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環境に配慮した取り組みを生産拠点において拡大【日産自動車】
2013年8月23日
「ニッサン・グリーンプログラム 2016」で生産能力を拡大しながら環境に配慮
日産自動車は、電気自動車「日産リーフ」を2010年の発売以来、累計75,000台販売し、ゼロ・エミッション車のグローバルリーダーとしての地位を確立しています。また日産は、アメリカズ地域で工場を稼働し、従業員を増やし、生産能力の拡大を行っていく中で、その事業活動も常により環境に配慮したものを目指してきました。
全社的な一連の取り組みは、日産のグローバルな環境イニシアティブである中期環境行動計画「ニッサン・グリーンプログラム 2016」に即しています。この計画は、革新的な環境技術の採用、エネルギー管理、燃費効率の良い車両導入の拡大、推進などにより、企業活動による環境への影響を低減させ、資源の消費と環境保護の調和を追求することに焦点を置いています。
メキシコ
日産はメキシコでグリーンエネルギープログラムを拡大させ、アグアスカリエンテス工場で使うエネルギーの50%を、風力やゴミの埋め立て地で発生するガスなどからの再生可能エネルギー源で賄なっています。同工場では1年以上前から、メキシコ南部の風力発電所や都市部のゴミから発生するメタンガスを利用しており、これにより光熱費の10%以上を削減しています。
このプログラムは、600マイル離れた場所にある35個の巨大な風力タービンが設置されたメキシコ最大の風力発電所を利用しています。この風力は燃油約5.3ガロンに置き換わります。また、日産は現在、地元の埋め立て地で発生するメタンガスで動く発電機から全体の5%の電力を得ており、今後これを約2倍に増やすことを目指しています。これは有機物を分解することにより発生したバイオガスが燃料として使われています。その限定要因のひとつがゴミの有無です。メキシコ日産のエネルギー・環境担当のシニアマネージャーであるマルコ・アントニオ・リベラは、「もし、もっと多くのゴミを利用できるのであれば更に利用したいと考えています。」と語ります。アグアスカリエンテス工場は、必要なエネルギー源ミックスと、風などコントロールのできない再生可能エネルギーのバランスを取るため、他の再生可能エネルギー源の利用も検討しています。また、同工場の再利用可能な原材料は、ほぼ100%再利用しています。このグリーンエネルギープログラムはクエルナバカ車両組工場や本年中に稼働開始予定のアグアスカリエンテス新工場にも拡大していく予定です。
米国
エネルギー節約
日産は米国で、エネルギー性能におけるリーダーであり効率的なエネルギーの利用により環境を保護した団体に贈られる最高の賞、「2013年パートナー・オブ・ザ・イヤー サステインド・エクセレンス・アワード」をはじめとする、米国環境保護庁(EPA)エネルギースタープログラムの3つの賞を受賞しました。
日産の生産、購買、生産技術、サプライチェーンマネジメント担当SVPのビル クルーガーは、「我々は2006年にエネルギースターのパートナーになって以来、車両組立工程において8,000億BTU(英熱量)以上を節約してきました。これは『日産リーフ』が7億5,000万マイル以上走るための十分なエネルギーに匹敵します。」と述べました。
本賞は、日産のパワートレイン工場と車両生産工場に対するエネルギースターの他の2つの賞の受賞直後に受賞しました。
テネシー州デカードにある日産のパワートレイン工場では、効率の良い機器への投資で圧縮空気の漏れを低減するプログラムを確立することで、エンジンの組み立てに必要なエネルギー量を12か月で7%削減しました。これによりEPAエネルギースター・チャレンジ・フォー・インダストリーとして表彰されました。
テネシー州スマーナとミシシッピ州キャントンの車両組立工場は先日、7年連続でエネルギースター認定を受けました。これにより日産は、エネルギーマネジメントにおいて自動車製造産業の上位1/4以内にランキングされました。
日産はここ数年、キャントン工場での空気漏れの発見と修理を行うプログラムや、スマーナ工場での新しい効率の良い塗装工程の実現など、いくつかの省エネルギープログラムを実施しました。これによりスマーナ工場は、エネルギースターの測定基準に基づくエネルギー性能において上位1/4以内に入りました。
