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帝京大学 黒沢研究室 多孔質材を含む構造物の振動音響減衰解析に「Actran」を活用【エムエスシーソフトウェア】

2013年11月14日

エムエスシーソフトウェア㈱(代表取締役社長:加藤  毅彦、本社:東京都新宿区  以下MSC)は、本日、帝京大学理工学部機械・精密システム工学科講師の黒沢良夫研究室において、有限要素法を使った多孔質体を含む構造物の振動音響減衰解析に、「Actran」を使用していると発表しました。

自動車の車室内には騒音低減のため、フェルト・ウレタンなどの多孔質材が多く用いられます。この吸遮音材は、遮音効果とともに、車室・トリム裏の空間の音響減衰を大きくする効果もあります。Actranはトリム材による吸音・遮音性、制振性などの音響特性を解析する有限要素法ベースの音響解析ソルバーで、吸遮音性能を正確に考慮した振動音響減衰解析が可能になります。

同研究室では、有限要素法による多孔質材を用いた音響解析が可能なことからActranを導入しました。自動車を模擬した簡易モデルを作成し、計測結果とCAEモデル化手法の研究に活用しています。
現在、「MSC Nastran」による構造振動解析を行うとともに、「Actran/Acoustics」ならびにプリポスト「Actran/VI」を使って多孔質材の音響解析や細いスリット形状の音響解析を行っています。この度さらに「Actran/Vibro-Acoustics」を追加導入し、吸遮音材を考慮した振動・音響連成解析に取り組んでいます。今後は、MSC Nastran、Actran両ソフトを用い、大規模な振動音響連成解析手法の開発を行う予定です。

帝京大学の黒沢良夫講師は次のようにコメントしています。「自動車の中・高周波(200Hz~5kHz)の車内騒音は車内快適性を損なうため、さらなる改善が必要です。自動車開発の現場では、中・高周波車内騒音の予測は難しく、未だに開発後期に実車を用いて実験的に手直しすることが多々あります。開発の初期段階で車内騒音の予測が可能となれば、対策の最適化(効率化)によるコスト削減・軽量化が可能となります。最近はコンピュータの性能も向上し、中・高周波域の振動・音響問題も有限要素法で取り扱えるようになりました。現在、私の研究室ではMSC Nastranは主に構造解析の教育用に、Actranは積層防音材の吸遮音解析や細いスリット形状の音響解析に用いていますが、将来は自動車を対象とした大規模振動音響連成解析に取り組む予定です。」

*記載されている団体名および製品名は各社の商標または登録商標です。

Actranについて

音響解析ソフトウェアActranはFEM(有限要素法)ベースの音響解析ソルバーで、内部音響、無限要素により外部音響を解析することができます。Actranだけで、構造振動との連成、CFD結果を使った流体騒音を解析することができ、他方大規模車両モデルなどではMSC Nastranと連携してトリム材による吸遮音、制振の検討もできます。Actranでは、すべてがFEMであり、内部音場、構造、外部音場を強連成で解析することができます。また、周波数応答解析に加えて、過渡的な音を対象とする過渡応答解析を適用することができます。解析結果は、音ファイル(wave)に出力することができるので、再生して試聴することが可能です。

MSC Softwareについて

MSC Software Corporationは、複合領域シミュレーションソリューションのグローバルなリーディングカンパニーとして、製品の設計やテストにおける品質向上、時間短縮、コスト削減を支援するソフトウェアおよびサービスを提供しています。MSC Softwareは、シミュレーション技術、ソフトウェア、ならびにサービスにより、短期間でより優れた製品を開発できるよう、世界中の何千社もの企業と協業しています。
MSC Softwareは、米カリフォルニア州ニューポートビーチに本社があり、世界22カ国に支社・支店を展開しています。1982年2月に日本法人を設立し、本社の他、大阪、名古屋に営業拠点があります。従業員数は世界で約1,200名です。

報道関係者お問い合わせ

エムエスシーソフトウェア㈱  マーケティング部   秋元
TEL : 03-6911-1210 / E-mail : mscj.market@mscsoftware.com





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