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AMC®(多層カーボンナノチューブ)を事業化【宇部興産】

宇部興産株式会社(社長:竹下道夫)は、AMC®(Artificial Micro Carbon:多層カーボンナノチューブ)を事業化する。現在、宇部ケミカル工場(山口県宇部市)内にAMC®製造設備(生産能力20t/年)の建設を進めており、2011年10月に稼働を開始する予定。
宇部興産は、COガスを原料として、DMC(炭酸ジメチル)などファインケミカル(C1ケミカル)製品を製造しているが、2005年より同じCOガスを原料としてAMC®の研究開発に着手し、ポリマー・電池分野を中心に試作を重ねてきた。

AMC®は、独自開発の触媒と製法により、繊維構造の中に釣鐘構造(節構造)を持たせ、分散性及び導電性に最適な性能を実現している。また、飛散しにくくハンドリング性が高い点が特徴で、生産効率改善への貢献も期待できる。パウダー・溶媒・ペレットの3つの形状で提供する予定。

宇部興産ではリチウムイオン電池用電解液・セパレーターを生産してきた技術・経験を活かし、このAMC®を電池分野における新しい機能材料として、リチウムイオン電池の正極・負極の導電助剤としての需要拡大を見込んでいる。
また、AMC®は、ナイロン、ABSやポリカーボネートなど熱可塑性樹脂に配合することで導電性を発現させ、樹脂に帯電・静電防止機能を付与することができるので、半導体搬送容器、OA機器部材や静電気除去シートなど向けにも拡販を検討している。
宇部興産は、このAMC®事業により、2015年度に50~100億円の売上を計画している。


【参考:AMC®の写真】


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