効率的な塗装工程を開始
日産は、「ローグ」に加えインフィニティ「QX60」と「日産リーフ」が生産車種に加わったスマーナ工場に、先日、世界で最も先進的な塗装工場を作り、品質、効率性、環境への影響に関する新しい基準を設定しました。この新しい塗装工場では、エネルギー消費を30%低減、炭素の排出を30%削減、揮発性有機化合物(VOC)排出を70%低減することを実現します。
スマーナ工場では、3つの塗装層に連続で塗装を行う革新的な3ウェット塗装技術を使っています。以前の工程では、下塗りとトップコートの層の間で乾燥過程が必要でしたが、この新しい塗装技術の導入により生産効率が向上すると共に、エネルギー消費、コスト、排気が低減します。
日産のスマーナ工場の生産担当VPのスーザン・ブレナンは、「日産は、北米で販売する最高品質の車両において、生産段階から環境への影響を減らし、エネルギー効率を上げることに取り組んでいます。このような取り組みは、日産のゼロ・エミッションリーダーシップ戦略と従業員、ステークホルダー、お客様に対する企業の社会的責任と合致したものです。」と述べています。
スマーナ工場は、米国エネルギー省のベター・ビルディング・ベター・プラント・チャレンジの一環としての日産の「ショーケース・プロジェクト」となっています。これは日産が、2020年までに米国の工場で使うエネルギーを25%削減する取り組みです。
日産は、エネルギースターのパートナーである、エネルギースター・パートナー・オブ・ザ・イヤー2010および2011を受賞し、更に2012年には、エネルギースターの最高の栄誉であるサステインド・エクセレンスを獲得しています。スマーナ工場は、過去7年間、エネルギースターの優秀賞を受賞しています。
2012年5月、スマーナ工場は、ISO50001およびスペリアー・エネルギー・パフォーマンス(SEP)の認証を獲得した初めての乗用車生産工場となりました。米国国家規格協会の認可を受けたこれらの認証により、スマーナ工場はエネルギーマネジメントでリーダーとして認められています。
ブラジル
環境に配慮した成長計画
ブラジルでは、2014年前半に、世界で最も持続可能な工場のひとつとしてレゼンデに新しい生産工場を開設する予定です。レゼンデ工場は、工場施設を囲む「グリーンベルト」が特徴的です。これはCO2排出を中和しつつ、周辺環境のため工場の騒音レベルを下げるために作られています。また、このグリーンベルトが湿地を作ることで、地域の生態系のバランスを取ることに役立っています。
稼働開始時は、「マーチ」と「ヴァーサ」を生産する予定のこのレゼンデ工場では、日産の生産方式を基に、現代的で効率的な装備、廃棄物処理方式を実現しています。これらが同工場の環境保全性を大幅に高めていきます。
また、日産はレゼンデ工場を、世界の自動車会社の中で最もCO2排出量の低い工場のひとつにする予定です。これは原材料の調達を工場近くで行うことにより、輸送にかかるCO2排出量を減らすことなどによって実現します。更に、最先端の装備と最新のロボットなどの生産技術を用いて、より優れたエネルギー効率を実現します。工場は、エネルギーの使用を削減するため、自然の光を取り入れるように設計されています。
また、レゼンデ工場では水性インクを使う予定です。塗装ロボットでインクカートリッジを使うことで、インクと溶剤の流出が低減でき、廃棄物を大幅に減らすことになります。このプロセスでは、インク使用量の効率を現在の平均約30%から80%に向上する予定です。
レゼンデ工場は、資源の再利用と効率的な使用に基づき、2015年6月までに最低レベルの埋立地使用率を達成するよう設計されています。使用できない廃棄物を工場の資源の0.5%未満とすることを目指しています。
未来
「ニッサン・グリーンプログラム 2016」は、車両生産に関わる開発や生産のみならず、販売、サービスなど会社のその他すべての部署での活動を推進しています。
日産は、今後グローバルに生産台数を増やす計画です。車両と企業活動から排出されるCO2の量は2020年代にピークを迎えますが、その後、新しい天然資源の使用量は2010年代レベルに維持される一方で、CO2排出量は減っていくと予測しています。
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