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自動車向けターボチャージャ用「高機能カートリッジ軸受」を開発【日本精工】
2013年10月2日
~ターボチャージャのレスポンスを向上し、燃費向上に貢献~
日本精工㈱(本社:東京都品川区、代表者:取締役 代表執行役社長 大塚 紀男、以下NSK)は、ターボチャージャ用として低摩擦損失と信頼性を向上させた「高機能カートリッジ軸受」を開発しました。
NSKは、欧州などで急速に拡大しているターボチャージャ市場において、本製品を自動車の燃費向上に貢献する高機能製品として拡販を図り、2017年にグローバルに売上30億円を目指します。
開発の背景
近年、自動車の燃費改善や排ガス対策が急務となっております。このため、多くの自動車メーカーでは、エンジンの排気量を小さくすることで燃費の向上を目指しています。一方、エンジンの小型化による出力低下を補うため、ターボチャージャの需要が拡大しております。
ターボチャージャには、高温環境や高速回転での耐久性が要求されており、これまでは滑り軸受が広く採用されております。しかし、滑り軸受は摩擦損失(フリクションロス)が大きいことから、高温環境や高速回転で信頼性が高い転がり軸受が求められています。
今回NSKは、内部設計を最適化し、低摩擦損失と信頼性を向上させた高機能カートリッジ軸受を開発しました。
製品の特長
1. 最適設計による低摩擦損失と長寿命化の両立
NSK独自の運動摩擦解析技術により、軸受の内部諸元を最適化しました。これにより、低摩擦損失と信頼性向上を両立しました。更に、一体型のカートリッジ軸受としたことで組立精度に優れ、低振動・低騒音性能も兼ね備えています。
2. 耐熱開発鋼材採用による耐久性の向上
高温・高速環境に最適なNSK 独自の耐熱鋼材を採用したことで、耐焼付き性を飛躍的に向上させました。本開発材は、エンジンオイルに含まれる異物環境下においても長寿命化を実現しています。
3. 耐熱樹脂保持器採用
保持器には、射出成形可能な耐熱樹脂材を採用し、低摩擦損失とコスト競争力を向上させました。
製品の効果
高機能カートリッジ軸受の採用により、ターボチャージャのレスポンス(応答性)が向上します。これによりターボチャージャの採用が拡大し、自動車の低燃費化に貢献します。
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