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フリースケール、新しいアナログ製品のシステム・ベース・チップにより、 システムレベルの厳しい機能安全要件のサポートを統合【フリースケール・セミコンダクタ・ジャパン】
2014年4月8日
32ビット・マイクロコントローラに最適化された次世代のシステム・ベース・チップにより、
エネルギー効率に優れたスケーラビリティを実現
フリースケール・セミコンダクタ・ジャパン㈱(本社:東京都目黒区下目黒1-8-1、代表取締役社長:ディビッド M. ユーゼ、以下 フリースケール)は、車載システムおよび産業システムの設計者が、機能安全規格への適合が要求されるアプリケーションの設計に伴うコストを削減し、複雑性を緩和できるようサポートしています。そして本日、マイクロコントローラや他のシステム・コンポーネントに電力を供給し、同時にシステム全体のエネルギー消費を削減する、新たなシステム・ベース・チップ(SBC)を発表しました。
機能安全要件に重点を置いて開発された新しいSBC「MC33907」と「MC33908」は、フリースケールのQorivva(コリーヴァ)シリーズ・デバイスなどの32ビット・マイクロコントローラとシームレスに連動し、パワー・マネジメントと通信の機能に加えて多様な電力分割アーキテクチャの機能安全を統合した、拡張性に優れた電源ソリューションです。システム設計者が容易に使いこなせるこのソフトウェア/ハードウェア・ソリューションは、さまざまなアプリケーションに固有の機能安全要件に対応するとともに、設計作業を簡素化し、外部コンポーネントの利用を最小限に抑え、全体の部品コストを削減します。
デュアルDC/DCスイッチング・レギュレータ・アーキテクチャの効率性や、他に類を見ない最小2.7V電源での低電圧動作を特長とする両製品は、システムレベルで20%の省電力を実現するほか、自動車でのクランキング・パルスの発生などにより電源電圧が低下する場合でも、システムの稼働を維持します。また、超低消費電力モードおよび革新的なウェイクアップ機能によりシステムの静止時電流は最大で30µAまで削減されるため、システム・スタンバイ時のエネルギー消費とバッテリ放電が抑制されます。電圧レギュレータは各種の設定が可能であるため、32ビット・マイクロコントローラに最適化された拡張性に優れたプラットフォーム・ソリューションを設計して、自動車や産業のさまざまなアプリケーションの機能安全認証に対応することができます。
フリースケールの上級副社長兼アナログ・アンド・センサ・ビジネス担当ジェネラル・マネージャであるジェイムズ・ベイツは、次のように述べています。「機能安全コンプライアンスの達成は難しくコストのかかる作業です。フリースケールの新しいシステム・ベース・チップは、最も厳格な機能安全要件であるISO 26262 ASIL Dに加えて、ESD(静電放電)およびEMC(電磁適合性)の最新の車両OEMメーカ要件を満たすように設計されており、より短期間かつ容易にコンプライアンスを達成することを可能にします。」
MC33907とMC33908の機能安全は、権威あるサードパーティの認証機関により実証されており、安全面のアーキテクチャとアプローチがセーフティ・アプリケーション向けのISO 26262 ASIL-Dの基準を満たします。いずれのシステム・ベース・チップも、マイクロコントローラ、センサ、アナログICの広範なソリューション・セットに加えて、トレーニング、セーフティ・ドキュメンテーション、およびソフトウェアと技術のサポートなどの機能安全のアプリケーション設計のサポートを提供する、フリースケールの機能安全プログラムであるSafeAssure(セーフ・アシュア)プログラムの対象製品です。
システムの総合的な出力電流容量はどちらのデバイスも2Aで、MC33908は最大1.5Aのコア電流を供給し、MC33907は0.7Aのコア電流を供給します。両デバイスは、共通原因故障を削減するための統合および個別の安全手段に加えて、ISO 11898-2-5に準拠する堅牢なCAN物理層と、シリアル・ペリフェラル・インタフェースを装備しており、目的のマイクロコントローラの制御と診断を行うことが可能です。
その他の主な特長 :
- 革新的なアーキテクチャに基づくセーフティ・クリティカル・パラメータ(供給電圧、タイミング、マイクロコントローラ、およびアナログIC)の個別のモニタリング
- アーキテクチャ評価とコンセプト評価はASIL Dアプリケーションに適合
- 独立したフェールセーフのステート・マシンにより最も厳格な機能安全規格に対応
- 柔軟なDC/DCバック・プレレギュレータおよびLV124に適合するオプションのブースト機能
- 最大2.0Aの複数の電源ソース
- 静止時電流30µAの低消費電力モード
- アナログ・マルチプレクサおよびリバース・バッテリ・ダイオード前に設置したバッテリ・センサにより、低電力動作時の瞬時のシステム応答を実現
- 高機能ウォッチドッグとセキュアなSPIインタフェースの統合
- IEC61000-4-2およびISO10605.2008規格に準拠する、ESD堅牢性に優れた最大+/-8kVガン・ストレスのシステム・インタフェース・ピン
