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新型サポートトラック、2014年大会でデビュー!【日野自動車】
2013年8月28日
日野チームスガワラは、10年ぶりに大型サポートトラックを刷新。走破性に優れた「HINO 700 Series ZS」をベースに、レースに必要な様々な機能を搭載してサポート力の強化をはかり、来年1月の2014年大会より投入します。
ダカールラリーは、約2週間をかけて総走行距離1万キロメートルを、キャンプをしながら走破するため、レース車の性能や選手の技術以外にサポートの力も問われる大会です。なかでもサポートトラックは、スペアパーツやキャンプ用品の運搬はもちろんのこと、キャンプ地では整備や生活の基地となる、レース運営に欠かせない重要な機能を担う車両です。
日野チームスガワラは、2004年に「日野プロフィア」をベースにした大型サポートトラックをダカールラリーに投入。以来10年間に渡って、チームの連続完走記録の更新や度重なるクラス優勝を文字通りサポートしてきましたが、近年のレースの高度化により、輸送効率や作業性の向上などが必要となりました。
そこで、チームはこのたび、サポート力強化のために大型サポートトラックを刷新しました。ベース車両は、悪路走行に長け、強固なフレームを持つため、海外のダンプトラック市場や鉱山で好評を得ているHINO 700 Series ZSを初めて採用。リアボデーの架装は、日野チームスガワラのノウハウを集めて企画され、フレームと外装は㈱日野エンジニアリングアネックス、内装と特殊機構は坪井特殊車体㈱により、ラリーサポートに最適な車両に仕上げられました。
今後は、10月にモンゴルで車検を受けてから、フランスにある日本レーシングマネージメントのガレージで最終調整などを行い、1月のダカールラリー2014年大会でデビューする予定です。大型サポートトラックの大幅な機能向上により、次大会ではさらに上位への入賞をねらいます。
新大型サポートトラック「HINO 700 Series ZS」の特徴
新たに追加された装備類や改造内容を一部ご紹介します。
<特製アクスル、タイヤホイール>
レース車と同じタイヤを使用すべく、アクスルを改造して総輪20インチ化、リアはシングルタイヤに変更。万一スペアタイヤを使いきったときは予備タイヤになる。
<水タンク>
350リットルの水タンクを新たに製作し搭載。キャンプ地には水がないため洗車や洗濯などに使用。
<昇降階段・梯子>
格納式の昇降階段・梯子を搭載。幅広のステップが、スムーズな昇降を実現。
<フロントウィンドウ専用収納ボックス>
運搬中の破損を防ぐために専用のボックスを製作し搭載。架台ごとスライドして積卸しが可能。
<部品引き出し棚>
大小さまざまなスペアパーツを収納する棚を製作し搭載。上側のサイドパネルの内側には照明灯を設置。下側のアオリは、部品取り出し時の足場として使用。
<電動クレーン>
スライド式と差込み式の電動クレーン(耐荷重300kg)を搭載。タイヤやトランスミッションなどの重量物を吊上げる。
<ラッピングデザイン>
レーシングトラックと同様の歌舞伎を模したデザインを日野自動車デザイン部が作成し、フルラッピング。
<溶接機付き発電機、エアコンプレッサー>
溶接機付き発電機とエアコンプレッサーを搭載。車両に受けたダメージの補修や様々な整備の原動力。
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