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自動速度取締装置用 「24GHz帯ドップラーレーダ」を開発【ヨコオ】

2013年6月17日

要旨

㈱ヨコオはこのほど、高速道路・一般道での自動速度取締装置に使用する、『24GHz帯ドップラーレーダ』を新たに開発しました。
本レーダは、狭指向性ビームを形成するための平面アンテナとパルスレーダ方式(※1)のドップラーレーダを備えた高性能なレーダユニットで、今後各国での採用に向け、グローバルな展開を推進していく計画です。

市場の動向と当社の取り組み

自動速度取締装置は日本を含め中国、ヨーロッパ、韓国等多くの国で導入されている交通インフラ機器の1つですが、特に近年は、経済発展の著しいBRICs諸国、東南アジアにおいても需要が拡大しています。
従来、自動速度取締装置には、主としてループコイルやレーザを用いた装置が使われてきましたが、地中埋設工事や定期交換が必要であるうえ、設置環境による測定部(レーザ受発光部)への埃・汚れの付着や、霧・逆光等の天候状況による測定精度の低下が課題となっていました。また、近年はレーダも多く使われるようになりましたが、一般にビーム指向性が広いため、隣接レーンや測定対象物以外の影響を受けやすいという弱点がありました。
当社ではこれらの課題に対応したソリューションとして、長年にわたる車載搭載製品・マイクロ波通信機器の開発で培った高周波技術、アンテナ技術を駆使して『24GHz帯ドップラーレーダ』の開発を進め、このほど完成しました。

新開発『24GHz帯ドップラーレーダ』の製品概要

今回当社が開発した『24GHz帯ドップラーレーダ』は、狭指向性ビームを形成できる平面アレイアンテナ(※2)と、パルスレーダ方式の採用により、設置環境の変化や隣接レーン等の影響による測定精度劣化を生じにくく、安定した計測を実現しています。
また、レーダユニット筐体は、レドームも含め小型・軽量であり、道路車線上への取り付けも簡便です。

『24GHz帯ドップラーレーダ』の特徴および仕様は、下記の通りです。

《 特 徴 》
① パルスレーダ方式の採用により、予め設定した速度検出エリア内での高感度・高精度な自動速度計測を実現
② 回路の簡素化に貢献する当社独自の変復調回路の採用
③ 128素子平面アレイアンテナ採用により狭指向性ビームを形成することで、隣接レーンの影響を防止

《主な仕様》

今後の計画

本レーダは、既に中国、韓国でフィールド評価試験を実施済で、高い評価を頂いています。今後、更に設置状況に合わせた最適化を行うとともに、グローバル展開を推進する計画です。

語句説明

※1  パルスレーダ方式:電波をある方向に向け収束させて極短時間だけ発射するレーダ方式
※2  平面アレイアンテナ:小さなアンテナを平面状に多数配列したもの

本件に関するお問い合わせ先

研究開発部
TEL : 03-3916-3173




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