- IEC61000-4-2およびISO10605.2008規格に準拠する、最大+/-12kVガン・ストレスのEMI/ESD性能を備えた堅牢なCAN通信物理インタフェース
開発サポート
フリースケールは、MC33907とMC33908の両製品をサポートするハードウェアとソフトウェアの豊富なラインナップを用意しています。
KIT33907AEEVB評価ボード、150.00ドル(USD)
KIT33908AEEVB評価ボード、150.00ドル(USD)
KIT33908MBEVBEマザー・ボード、350.00ドル(USD)
KITMPC5643DBEVMドータ・ボード、150.00ドル(USD)
KIT908-5643EVM評価システム、550.00ドル(USD)
価格と供給
MC33907およびMC33908 SBCは現在出荷中で、1万個購入時の1個あたりの参考価格は、それぞれ2.49ドルと2.55ドル(USD)からになります。それ以外の数量での購入については、フリースケール・セミコンダクタまたはお近くの販売代理店にお尋ねください。
優れた堅牢性と信頼性を備えたアナログ性能
フリースケールのアナログ製品の大多数は、拡張温度範囲での動作など、産業市場の極めて重要な要件を満たします。各製品は、厳格なプロセス制御によって設計と製造が行われ、車載市場の厳格な信頼性基準を満たすよう、業界標準の手法を用いて適格性が診断されます。また、MC33907/MC33908デバイスを含め、大半のフリースケールの産業用アナログ製品は、フリースケールの長期製品供給プログラム(Product Longevity Program)の対象となっており、製品リリースから最低10年間または15年間の供給体制が保証されます。諸条件の詳細ならびに対象製品のリストについては、www.freescale.com/productlongevityのWebサイトをご覧ください。
フリースケールのSafeAssureプログラム : 機能安全の容易な実現に向けて
フリースケールのSafeAssure機能安全プログラムは、システム・メーカーがより容易に国際標準化機構(ISO)や国際電気標準会議(IEC)のIEC 61508などの車載および産業市場の機能安全基準への準拠を達成できるようにすることを目的としています。このプログラムは、機能安全の導入をサポートするように最適に設計されたフリースケールのハードウェアとソフトウェアのソリューション、および豊富なツール・セットを提供します。詳細については、www.fresscale.com/SafeAssureのWebサイトをご覧ください。
フリースケール・セミコンダクタについて
フリースケール・セミコンダクタ(NYSE:FSL)は、先進の自動車、民生、産業、およびネットワーク市場において、業界を牽引する製品を提供する組込みプロセッシング・ソリューションの世界的リーダーです。マイクロプロセッサ、およびマイクロコントローラ、センサ、アナログ製品やコネクティビティといった私たちの技術は、世界中の環境、安全、健康を向上させ、そしてそれらをよりつなげるイノベーションの基盤となります。また、オートモーティブ・セーフティ、ハイブリッドや電気自動車、次世代のワイヤレス・インフラストラクチャ、スマートエナジー、ポータブル医療機器、家電やスマート・モバイル製品といったアプリケーション向けの製品を提供しています。フリースケールは、テキサス州オースチンを本拠地に、世界各国で半導体のデザイン、研究開発、製造ならびに営業活動を行っています。詳細は、http://www.freescale.com/(英語)、またはwww.diadem.jp(日本語)をご覧ください。
フリースケール・テクノロジ・フォーラムについて
イノベーションとコラボレーションの促進を目的に設立されたフリースケール・テクノロジ・フォーラム(FTF:Freescale Technology Forum)は、業界最大規模の包括的な組込みエコシステムを体験できるイベントです。FTFでは、フリースケールやエコシステム・パートナーが4日間にわたって詳細なトレーニングや実践的なワークショップ、デモンストレーションを提供します。また、業界の同業者や優れたビジョンを持つ先駆者とコラボレーションを進めるまたとない機会でもあります。世界中のデベロッパ・コミュニティから熱い支持を受けており、2005年に開催を開始して以来、FTFの参加者は世界全体で6万人に到達しようとしています。中核イベントであるFTF Americasは、2014年4月8日~11日にテキサス州ダラスで開催します。FTF Japanは東京にて、2014年10月6日に開催される予定です。
Freescale、Freescaleのロゴマーク、およびKinetisは、Freescale Semiconductor Inc., Reg. U.S. Pat. & Tm. Offの商標、または登録商標です。 文中に記載されている他社の製品名またはサービス名はそれぞれ各社の商標です。
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