフォームは、すでにeモビリティの大きなプロジェクトでインフラの管理をスタートさせています。その1例として挙げられる のが、「Hubject」です。これは充電スポット向けのローミングシステムで、これを利用する顧客は、電気自動車をさまざまな業者が運営する充電スポッ トで充電し、その料金は通常の電気料金請求書で簡単に支払えるようになっています。また、ボッシュはeモビリティを超えた形でも活動を展開しています。その1例となるのが「Truck Secure Parking」で、これは幹線道路沿いのトラック用駐車スペースのオンライン予約サービスです。すべての駐車スペースにはビデオ監視システムが装備され、ボッシュのコールセンターとつながっているため、ドライバーと貨物の安全が常に確保されています。

さらに、ボッシュは街全体をモノのインターネットに組み込むために積極的に取り組んでいます。現在、モナコではボッシュのデジタルネットワーキング技術が 2013年11月中旬から運用されています。これは、モナコ公国とボッシュが2012年7月に調印した協力合意を実行に移す第一歩となります。このプロ ジェクトから垣間見える未来では、モビリティがコネクテッド・シティの主要な要素になります。ドライバーを最寄りの充電スポットに誘導したり、駐車スペースを予約して料金を支払ったり、交通状況に応じて電動バイクに乗り換えたりするなど、その用途は実にさまざまです。そして、こうした動きは世界中の巨大都市で見られるようになっています。

このように、ボッシュは自動車のネットワーク化はグローバルな市場であると見ています。世界中の顧客と自動車メーカーは今、自動車のネットワーク化に向け て積極的に取り組んでいます。自動化され、ネットワーク化の進んだ自動車は、例えば交通の流れを80%改善し、高齢者に安全で快適なモビリティをもたらすほか、自動車の自動化がさらに進めば、交通事故による死者の数が最大で90%減少する可能性があるという研究結果も報告されています。そしてボッシュは、 自動車をインターネットに接続する取り組みにおいて、世界の自動車メーカーだけでなく、他業種の革新的な企業とも欧州、北米やアジアで緊密な意見交換を進めています。


インターネット
コネクテッドビークル
http://bit.ly/1eyRAUc
mySpin – 自動車のスマートフォンインテグレーション
http://bit.ly/N6lYza
electronic horizon : 予測的ナビゲーション
http://bit.ly/1fsQ3VI
ボッシュの高度フリート管理システム
http://bit.ly/Mx0mes
Hubject – eモビリティのパイオニアとしてのボッシュの合弁会社
http://bit.ly/1o81j9m
モノとサービスのインターネット– 未来の コネクテッド・シティ
http://bit.ly/1gE0r9J
eCall
http://bit.ly/1luiNzT


動画
コネクテッドビークル
http://bit.ly/1fKwOpg
ボッシュのユーザーエクスペリエンス – 未来のヘッドアップディスプレイ
http://bit.ly/1fC0hBF
mySpin – 自動車のスマートフォンインテグレーション
http://bit.ly/1eosaxc
electronic horizon : 予測的ナビゲーション
http://bit.ly/1bO0Vg3
自動運転
http://bit.ly/NyS2vF






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