ニュース
照明設計解析ソフトウェア「LightTools」最新バージョン8.1リリースのお知らせ【サイバネットシステム】
2014年1月9日
計算のさらなる高速化と新たな照明解析機能が追加
サイバネットシステム㈱(本社:東京都、代表取締役社長:田中 邦明、以下「サイバネット」)は、Synopsys, Inc.(本社:米国 カリフォルニア州、以下「Synopsys社」)が開発し、サイバネットが販売・サポートする照明設計解析ソフトウェア「LightTools(ライトツールズ)」の最新バージョン「LightTools 8.1」の販売を開始したことをお知らせいたします。
LightToolsは、LED照明や液晶ディスプレイ用バックライト、プロジェクター、自動車のヘッドランプや車内灯照明などいわゆる照明光学系の設計・解析を行うソフトウェアです。試作前の設計支援、試作後の詳細解析、実機との比較検証など、幅広い用途で使用されています。LightToolsには照明解析機能だけでなく、得られた結果を分析する機能や、光学系をより高性能にするための最適化機能が搭載されています。LightToolsは単なる評価ソフトウェアを超えた設計ツールとして利用できます。
LightTools 8.1では、マルチスレッド計算※が、逆方向シミュレーションの光線追跡とフォトリアルなイメージ作成に対応し計算速度を向上させました。また、一般照明や自動車用照明、生物医学の研究のための新しいモデリングと解析の機能を追加いたしました。
※マルチスレッド計算 : 照明シミュレーションでコンピューター上のすべてのCPU、コアを活用すること
マルチスレッド計算による速度向上
LightToolsのマルチスレッド計算は、逆方向シミュレーションとフォトリアルレンダリングもサポートいたします。これにより、計算の速度と効率が劇的に向上します。逆方向シミュレーションやフォトリアルレンダリングは照明設計の視覚的な評価や技術者以外の関係者間で情報を共有する上で重要な解析機能です。
以下は、ユーザー様からのコメントです。
Thomas Hough 氏 (Whiterock Design,LLCのpresident)
「LightToolsのマルチスレッド計算は、私の設計プロセスを一変させました。完了するのに10分かかっていたシミュレーションが、今は2分かからずに終わります。この時間の短縮は、プロジェクトの初めに光学系の基本的な構成を大まかに考えるときに、特に重要です。このプロセスにおいて、私はLightToolsの操作、光線の追跡、設定の変更を繰り返し行います。マルチスレッド計算により、シミュレーションの完了を待つ時間が非常に減ったため、よりクリエイティブな作業に取り組むことができます。」
Massimo Gattari 氏(iGuzzini illuminazione spaのInnovation Lab Director)
「技術革新にiGuzziniは最も注力しています。照明光学系を改良するために私たちが行う継続的な調査研究には強力かつ万能なソフトウェアが必要です。LightToolsを使えば、光学系の設計や解析、最適化が高速に、そして正確に行えます。新しいLightTools 8.1で可能となった逆方向照明シミュレーションのマルチスレッド計算は、これらプロセスをさらに強化します。」
範囲解析
範囲解析は、3Dモデル上で任意の範囲を指定して照度や強度の結果を調査できます。これは、モデル内で関心のある特定の範囲に寄与する光線を高速かつ簡単に解析する方法です。また、照明光学系における意図しないホットスポットを確認するのにも便利です。
以下は開発元からのコメントです。
George Bayz 氏(Synopsys 社Optical Solutions Groupのvice president兼general manager)
「新しいバージョンを開発する際には、お客様にとってLightToolsが不可欠なツールとなるような機能を実装できるよう努力しています。範囲解析機能のような、問題解決プロセスを容易にする改良は、お客様の設計を加速させるのに役立つことを確信しております。」
新しいスウィープオブジェクト、自由曲面オブジェクト
自由曲面ソリッドとパスに沿ったスウィープオブジェクトが追加されたことにより、より柔軟な形状のモデリングができます。これにより、ファセットリフレクターの構造など、最先端の照明光学系の設計が可能となりました。また、最適化モジュールを用いると複雑な3Dライトパイプやレンズのようなソリッドオブジェクトをモデリングできます。
体積散乱タイプの拡張
2つの新しい体積散乱タイプである、Henyey-GreensteinとGegenbauerが追加され、散乱材質による光の相互作用をモデリングする機能が拡張されました。これらの体積散乱タイプは、生体組織の散乱特性をモデリングするのに有効なため、特に生物医学分野で用いられる光学系の解析に活用できます。
街路照明ユーティリティ
