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最新電動射出成形機 『Si-6シリーズ』 に高精度型締機構を標準化した小型シリーズを追加 フルラインアップを完了【東洋機械金属】

2014年1月27日

日立グループの東洋機械金属㈱(兵庫県明石市  社長  片山三太郎  以下  TOYO)は、 2013年に中・大型シリーズを発表した電動サーボプラスチック射出成形機の新機種「Si-6(シックス)シリーズ」において、新たに小型シリーズ6機種を開発し1月30日より受注を開始する。



Si-6シリーズは、「スマートモールディング “プラスチック射出成形をよりシンプルに、スマートに”」をコアコンセプトとして2013年4月に型締力280トンから450トンの中型クラス3機種をリリースし、7月には第2弾として680トンから950トンの大型クラス3機種をラインアップに加えた。

今回第3弾として追加ラインアップするのは、型締力50トンのSi-50-6、同80トンのSi-80-6、100トンのSi-100-6、130トンのSi-130-6、180トンのSi-180-6と230トンのSi-230-6の6機種。最大の特長は100トン以下の機種において、精密成形を視野に入れた「高精度型締機構」を標準仕様としたことである。
今回小型シリーズを加えたことで、Si-6シリーズとして一応のフルラインアップ(全12機種)を完了する。

Si-6 小型シリーズの特長

1. 型締機構の改良
(1)高精度型締機構を標準化(Si-50-6~Si-100-6)
・  小型シリーズの中でも特に高精度を問われる型締力100トン以下のクラスにおいて、高精度型締機構を標準とした。可動側の金型取付盤支持に直動ガイドを採用し、型開閉動作中の金型取付盤の平行度変化やブレを従来機※1に比べて約30%低減させた。またさらに型締機構部のマシンフレームそのものの剛性も強化している。型締機構部フレームにおいて、たわみ量を最大54%※2低減(Si-80-6)させた。50トンから100トンの3機種平均においても30%以上のたわみ量の低減を実現している。これらにより、型開閉動作の繰返し安定性が向上し、小物精密成形において高まる型締機構の高精度化と精度長期維持のニーズに対応する。

(2)複雑化、大型化する金型への対応
・  従来シリーズまではオプションにて対応していた金型厚さ延長仕様を、Si-6小型シリーズ(Si-100-6~Si-230-6)では標準化した。また合わせて、Si-50-6~Si-130-6においてはタイバー間隔を縦方向に約10%アップさせた。このことにより、複雑化、大型化傾向にある金型に、よりフレキシブルに対応できることはもちろん、金型設計時の自由度の向上、金型交換などの段取り替え時の作業性向上など効率化に貢献する。

(3)ダウンサイジング
・  型締機構の改良によって装置全長の短縮化を実現。型締力180トンクラス※3においては、152mmの短縮を図った。リプレイス時のレイアウト検討が容易となる他、省スペース化にも貢献する。

(4)最適型締を実現する「Vクランプ」型締機構
・  京都大学との共同開発により完成した、V字形の新型トグル機構「Vクランプ」による、センタープレス効果で、均一な型締力分布を実現。また、ハイサイクル化に対応。
・  同じく京都大学との共同開発により、高剛性化とスリム化を実現した金型取付盤を搭載。高速エジェクタによりハイサイクル効果を補完。


2. 射出性能の向上

(1) 射出性能の向上
・  新制御 SYSTEM 600の高応答性、制御能力の向上により、製品(成形品)重量のバラつきが低減。型締力180トンクラス※4においては、約20%バラつき量が低減。

(2) 目的に応じた射出装置構成
・  各機種に「標準」、「高圧」、「高速」、「超高速」の射出装置を準備。対象成形品に応じて、必要な射出ユニットが選択可能。


3. 最新制御 SYSTEM 600
Si-6シリーズより採用の新制御システム。昨年発表した中型、大型シリーズ、そして今回の小型シリーズ共通の制御システムである。
(1) 見やすい、使いやすい、15インチLCDタッチパネル
・  画面デザインを一新。グレーベースの見やすい画面で視認性が向上。
・  画面が大きくタッチしやすい15インチLCDタッチパネルにより操作性を向上。また、LCDは水銀レス、かつ、LEDバックライトの採用で省エネにも貢献。

(2) 安全規格グローバル対応
・  従来、各々の国や地域ごとにあった安全規格対応仕様に共通のベース仕様を設定することで、リードタイムの短縮、コストの低減を実現。

(3) 大切な金型を守る高精度の型閉監視
・  独自開発のHSP金型保護制御により、僅かなトルクの変動を検知し型閉動作を停止、成形品の挟み込みによる金型事故を未然防止。

(4) トラブル原因の探索に有効な「診断機能」
・  トラブル発生時点の各種のデータを自動記録、トラブル原因の特定に有効。
・  お客さまが入力された成形条件から問題点を自動でピックアップし、画面上でアドバイス表示。


4. 省エネ・環境性能の向上
(1) 加熱筒に保温カバーを標準装着
・  Si-6全機種の加熱筒に保温カバーを標準装着。型締力280トンクラスにおいて、ヒータ消費電力量55%※5削減。

(2) 消費電力表示機能
・  Si-6全機種に省エネ推進に有効な消費電力表示機能を標準装備。本機能は、プリセットした時点からの総電力を算出し、「総積算消費電力」、「1時間当たりの消費電力」が切替表示できる。また、「換算レート」機能によって設定したい単位(円、ドル、CO2排出量、他)で計算表示させることもできる。この「見える化」により、エコ意識の向上、省エネ活動の推進に貢献。

(3) 食品容器生産に対応する機械グリースを独自開発
・  食品容リー器など衛生管理の必要な成形に有効なプラスターグリース H1-2を開発。
・  プラスターグリース H1-2はNSFインターナショナルにて「H1グレード」※6に認定登録。


5. メンテナンス性の向上
(1) スクリューメンテナンスを容易化
・  ワンタッチ化したノズルヒータ・熱電対を標準装備。加熱筒周辺の作業軽減に貢献。

(2) その他
・  機体カバー取付方法の改良によるボルト点数の低減など細かなメンテナンス性にも配慮。安全ドアの開き量を拡張し、金型メンテナンス作業時の作業スペースを確保。作業性・安全性向上に貢献。


6. その他
初年度販売目標は、Si-50-6からSi-230-6までシリーズ6機種合わせて1000台を見込む。


Si-6シリーズ フルラインアップ


※1  Si-V(ファイブ)シリーズ(2013年製)同クラス機
※2  Si-Vシリーズ(2013年製)とSi-6シリーズの同クラス機マシンフレームたわみ量をCAE解析した結果の比較による
※3  Si-180V、2013年モデルとの比較
※4  同金型、同成形条件においてSi-180V、2013年モデルとの比較
※5  ABS樹脂成形においてSi-280V 2012年製との比較
※6  NSFインターナショナル : 米国に本部を置く、中立的立場で公衆衛生機器に関して試験認定を行う国際的な公益団体
H1グレード : 偶発的に食品に触れる可能性がある箇所で使用可能なグリース



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