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FloEFDの最新リリースにふく射モデルおよびメッシュ生成のマルチコア対応を追加【メンター・グラフィックス・ジャパン】
2013年9月30日
メンター・グラフィックス・コーポレーション(本社:米国オレゴン州、以下メンター・グラフィックス)は、受賞歴のあるコンカレントCFD(数値流体力学)解析ツールであるFloEFD™の最新リリースを発表しました。最新リリースは、熱光学性能を評価するモンテカルロ解析のふく射モデルとともに、複雑な形状を高度なメッシュ生成のマルチコア対応によりシミュレーションを桁違いに高速化する機能を備えています。
モンテカルロ解析のふく射モデルは、形状が光学的にどのような効果をもたらすかを正確に解析するために重要な機能です。例えば、レンズの焦点を合わせる場合、ふく射吸収部品にどのような屈折や反射が起きるかを解析できます。エンジニアは、FloEFDの提供するユニークな境界層の計算手法と、非常に複雑な形状を自動的にキャプチャする高度なメッシュ機能を組み合わせることにより、複雑な熱光学効果を正確に予測できます。これは、自動車照明、家電製品の照明器具設計、ビデオ/写真関連製品といった用途に理想的な機能です。
「メンター・グラフィックスFloEFDのおかげで、ヘッドライトについてより深く理解し、最適化を達成できました。非常に複雑な形状とテスト条件が、最小限の負担で調査可能になったのです。モンテカルロ解析のふく射モデルやLEDモジュールといった新機能は、非常に複雑な製品の開発期間を短縮するために、特に大きな力となります。」オートモーティブライティング(本社: ドイツ連邦共和国ロイトリンゲン)においてHead Of Departmentを務めるPeter Jauernig氏は、以上のように述べています。
メッシュ生成のマルチコアアーキテクチャ機能は、メッシュの生成を最大で20倍高速化しました。この大幅な高速化によって、さまざまな設計アプローチをテストする際に、従来は何時間もかかっていたテスト時間を数分単位に短縮します。また、さまざまなモデルの「what-if」解析を短時間で実行できるなど、生産性を大幅に向上させます。この結果、より高い性能と競争力を兼ね備えた製品を完成させ、Time-to-Marketを早めることが可能です。
最新版のFloEFDは、フラウンホーファー研究所アルゴリズム・科学計算研究所が開発したメッシュベースの並行コードカップリングインタフェース(MpCCI®)ブリッジを通じて、流体構造連成をサポートします。エンジニアは新機能を使ってCFD解析データをエクスポートすることによって、主要な多数の構造シミュレーションプログラム上でFEA(有限要素解析)を実行でき、これによりマルチドメイン解析が可能になります。
FloEFD最新リリースでは、以下記載の機能などを強化しています。
■ Linux®ソルバを、FloEFDユーザインタフェースから直接起動できるため、複数のシミュレーションを連続してスムーズに実行可能
■ 複数のパラメトリック調査結果を同一のプロジェクトツリー内に含めることができるため、同一モデルに対する複数の調査実行中に、簡単にデータアクセス可能
■ 境界の状態に関する入力データにおいて複数設定の一括編集ができるため、時間を節約できるとともに、LED配列のような反復的なシミュレーションをクリックで実行可能
■ ローカル解適合格子機能をサポートしているため、ユーザは関心のあるエリアだけに高分解能を指定可能
「メンター・グラフィックスのコンカレントCFDツールであるFloEFDの最新バージョンは、今日の複雑な熱光学技術の課題に対処するため、導入のしやすさと精度をさらに高めました。業界リーダーとしての定評と歴史を卓越したCFD技術によって築き上げてきたメンター・グラフィックスは、これからもFloEFD製品ラインを充実させ、顧客が業務課題を乗り越えるためのトップクラスのソリューションをお届けできるよう努力していきます。」メンター・グラフィックス、Focus Products Organization、Vice President、Erich Buergelは、上記のように語っています。
モンテカルロ解析モデリングとメッシュ生成のマルチコア対応によって機能を強化した最新のFloEFDは、即時出荷可能です。最新リリースのFloEFDインタフェースは、英語と日本語をはじめとして、フランス語、ドイツ語、ロシア語、中国語を含む、これまでで最大の言語数をサポートしています。製品詳細については、www.mentorg.co.jp/products/mechanical/products/floefdをご覧ください。
コンカレントCFDによる生産性と信頼性の向上
メンター・グラフィックスのコンカレントCFDメソドロジは、従来のCFDツールと較べて65%から75%もシミュレーション時間を短縮します。ユーザは、製品の性能と信頼性を最大化するとともに、時間とコストをかけずに物理プロトタイピングおよび開発のコストを削減できます。FloEFDは確立された技術を利用しており、専門のCFD開発チームがサポートを提供します。メンター・グラフィックスは世界第3位の汎用CFDプロバイダであり、電子製品の冷却技術に関する最大の知識ベースを保有しています。
メンター・グラフィックスのメカニカル・アナリシス部について
メンター・グラフィックスの熱解析シミュレーション製品は25年にわたって業界をリードしており、他の熱設計ツールプロバイダを凌駕する導入実績を持っています。1988年にDavid Tatchell博士とHarvey Rosten博士がFlomerics, Ltd.を設立して開発に着手した製品は、受賞歴のあるFloTHERM®製品シリーズとして結実しました。メンター・グラフィックスは2008年、Flomerics, Ltd.と傘下のMicReD®(Microelectronics Research and Development)開発グループを買収しました。今日、メンター・グラフィックスはこの先進技術の伝統を推進し、トップレベルのシミュレーション、解析、テスト/測定ソリューションを幅広く提供し、IC、PCB、システムの熱シミュレーションソリューションであるFloTHERM製品シリーズ、3D流体熱伝達解析用のCAD組込み型コンカレントCFDシミュレータであるFloEFD、HVAC(暖房、換気、空調)システム解析用のFloVENT®、1D熱流体シミュレーション用のFlowmaster®、半導体およびLED用の過渡熱測定装置であるT3Ster®およびTERALED®、そしてTIM(サーマルインタフェースマテリアル)の熱性能を測定するDynTIMといったラインアップを揃えています。詳細については、www.mentorg.co.jp/products/mechanical/をご覧ください。
メンター・グラフィックスについて
メンター・グラフィックス・コーポレーションは、世界中で成功を収めている電子機器メーカー、半導体企業、電子システム構築ベンダのニーズに応える製品をはじめとし、コンサルティングサービス、受賞歴を誇るサポートサービスを提供する、電子ハードウェアおよびソフトウェア設計開発ソリューションのグローバルリーダーです。1981年に設立されたメンター・グラフィックスは、過去12ヶ月間の売上高としておよそ10.9億米ドルを計上しており、本社はアメリカ合衆国オレゴン州ウィルソンヴィルに所在しています。メンター・グラフィックスについての詳しい情報は、www.mentorg.co.jpをご覧ください。
Mentor GraphicsはMentor Graphics Corporationの登録商標です。その他記載されている製品名および会社名は各社の商標または登録商標です。Linuxは、Linus Torvalds 氏の日本およびその他の国における登録商標または商標です。
熱流体解析について
http://www.mentorg.co.jp/products/mechanical/
本件に関するお問合わせ
メンター・グラフィックス・ジャパン㈱
マーケティング部
エリソン 有理
E-mail : yuri_ellison@mentor.com
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