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駐車支援システムを低価格で実現する新しいQorivvaマイクロコントローラ「MPC5604E」を発表【フリースケール】

2011年6月21日

Ethernet接続と映像圧縮機能を備えた32ビット・マイクロコントローラにより、
幅広い車種でコストの削減と安全かつ効率的な駐車システムを実現

2011年6月21日− フリースケール・セミコンダクタ・ジャパン株式会社(本社:東京都目黒区下目黒1-8-1、代表取締役社長:ディビッド M. ユーゼ)は、Power Architecture®テクノロジをベースとする新しいQorivva(コリーヴァ)32ビット・マイクロコントローラ「MPC5604E」を発表しました。これにより、従来は高級車にしか搭載されていなかったサラウンド・カメラ駐車支援システムが低価格で実現し、さまざまな価格帯の車種で幅広く採用できるようになります。

今回発表されたQorivva 32ビット・マイクロコントローラ「MPC5604E」は、車両の周囲360度を表示するために高解像度の圧縮映像データをFast Ethernetを介して送信し、駐車操作の簡易化・安全化を促進します。従来のシステムでは、車内で映像の送信を行うには、1本あたり約10ドル(USD)の費用がかかるLVDS(Low-Voltage Differential Signaling)ケーブルが4~5本必要とされていました。一方で、Ethernetを介して映像信号を圧縮送信すると、このような高価で重いケーブルが不要になり、部品点数が削減されます。

2線式のEthernetネットワークを利用することで、自動車メーカーは、材料費削減と車両の軽量化を達成しつつ、性能を向上させることができます。Ethernetの採用は、閉鎖的な個別型のアプリケーションからオープンでスケーラブルなドライバ・アシスタンス・ネットワークへの移行に向けた重要なステップとなります。ネットワーク化を通じて、複数のシステムが1つのセンサの情報に容易にアクセスできるようになります。

フリースケールのオートモーティブ・マイクロコントローラ製品担当ディレクターであるレイ・コーニンは、次のように述べています。「フリースケールは、自動車メーカーのコスト削減と先進的な安全機能の普及に貢献する組込み処理ソリューションの提供を続けています。フリースケールのQorivva 32ビット・マイクロコントローラ・ポートフォリオの最新デバイスは、360度の駐車支援システムを自動車市場の主流車種で実現します。」

フリースケールのQorivva 32ビット・マイクロコントローラは、車両の周囲に設置された複数のカメラの横に配置され、CMOS(相補型金属酸化膜半導体)画像センサとの直接的なインタフェースを可能にします。取り込まれた映像データは、レイテンシが最も低いMotion JPEGで圧縮され、2線式Ethernetケーブルを通じて送信されます。また、AVBに準拠したハードウェア・アシスト・タイムスタンプ機能により、高精度なリアルタイム通信とカメラの同期が保証されます。

BMWのネットワーク部門シニア・システム・アーキテクトのThomas Koenigseder氏は、次のように述べています。「フリースケールとBMWは、長年にわたり協業を続け、車載ネットワークを対象とした過去数世代のマイクロコントローラの仕様策定作業を行ってきました。MPC5604Eは両社の協業の最新成果であり、これにより、Ethernetは、映像データなど自動車を取り巻く各種データを送信するための信頼できる長期的ソリューションとして確立されます。」

Qorivva 32ビット・マイクロコントローラ「MPC5604E」は、急速に成長を続けるADAS(先進ドライバ・アシスタンス・システム)市場を対象としたフリースケールのマイクロコントローラ・ポートフォリオを拡充します。フリースケールはすでに今年3月、ADAS向けのQorivva MPC567xKファミリと、車載エレクトロニクスに対する不正アクセスのセキュリティ・リスクを大幅に低減するQorivva MPC56xB/C/Dを発表しています。

Qorivvaマイクロコントローラ向けの包括的なエコシステム

Qorivvaマイクロコントローラの特長および価値はシリコンだけではありません。各Qorivvaマイクロコントローラには、シングルコアおよびマルチコアのマイクロコントローラ向けのAUTOSAR MCALドライバ・スイートおよびAUTOSARリアルタイム・オペレーティング・システムをはじめとする、ランタイム・ソフトウェアのフル・ソリューションが付属します。また、QorivvaマイクロコントローラではフリースケールのCodeWarrior Development Studioに加えて、開発パートナーが提供する高性能のコンパイラやマルチコア・デバッガなどの開発ツールを利用することが可能です。

車載エレクトロニクスに深くかかわってきたフリースケールは、さまざまな業界団体に加盟しています。フリースケールはDSI(Distributed Systems Interface)、Power.org、FlexRay、およびLIN(Local Interconnect Network)の各コンソーシアムの設立メンバー、AUTOSAR(Automotive Open System Architecture)のプレミアム・メンバー、およびPSI5(Peripheral Sensor Interface 5)、JASPAR(Japan Automotive Software Platform and Architecture)、GENIVI(GEN In-Vehicle Infotainment)の各コンソーシアムの活動メンバーです。また、フリースケールのPower Architecture製品は、グローバルなシステム・ラボおよびソフトウェア・カスタマイズ・サービスによってサポートされています。

供給

MPC5604Eファミリは、現在サンプル出荷中です。詳細については、www.freescale.com/automotiveのWebサイトをご覧ください。

フリースケール・テクノロジ・フォーラムについて

イノベーションとコラボレーションの活性化を目的に設立されたフリースケール・テクノロジ・フォーラム(FTF:Freescale Technology Forum)は、組込みシステム業界の毎年恒例の開発者イベントです。2005年に開催を開始して以来、世界中のFTFイベントへの参加者は40,000人を超えています。年1回の中核イベントであるFTF Americasは、新たな開催地であるテキサス州サンアントニオで2011年6月20日~23日の日程で開催しています。また、FTF Japanは東京にて、2011年9月13日に開催される予定です。

フリースケール・セミコンダクタについて

フリースケール・セミコンダクタ・インクは、自動車用、民生用、産業用、およびネットワーキング・マーケット向け組込み用半導体のデザインと製造の世界的リーダーです。フリースケールは、テキサス州オースチンを本拠地に、世界各国で半導体のデザイン、研究開発、製造ならびに営業活動を行っています。
詳細は、http://www.freescale.com/(英語)、またはhttp://www.freescale.co.jp/(日本語)をご覧ください。



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