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NISSAN GT-R NISMOニュルブルクリンクでその速さを証明【日産自動車】
2013年11月19日
東京モーターショー前日の発表会で、世界初披露の「NISSAN GT-R NISMO」はステージ上でライトに照らされ、カメラのフラッシュを浴びています。しかし、「NISSAN GT-R NISMO」(NISMO専用オプションパック*1装着車)が、世界で最も過酷な路面状況で知られるニュルブルクリンク北コースで最高記録を打ち立てることになったのは9月のじめじめとした月曜の午後のことでした。
9月30日、この名高いレーストラックで、「NISSAN GT-R NISMO」*2を4人の精鋭ドライバーが走りました。目標は、この「NISSAN GT-R」でニュルブルクリンク量産車最速ラップを記録することです。
北コースが閉まる12分前の午後4時48分。雨が降り始める5分前。4人のドライバーの最後のひとりが、彼のその日の最後の走りで、最速ラップの7分8秒679を記録しました。
なぜニュルブルクリンクなのか?
ある意味では、この最高のラップタイムはGT-Rが、1988年に「R32型スカイラインGT-R」で初めてニュルブルクリンクで実験を開始してから現在までの24年間の集大成でもありました。最初の実験以来、伝説的なGT-Rバッジをつけた全てのクルマはこのコースでその力を証明してきました。そして市場で高い評価を受けてきたのです。
この新しい「NISSAN GT-R NISMO」がNISMOブランドのフラッグシップとして考え出されたとき、チームは、まずこのクルマは、モーターショーで最終的なデザインを公開する前に、最高のクルマとしての評価を得なければいけないという意見で一致しました。2つの大陸において、東京モーターショーとロサンゼルスオートショーで同じ日の公開に向けての準備が進められており、日産とNISMOのエンジニアたちは、ニュルブルクリンクで性能確認をするためのプロトタイプを作りました。
日産自動車の商品企画・ブランド戦略担当の副社長であるアンディ・パーマーは以下のように述べています。「ニュルブルクリンクで素晴らしいラップタイムを出すことは、トップパフォーマンスカーの信頼に不可欠な要素なのです。7分ちょっとの記録を出すクルマのほとんどは、人の手で組み立てられた非常に高価なスーパーカーです。私たちは、それらのクルマの大部分よりも優れたクルマを作りました。これはかなりすごいことだと思っています。その価値を考えると、日産に近づけるメーカーはいないでしょう。それこそが、ニッサンブランドが体現する『新しい発想ですべての人にワクワクを』なのです。」
パーマーは、「GT-R」というイニシャルは特別なのだと言います。「『GT-R』はグラン・ツーリスモ・レーシングの意味です。『GT』は、4つの座席、長距離を快適に速く走るということです。『R』は、サーキットでの高速走行への信頼性を意味します。4つの座席というのは私達にとっては非常に重要です。4人乗りの非常に速いスーパーカーなのです。これはとても素晴らしい組み合わせなのです。」
日産のモータースポーツを担っているNISMOは、特にSUPER GTやル・マン24時間レースなど何年ものレース参戦経験を生かしています。
パーマー曰く、日産の目標は、「2つを組み合わせ、その結果、最速の「NISSAN GT-R NISMO」*2でニュルブルクリンクを制覇することです。」
今回の最速ラップタイムは、ニュルブルクリンクで夏の初めから始まり9月最終日まで断続的に続いた何か月にもわたるテストとチューニングの結果です。
キャスト、クルー、ドライバー
日産は、4人のレースドライバーに運転を任せました。各ドライバーに最速ラップを記録するチャンスがあります。この4人とは、インフィニティ・レッドブル・レーシングのサードドライバーであるセバスチャン・ブエミ、NISMOグローバルアンバサダーでレーシングドライバーのミハエル・クルム、ツーリングカー(とニュルブルクリンク)のベテランであるアーミン・ハーネ、そしてニュルブルクリンクでの経験豊かな田中哲也です。
走るための準備
クルーがサーキットに到着し、車両の準備をしながら、最高の状態を見極めます。
クルムは以下のように述べています。「天候は完璧でした。涼しくて雨も降っていませんでした。風もあまり強くなかったです。私たちは午後、記録への挑戦をすることにしました。NISMO専用オプションパック*1装着の『GT-R NISMO』が使われました。」
この日、4名のドライバー以外に、準備のために運転をしたのは、パーマーと、日産で最もニュルブルクリンクでの経験が長いテストドライバーの加藤博義でした。加藤は、「ニュルブルクリンクでは約5,000ラップを走りましたが決して飽きることがありません」と言います。彼が最初にテストを行ったのは1988年でした。彼は、1989年に発売された「R32型スカイライン」を皮切りにこれまでの全てのGT-Rにニュルブルクリンクで乗ってきました。
開発エンジニアたちはニュルブルクリンクで夏から初秋にかけて「NISSAN GT-R NISMO」*2の微調整を行っており、加藤の技術的なフィードバックが必要不可欠でした。
また、ニュルブルクリンクでその日の最初に走るドライバーはいつも加藤なのです。
加藤は笑顔で言います。「これは安全のためです。ニュルブルクリンクはとても長いコースなので、山の斜面によって路面状況が異なります。その日の状況を確認してチームメンバーに伝えるのです。」
ドライバーとラップタイム
各ドライバーは2ラップずつ走ります。最初にセバスチャン・ブエミが走りました。
彼は以下のように語りました。「1回目は7分12秒でした。重量を減らすために燃料を抜き取ろうとピットに入りました。2回目は7分10秒以下という良いタイムで行けそうでしたが、バックストレートで燃料切れになり始めました。バドックには戻ることができましたが記録は出せませんでした。目標のタイムを出されたクルム選手を祝福したいと思います。」
そして最後にミハエル・クルムが走りました。彼の1回目のタイムは7分10秒でした。
最速記録
クルムが、2回目の走行で、7分8秒679でゴールし、ニュルブルクリンクにおける量産車最速ラップタイムを記録しました。
クルムは「NISSAN GT-R NISMO」*2のサーキットでの強さも一般道での強さも、このクルマのハンドリングの素晴らしさのおかげだと言います。
クルムは以下のように述べています。「クルマを楽しむためには、コーナーでのパワーとグリップのちょうど良い割合が必要です。『NISSAN GT-R NISMO』*2は、パワフルなクルマですがそのバランスがよいので、とても速く楽しいクルマです。」
結果的に、ニュルブルクリンクにおけるクルムの『NISSAN GT-R NISMO』*2のラップタイムは、NISSAN GT-Rが2012年10月に出した最速ラップの7分18秒を10秒上回るものでした。
*1 : NISMO専用オプションパックは、2014年夏頃にNISMO大森ファクトリー取扱いにて発売予定です。
*2 : NISMO専用オプションパック装着車
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