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ドライバーの安全確認を支援する「接近物検知ライブラリ」の提供を開始【富士通セミコンダクター】

2014年5月15日

~高性能な画像処理機能をソフトウェアで実現~

富士通セミコンダクター㈱(注1)は、車両に搭載したカメラの画像を解析して自車に接近する他の車両や人などの物体を検知する機能を、当社製グラフィックスSoC用ソフトウェア「接近物検知ライブラリ」として製品化しました。独自の技術により誤検知率を大幅に低減したのに加え、同機能をソフトウェアで実現するための様々な最適化を行い、通常必要となる専用のハードウェアを使用せずに実装することが可能になりました。「接近物検知ライブラリ」は、評価版を5月より、製品版を9月より提供する予定です。


当社はこれまで、車載向け高性能グラフィックスSoCによる高速で鮮明な画像表示を生かし、クラスタ(ダッシュボード)、コンソール、さらにはヘッドアップディスプレイなどの各種ディスプレイへの画像表示を一元的に制御する統合HMI(Human Machine Interface)や、車両に搭載したカメラの画像を立体的に合成して車両の全周囲を自由な視点で表示させる「全周囲立体モニタシステム」などの車載向け映像ソリューションを開発・提供してきました。

2018年5月以降に生産される乗用車に後方確認用モニターの搭載を義務付ける「Kids and Transportation Safety Act」(KT法)が米国で施行されるなど、車両の周囲の情報をドライバーに知らせる機能は今後ますますその需要が増していくと考えられます。なかでも、自車に接近する他の車両や人を自動的に検知してアラームを発する「接近物検知機能」は、ドライバーの負担を軽減する手段として大変有効であり、このような機能を性能面で妥協することなく、かつ容易に実装できる製品が求められていました。

当社は、この接近物検知機能を車載向け映像ソリューションの重要な要素と位置づけて開発し、「接近物検知ライブラリ」として製品化しました。本製品は独自の誤検知防止技術の採用により検知漏れや過検知を大幅に低減したのに加え、データ処理の並列化など同機能をソフトウェアで実現するための様々な最適化 を行いました。本製品を利用することで、画像認識LSIなどの専用ハードウェアを用いることなく、高性能かつ柔軟な設定が可能な接近物検知機能を短納期で構築することができます。

「接近物検知ライブラリ」は、当社製汎用グラフィックスSoC「MB86R24」を搭載した評価ボード上で動作確認できる評価版としての提供を本年5月より、製品版の販売を9月より開始する予定です。今後、同方式の製品分野において市場をリードし、ワールドワイドでのトップシェアを目指します。

当社はこれからも、映像ソリューションの提供を通じて、人と自動車がより安全に共存できる社会の実現に貢献します。 また、自動車で培った技術を汎用SoCプラットフォームへ適用し、監視カメラ、自動制御など多くのアプリケーションへも展開していきます。

なお5月21日から23日までパシフィコ横浜にて開催される「人とくるまのテクノロジー展2014」では、「接近物検知ライブラリ」の他、各種ソリューションのデモ展示を行う予定です。


※価格に関しては担当営業にお問い合わせください。

「接近物検知ライブラリ」の動作概要

映像中のオプティカルフロー(光学的に検出した物体の動き)を計算、誤検知防止処理を行った後、類似のオプティカルフローをグループ化することで移動している物体を特定します。


「接近物検知ライブラリ」の特長

1. 接近物検知機能をソフトウェアで実現
車載カメラの画像を解析し接近する物体を認識する検知アルゴリズムをソフトウェアで動作するように最適化し、また、動作の高速化のためにデータ処理の並列 化などの工夫を行いました。画像認識用の専用ハードウェアが不要なだけでなく、利用条件や状況に応じた柔軟な設定が可能になりました。

2. 独自の誤検知防止技術
検知漏れまたは過検知を回避するための新たなアルゴリズムを開発しました。 さらに大量の映像を用いた検証により誤検知に至る要因を特定し改善することで、高速で移動する物体や、薄暗い条件での検知性能が大幅に向上しました。

動作条件など

CPU : ARM Cortex-A9 533MHz
ROM : 約90 Kbyte
RAM : 約4 Mbyte (入力画像サイズ720*480、検知領域240*160Pixelが2面の場合)

商標について

記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。

注釈

注1  富士通セミコンダクター㈱
本社 神奈川県横浜市、代表取締役社長 岡田 晴基。

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