街路照明ユーティリティを強化した結果、照明された車道の様子をドライバー目線でプロット評価できるようになりました。このユーティリティは、1つの照明器による車道表面の照度や強度の分布をプロットすることもできます。加えて、このユーティリティはEulumdat(ヨーロッパの測光データの工業規格)フォーマットのファイルをサポートいたします。
自動車用テストポイント解析ユーティリティ
自動車用テストポイント解析ユーティリティを用いて、設計者は工業規格にもとづいた強度分布をテストできます。自動車技術協会(Society of Automotive Engineers、SAE)標準の工業規格のほか、ユーザーが定義した規格をテストすることもできます。また、国連欧州経済委員会(United Nations Economic Commission for Europe、ECE)の国内輸送部門(Inland Transport Division)で規定されている多くの規格もLightTools 8.1で対応可能となりました。
新しい光線レポートユーティリティ、プロットユーティリティ
LightTools 8.1にはユーティリティライブラリに光線レポートユーティリティを追加いたしました。このユーティリティは、光線データを簡単に確認でき、カスタマイズ可能なフォーマットで視覚化します。また、プロットユーティリティを用いると、複数のラスターチャートやラインチャートを並べてプロットできます。
光学表面散乱のモデリング強化
LightTools 8.1では、Synopsys社の光デバイス/光通信システム環境「RSoft」における光デバイス・ツール「RSoft™ Photonic Component Design Suite」から出力される双方向散乱分布関数(Bidirectional Scattering Distribution Function、BSDF)ファイルの読み込みをサポートいたします。このBSDFファイルには、サブ波長回折格子などによる光の散乱情報など、周期的な光学的構造が定義されています。この機能は、ナノ構造を持つLEDなど非常に小さな形状の回折光学構造が含まれる照明光学系の設計や解析を容易にします。
LightToolsの詳細については、下記Webサイトをご覧ください。
http://www.cybernet.co.jp/lighttools/
Synopsys社について
Synopsys, Inc. (Nasdaq:SNPS) は、電子設計自動化(EDA)におけるリーディングカンパニーです。世界のエレクトロニクス・マーケットに対し、半導体設計・検証・製造関連ソフトウェア、および知的財産(IP)関連サービスを提供しています。Synopsys社が実施する包括的、統括的なポートフォリオ(検証、IP、製造、そしてFPGA ソリューション)は、今日設計者、製造者が直面する課題、例えば、パワーと歩留りの管理、システム設計からシリコンへの実装までの検証、成果が得られるまでの時間といった課題解決の鍵となります。これらの技術をリードするソリューションは、コストを削減し、スケジュールリスクを低減しながら、迅速に最良の製品を市場に投入することによって、Synopsys社のカスタマーが、競争優位性を獲得することの手助けとなります。同社は、カリフォルニア州のマウンテンビューに本社を置き、北米、ヨーロッパ、日本、アジアおよびインドにおよそ70のオフィスを持ちます。
Synopsys社についての詳細は、下記Webサイトをご覧ください。
▶ http://www.synopsys.com//SPAN>
サイバネットについて
サイバネットシステム㈱は、科学技術計算分野、特にCAE(※)関連の多岐にわたる先端的なソフトウェアソリューションサービスを展開しており、電気機器、輸送用機器、機械、精密機器、医療、教育・研究機関など様々な業種及び適用分野におけるソフトウェア、教育サービス、技術サポート、コンサルティング等を提供しております。具体的には、構造解析、射出成形解析、音響解析、機構解析、制御系解析、通信システム解析、信号処理、光学設計、照明解析、電子回路設計、汎用可視化処理、医用画像処理など多様かつ世界的レベルのソフトウェアを取扱い、様々な顧客ニーズに対応しております。
また、企業が所有するPC/スマートデバイス管理の効率化を実現するIT資産管理ツールをはじめ、個人情報や機密情報などの漏洩・不正アクセスを防止し、企業のセキュリティレベルを向上させるITソリューションをパッケージやサイバネットクラウドで提供しております。
サイバネットシステム㈱に関する詳しい情報については、下記Webサイトをご覧ください。
▶ http://www.cybernet.co.jp/
※CAE(Computer Aided Engineering)とは、「ものづくり」における研究・開発時に、従来行われていた試作品によるテストや実験をコンピュータ上の試作品でシミュレーションし分析する技術です。試作や実験の回数を劇的に減らすと共に、様々な問題をもれなく多方面に亘って予想・解決し、試作実験による廃材を激減させる環境に配慮した「ものづくり」の実現に貢献しております。
サイバネットシステム株式会社ホームページはこちら