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自動車用変速機向け「小型軽量プラネタリ用ニードル軸受」を開発【日本精工】
2013年12月11日
~自動車の低燃費化への貢献~
日本精工㈱(本社:東京都品川区、代表者:取締役 代表執行役社長 大塚 紀男、以下NSK)は、自動車用自動変速機(以下AT)、無段変速機(以下CVT)、ハイブリットシステム(以下HEV)やホイールハブモータ*1に使用されるプラネタリ(遊星)機構*2向けに、「小型軽量プラネタリ用ニードル軸受」を開発しました。
本製品は、軸受の保持器にガラス繊維で強化したナイロン材(以下樹脂)を採用し、小型・軽量化と高い信頼性を両立させました。
NSKは、本製品により自動車の低燃費化に貢献し、2017年に5億円/年の売上を目指します。
*1 ホイールハブモータ:車輪のハブ部分に駆動モータを内蔵させるシステム。
*2 プラネタリ機構:複数のギヤの自転や公転を組み合せ、エンジンから入力された回転力を増速・減速・逆転させる機構。
【開発の背景】
近年、グローバルに自動車の低燃費化が進んでおります。このため、変速機の小型・軽量化、高効率化が急務となっております。また、変速機では高効率化のために、潤滑油の低粘度化や少油量化が進んでおります。そのため、変速機内のプラネタリ機構は、潤滑油が希薄な過酷環境で使用されております。
今回NSKは、変速機の小型・軽量化及び、潤滑油の少油量化への対応を実現するために、樹脂保持器を用いたプラネタリ用ニードル軸受を開発しました。
【本製品の特長】
保持器材料に樹脂を採用し、保持器の形状を最適化することで、以下の優れた性能を実現しました。
1. 軽量化
従来の金属保持器から樹脂保持器に置き換えることで、軸受重量が25%軽量化できます。
2. 小型化
最適なローラー本数・長さにすることで、同じ軸受容量にて軸受幅を10%短縮できます。
3. 潤滑油の低粘度化・少油量化に対応可能
保持器に油溜まりを設けることで、変速機内の潤滑油の低粘度化や少油量化に対応します。
4. 潤滑油の油量制御が可能
保持器に排出溝を設けることで、軸受を通過する油量をコントロールできます。
【製品の用途例】
本製品は、プラネタリ機構のピニオンギヤ公転の低い領域で使用されるニードル軸受に最適です。
【本製品の効果】
本製品は、変速機の小型化、クルマの燃費向上に貢献します。
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