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ホンダの「i-DCD」で活用されるシェフラーの技術【シェフラージャパン】
2013年10月4日
ホンダの「i-DCD」で活用されるシェフラーの技術 燃料消費とCO2排出量を削減しつつ「走る楽しさ」のアップに貢献
ハイブリッド技術とダブルクラッチの出会い ――ドライブトレイン技術の新時代へ ――
ホンダが開発したインテリジェント・デュアル・クラッチ・ドライブ「i-DCD」には、シェフラー(本社:ドイツ・ヘルツォーゲンアウラハ)の技術が大いに役立てられています。i-DCDは、新しいハイブリッド自動車プラットフォーム向けに登場したシステムで、このシステムを搭載して市場に導入された最初の自動車が今年9月に発表されたホンダの新型フィットハイブリッド(HV)です。新型フィットHVは、日本市場で販売されている他のハイブリッド車に比べ、燃費効率が優れていることで特に注目を集めていますが、そのi-DCDのカギを握るコンポーネントのひとつがホンダとシェフラーの技術の融合による革新的なダブルクラッチトランスミッションシステムです。ダブルクラッチ技術とハイブリッドを組み合わせる新しい考え方に基づき、7段変速ダブルクラッチトランスミッションシステムと、完全電動モードで走行が可能な22kW高性能電気モーターが連動するように作られています。高効率のトランスミッション技術とハイブリッド走行の組み合わせはドライブトレインの新しい可能性を拓き、様々な運転状況に対応しています。シェフラーのLuKブランドのダンパーやダブルクラッチ、クラッチ用アクチュエータ、ギアシフトシステム、およびそれらを作動させるためのソフトウェアがこのi-DCDで採用されています。
i-DCD――最高の燃費効率を実現し、「走る楽しさ」もグレードアップ
i-DCDは、高性能の電気モーターと、7段変速の乾式デュアルクラッチトランスミッションシステム(DCT)によって構成されています。運転状況に応じてシステムが内燃エンジンと電気モーターのオンとオフを制御し、3種類の走行モード――電気モーター駆動、ハイブリッド駆動、内燃エンジン駆動――を切り換えます。エンジンの始動時と低速走行時には電気モーター駆動を使い、よりダイナミックな走行状況や高速走行時にはガソリンエンジンとDCTが使われます。これによってエネルギー効率が上がり、燃料消費とCO2排出量を削減する効果が生じます。減速時には内燃エンジンは切断され、電気モーターが回生ブレーキの効率を最大限まで高めます。設定とアプリケーションによっては、ドライバーが求める「走る楽しさ」という欲求を満たしながらドライビングダイナミクスが最適となるよう、2種類の走行システムを併用することも可能です。
「地域内で、地域のために(In the region, for the region)」と「地域からグローバルネットワークへ」
シェフラーは、自動車用内燃エンジンのドライブトレインの最適化、ドライブトレインをハイブリッド化するための多様なアプローチや製品、電動モビリティ向けの駆動系やテクノロジーなど、多様化戦略に基づいて多岐にわたるソリューションを提供しています。
シェフラーは、40の開発拠点と80の生産拠点を結んだ緊密なグローバルなネットワークを有しており、顧客企業はシェフラーのグローバルな強みと、地域ごとの特徴に合わせた製品やサービスという両方のメリットを享受することができます。
「効率的な未来型モビリティ」という標語のもと、世界のさまざまな市場の要求やニーズに合致する先進的な技術を提供するという包括的なアプローチをとっています。ホンダの新型フィットHVのi-DCDに搭載された技術は、シェフラーが自動車メーカーと密接に協力する中から生み出したイノベーションの好例といえます。
シェフラーAGのオートモーティブ担当執行役員のヴォルフガング・ダンゲルは次のように述べています。「自動車メーカーは、世界各地の市場ごとに異なる要求や好みに合わせ、製品の多様化をはからなければならないという課題に直面しています。また、より安全で環境に優しいことに加え、『走る楽しさ』を味わえる車を作らなければなりません。さらに、新興市場においてはコストという難題も考慮する必要があります。当社が『効率的な未来型モビリティ』を標語に掲げて進めているイノベーションは、日本だけでなく世界各地からのドライブトレインの多様化を求める声に対するひとつの答えなのです」
シェフラージャパンのマネージング・ディレクター兼代表取締役自動車事業部プレジデントである四元伸三は次のように述べています。「今回の技術開発は、当社の『地域内で、地域のために(In the region, for the region)』および『地域からグローバルネットワークへ』というアプローチに沿った、顧客中心イノベーション戦略の長所をよくあらわしています。現在、オートマチックトランスミッションに関しては、重要市場ごとに異なる技術トレンド――ヨーロッパではダブルクラッチトランスミッション、北米ではトルクコンバーター、日本では無段変速機(CVT)――があります。ホンダが開発したi-DCDは、シェフラーの強みであるダブルクラッチシステムをホンダの持つトランスミッション及びハイブリッド技術と組み合わせたものです。その結果、最先端の持続可能なテクノロジーが生まれました」。四元はさらに続けて、「ホンダとシェフラーのコラボレーションは、ヨーロッパ発の技術が日本発の技術と融合し、自動車メーカーによるグローバル市場での展開が実現した事例のひとつです。i-DCDが有意義に活用されることは、自動車メーカーと密接に協力して新技術やソリューションを生み出す努力を続けるシェフラーの取り組みをあらためて確認するものと言えるでしょう」と述べています。
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