ニュース
減速機用「長寿命針状ころ軸受ユニット」を開発【NTN】
2013年12月20日
【異物混入潤滑下で従来品比10倍以上の長寿命化を実現!】
NTN㈱(以下、NTN)は、軸受の転動体である「ころ」の特殊熱処理と部品の設計変更を行い、表面粗さと硬さを最適化した軸と溝付スラストワッシャを組み合わせることで、寿命を10倍向上させた「長寿命針状ころ軸受ユニット」を開発しました。
油圧ショベルに代表される、建設機械の走行・旋回減速機の遊星減速機構部には、一般的に、保持器付き針状ころ軸受が用いられます。この部位に使用される軸受は、大きな荷重が負荷されることに加え、遊星歯車の摩耗粉などの異物が潤滑油を通して軸受の軌道面に混入し易く、非常に厳しい条件で使用されるため、軸受の長寿命化が課題となっていました。
今回開発した「長寿命針状ころ軸受ユニット」は、軸受(ころ+保持器)に軸とスラストワッシャを組み合わせたユニット商品です。ころと軸には、NTN独自の特殊熱処理を適用、また、ころのクラウニング形状*1を工夫することで、軸受の取り付け誤差によるエッジ応力*2を抑制しました。さらに、保持器のポケット形状を変更し通油性を改善することで、ころと保持器の接触部への異物噛み込みを低減させました。これらの改良により、異物が混入した潤滑下において、従来品比10倍の長寿命を実現しました。また、遊星減速機へ組み込む場合には、軸受側面にスラストワッシャを取り付けますが、溝付のスラストワッシャを用いることで、通油性と共に異物の排出性も向上し、さらなる長寿命化を図りました。
NTNは、建設機械をはじめ、各種減速機の信頼性向上に貢献する商品として、「長寿命針状ころ軸受ユニット」を広く展開してまいります。
*1 「クラウニング形状」 : ころの径をミクロン単位で端部に向かって徐々に小さくする軸方向の母線形状。
*2 「エッジ応力」 : ころ端部に集中する圧力。エッジ応力が大きいと、摩耗が発生しやすく寿命低下につながりやすい。
【特 長】
異物混入潤滑下で従来比10倍以上の長寿命(従来品比)
・ 軸受、軸、スラストワッシャをユニット化
・ ころと軸に特殊熱処理の適用で、異物混入潤滑下で長寿命
・ ころクラウニング形状の工夫で、軸受の取り付け誤差によるエッジ応力を抑制
・ 保持器ポケット形状の最適設計で、異物の噛み込みを低減
・ スラストワッシャに排油溝を付加し、異物の排出性を向上(油の排出量:従来比6倍)
【お問い合わせ先】
産業機械事業本部 事業企画部 TEL : 0594-24-2478
NTN株式会社ホームページはこちら