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フランスでスマートコミュニティ実証事業、実証試験をスタート【NEDO】

2013年10月15日

―リヨン市でEVカーシェアリング運転開始式を開催―

NEDOは、フランス第2の都市であるリヨン市においてスマートコミュニティ実証事業として再生可能エネルギーを利用したEVカーシェアリング実証試験(名称:SUNMOOV)を開始しました。30台の電気自動車(EV)と、太陽光発電(PV)と連携した充電インフラを用いて、PVの発電電力を電力系統に負荷をかけずに効率的にEVに充電することにより、CO2削減に寄与できる先進的なスマートコミュニティ技術を実証します。
この実証事業は、フランスのリヨン都市共同体(グランリヨン※1)が進めている「コンフルエンス地区の都市再開発」と連携する形で、NEDOが実施するリヨンスマートシティプロジェクトの一環として取り組むものです。

運転開始式が10月14日にリヨン市で開催されました。日本からは、古川NEDO理事長の他、本事業の受託企業である株式会社東芝、東芝ソリューション㈱の関係者が参加しました。

※1 グランリヨン:フランス・リヨン市周辺の58の市町村からなるリヨン都市共同体

1.事業概要

NEDOは、フランス南東部のリヨン市でスマートコミュニティの実証プロジェクトを展開しています。このプロジェクトは、グランリヨンが進めている都市再開発事業の中核事業として位置づけられるもので、面的広がりのあるコミュニティ全体のスマート化を目指した実証は、NEDOとしては初めての取り組みとなります。

実証プロジェクト(図3参照)は、
▼TASK1:再生可能エネルギーや蓄電池などを積極的に導入することで、ビル内の消費量を上回るエネルギーを生み出すポジティブ・エナジ-・ビルティング(PEB)の構築、
▼TASK2:太陽光発電を活用したEV(電気自動車)管理システムとEVカーシェアリングシステムの導入、
▼TASK3:既存住宅におけるエネルギー消費量の「見える化」による住民の省エネルギー行動の促進、
▼TASK4:TASK1,2,3で収集するエネルギー情報を取り纏め、地域全体で活用するための指標を提示するコミュニティマネジメントシステム(CMS)の構築
の4つのタスクからなります。

  

今回、TASK2(実証名:SUNMOOV)のEVカーシェアリング実証では、リヨン・コンフルエンス地区のスマート化のため、PVパネル、EV充電器(急速充電器・普通充電器)、充電管理システム、EVカーシェアリングシステムを連動させて、PVからの発電電力を効率的に活用してEVへの充電を行い、CO2削減に寄与することを目的としています。本実証では、法人ユーザーだけでなく個人ユーザーも含めて幅広くユーザーを募り、市民参加型のEVカーシェアリングを展開します。
実証試験に用いるEVは三菱自動車製の「i-MiEV」15台、PSAプジョーシトロエン製のEV15台の合計30台規模で行います。
普通充電器30台に加え、CHAdeMO(チャデモ)方式の急速充電器(定格出力50kw)をリヨン市内に3カ所配置します。CHAdeMO方式は、日本がIEC(国際電気標準会議)に提案している国際規格の一つであり、唯一実用化されている方式であることから、CHAdeMO充電器の設置は欧州におけるEV展開の観点から政策的に重要です。
本事業にかかる事業費はTASK1から4までで約50億円。実証試験は2015年度まで行う予定です。

2.運転開始式

スマートコミュニティ実証事業の運転開始式は10月14日午前10時30分(日本時間同日夕17時30分)、グランリヨン共同体のコロン議長が参加して、日仏両国の本事業参加企業幹部が列席のもと、リヨン市内コンフルエンス地区で開催されました。




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