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(GPS受信機等に)水晶振動子を内蔵した世界最小のリアル・タイム・クロックを発表【STマイクロエレクトロニクス】

2011年7月29日

リアル・タイム・クロックと水晶振動子を業界標準の最小パッケージに統合し、ポータブル機器の省スペース化、電池寿命の最適化、設計の簡略化を実現

エレクトロニクス分野の多種多様なアプリケーションに半導体を提供する世界的半導体メーカーであるSTマイクロエレクトロニクス(NYSE:STM、以下ST)は、小型化が重要視されるハイテク機器の時間・カレンダー・アラーム機能向けに、水晶振動子を内蔵した世界最小のリアル・タイム・クロック(RTC)ICを発表しました。

世界最小のRTCおよび最適な水晶振動子を統合した新製品は、市場で最も小さい水晶振動子用パッケージと同サイズ(3.2 x 1.5mm)のパッケージで提供され、超低消費電力を実現しています。

M41T62は、バッテリ駆動機器の設計に理想的です。低電圧(1.3V~4.4V)で動作するため、リチウム・イオン電池より直接駆動することが可能で、消費電流は僅か350nAです。多くのマイクロコントローラ(以下マイコン)はRTCを内蔵していますが、大抵の場合は機能が限られており、常に外付け水晶振動子を必要とします。マイコンやディスクリート品を使用する設計とは異なり、この統合化されたソリューションは、手間の掛かかる水晶とRTCの必要な最適化をサポートしています。

MEMS・センサ・高性能アナログ事業部、センサ・マイクロアクチュエータ部門、ジェネラル・マネージャであるFrancesco Italiaは、次の様にコメントしています。「水晶振動子の小型パッケージに内蔵された最先端のRTCは、あらゆる携帯型機器に完璧なソリューションを提供します。また、省スペース化や消費電力の最適化と共に、充電式リチウム・イオン電池から直接駆動することができます。このターンキー・ソリューションは、適切な水晶振動子とRTCを組合わせるという設計者の悩みを軽減します。」

M41T62は、製品設計を簡略化します。起動時から安定した32kHz信号を生成するため、現在のプロセッサやBluetoothモジュール等のサブシステムの多くで安定した起動が保証されます。その他、設計の簡略化やシステム性能向上に向けた特徴として、システムの電源障害検出に役立つ振動子障害検出機能(OFD)があります。また、マイコンに内蔵されたRTCの場合、パワー・ダウン・タイムスタンプ、バッテリ低下検出等の動作に必要となりる外付け部品が不要です。さらに、同製品はUL認定も取得しており、逆方向ダイオードを内蔵しています。

M41T62は、データ記録、タイム・スタンプ、インターバル・モニタ、同期等を必要とするシステムのパフォーマンスを向上させます。このようなシステムには、デジタル一眼レフカメラ、GPS受信器、携帯型マルチメディア・プレーヤ、カード・リーダ、血糖値計等の携帯型医療機器等が含まれます。

M41T62の主な特徴

鉛フリー・セラミック・パッケージ(3.2 x 1.5mm)
業界最小の水晶振動子と同サイズにRTCおよび水晶を実装
超低消費電力 : 350nA(3V時)
低動作電圧 : 1.3V~4.4V
起動時から32kHzを安定供給
水晶振動子の障害検出により安全な動作を保証
時間計測 : 最低1.0Vまで
設定可能なアラームおよびウォッチドッグ

現在、M41T62は量産中で、LCC8リードレス・パッケージにて提供されます。
単価は1,000個購入時に約1.50ドルです。大量購入時の単価については、お問い合わせください。

STマイクロエレクトロニクスについて

STマイクロエレクトロニクスは、多種多様な電子機器向けに革新的な半導体ソリューションを提供する世界的な総合半導体メーカーです。STは、高度な技術力と設計ノウハウ、そして幅広いIP(Intellectual Property)ポートフォリオ、戦略的パートナーシップ、大規模な製造力を駆使することにより、マルチメディア・コンバージェンスとパワー・アプリケーションにおいて他社の追随を許さないリーダーとなることを目指しています。2010年の売上は103.5億ドルでした。さらに詳しい情報はSTのホームページをご覧ください。

ST日本法人 : http://www.st-japan.co.jp
STグループ(英語) : http://www.st.com