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アウディ史上、最も軽量・低燃費な Audi R18 e-tron quattro 2014モデル【アウディ ジャパン】

2014年4月9日

さらに厳しくなった、安全基準・重量制限に対応。

4月7日 インゴルシュタット:アウディは2014年シーズンを迎えるにあたり、非常に困難な要求をクリアしなければなりませんでした。ル・マン プロトタイプカーに対する安全基準が1999年の初参戦以来もっとも厳しくなるとともに、最低重量が大幅に引き下げられ、車両開発はこれまでになく複雑、困難なものになりました。

エンジニアは、市販モデル、レーシングカーに関わらず、常に困難な目標をクリアすることを求められます。新型Audi R18 e-tron quattroに関わったアウディスポーツのエンジニアは、特に厳しい状況に置かれていました。レギュレーションが変更され、今シーズンからLMP1クラスの最低重量が、昨年の915kgから870kgとなりました。45kgにおよぶ軽量化は、モータースポーツの世界では非常に大きなチャレンジを意味します。その一方で新しいレギュレーションは安全性向上のために多くの変更を求めており、これらを実現するには重量の増加が伴います。例えば、横方向の衝撃からドライバーを守るために、新レギュレーションでは特殊な合成繊維“Zylo”製のパネルを設置するよう規定しています。防弾チョッキにも使われているこの特殊素材は、アクシデント発生の際、鋭利なものがコクピットへ侵入することを防ぐ効果を持っています。2014年からは衝撃テストをクリアする基準も高く設定されたため、コクピットはまったく新しい設計となりました。

この他に、アクシデントの際にホイールがボディから脱落しないようにする、合計8本(ホイール1本あたり2本)の脱落防止テザース(ワイヤー)の設置も義務化されました。さらに2014年モデルから、Audi R18 e-tron quattro はリヤ部分にクラッシャブル構造を採用。カーボンファイバーで補強されたプラスチック(CFRP)製となったリヤゾーンは、後方からの衝撃を効果的に吸収します。
また今シーズンから、従来の6速に変わり7速トランスミッションの使用が認められ、これによりトランスミッションのサイズが大きくなりました。「新レギュレーションに合わせた変更は、20kgもの重量増加を伴いました」と、アウディスポーツ技術部門リーダーのDr. マーティン ミュルメイアーは説明しています。

アウディのエンジニアは、これらの変更を実施しながらも、それを上回る大幅な軽量化を実現し、最終的に新しい最低重量870kgをクリアしました。アウディスポーツ技術部門リーダーのウォルフガング アッペルは「今日まで絶え間なく続けてきた技術開発のおかげで、新しいレギュレーションへの対応は、重量増加を伴わずに実現しました。技術開発の成果は、マシンのあらゆる部分に進化を与えています」と説明しています。

アウディは、これまでにもレーシングカーにCFRPを積極的に採用。さらに2014年モデルから、ステアリングコラムにも初めてCFRPを採用しました。しかし、いまだに多くの部分ではこの素材の使用が禁じられています。例えば、サスペンションには今でも金属素材の使用が義務付けられています。コクピットの安全性向上についてのレギュレーションは、年を追うごとに厳しくなっています。それにも関わらず、2014年モデルのAudi R18 e-tron quattroは、わずか870kgとなった最低重量を見事にクリアしています。

新型Audi R18 e-tron quattroは、アウディが誇る軽量化技術の粋を集められ、これまでのマシンで最も安全で、軽量、燃費性能に優れたマシンとなりました。過去20年間に渡って研究開発が進められてきたこの技術は、レーシングカーにとどまることなく市販モデルにも確実に反映されます。





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#2014年4月9日