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米国Vaupell Holdings, Inc.の株式の取得(子会社化)に関するお知らせ【住友ベークライト】
2014年4月22日
当社は、平成26年4月21日、H.I.G. Capital, LLC の関連会社(米国)との間で Vaupell Holdings, Inc.(以下、「Vaupell社」)の発行済普通株式の100%を、買収総額265百万US$で取得する契約を締結いたしましたので、以下のとおりお知らせいたします。なお、本買収は各種クロージング条件を経て完了することとなります。
1. 株式の取得の理由
当社グループは高機能プラスチック(HPP)事業において、フェノール樹脂を中心に、この樹脂が本来持つ、耐熱性、機械強度、寸法安定性に加えて、FST(anti-flame/anti-smoke/antitoxicity)という機能を発揮し、自動車部品分野で培った素材の強みを生かせる分野へのビシネスの拡大をかねてより進めてまいりました。そのような中にあって、航空機内装部品事業に対しては、航空機そのものへの拡大する需要ならびに燃料費削減に向けた軽量化のための樹脂化促進の方向性と相まって、当社のこれまでの技術蓄積が生かせる分野として3年前より本格的に参入の機会を覗ってまいりました。また、それと同時に当社が30余年に亘り築き上げてきた外科・内科手術における各種の医療機器事業についても、海外における事業展開の機会を狙って、世界市場の調査、買収・アライアンスの可能性の検討等を課題として取り組んでまいりました。
そうした検討の結果として、このたび、航空機内装部品事業と医療機器事業の双方を、米国中心に事業展開する米 Vaupell社の買収を決定するに至りました。Vaupell社は、今をさかのぼる1947年に、世界で初めてプラスチック部品を Boeing 社に納入した、文字通り航空機内装樹脂部品のパイオニアであります。
それ以降、Boeing社の民間航空機のすべてのプラットフォームに、多くの成形部品ならびにアッセンブリー部材を供給してきている、いわゆるTier-1に位置するサプライヤーであり、安定した業績をあげています。また、医療機器製品の分野では、Stryker社、Cooper Surgical社、Smith&Nephew社、Bard社等世界の主要な医療機器プレーヤーにプラスチック部品を供給してきております。
当社にとりましては、新規事業としての航空機内装部品事業への本格的進出を果たすとともに、念願の医療機器事業の本格的な国際的展開という、当社の今後の成長を牽引することになる、非常に戦略的な買収となります。
当社が Vaupell社を買収することにより、当社は、航空機内装部品事業において、原料・素材から、成形加工、塗装ならびにアッセンブリーという幅広いソリューションを提供できる、謂わば、航空機内装部品事業分野におけるインテグレーテッド・サプライヤーとしての地位を築くことができ、財務上の健全性と幅広い技術的拡張性を兼ね備えた、航空機メーカーにとって非常に信頼のおけるパートナーとしての位置を占めることになろうと考えております。米国のBoeing社との長く深い信頼関係を基礎として、当社の中国・東南アジア諸国あるいは欧州における拠点を活用した、世界的視野での航空機需要の高まりに対応できる非常に数少ないサプライヤーとなることを目指しております。
医療機器事業においては、当社が保有していないVaupell社の技術の獲得や、Vaupell社が部品を供給している世界的に著名な医療機器メーカーとのネットワークを活用して、米国の先進的な医療情報を得るとともに、日米の相互の市場において、新規顧客の開拓ならびに既存販売チャネルを活用した既存事業拡大を可能とするものであります。
このように、買収完了後はVaupell社の有する顧客との深い関係、長年に亘り培われてきた技術、あるいは販売ネットワークの強みを活かし、当社の既存生産基地との連携・技術の深化を通して、より幅広い顧客を獲得していく中で、シナジーを最大限に発揮し、一層の事業拡大を図っていくことが可能と判断しました。
2. 異動する子会社(Vaupell Holdings, Inc.)の概要
(注)業績については、守秘義務により非公表とさせていただきます。
3. 株式取得の相手先の概要
(注)上記の所在地および事業内容は、H.I.G. Capital, LLCのことであります。
4. 日程
本件のクロージングは、今期の第1四半期までに完了する見込みであります。
5. 今後の見通し
本件取引に伴う当社の連結業績への影響につきましては、現在精査中です。
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