ニュース

中型船エンジン用の脱硝装置の販売について【帝人】

2013年5月16日

帝人エンジニアリング㈱(本社:大阪市中央区、社長:松田 勉)は、このたび、国際海事機関(IMO)による船舶のNOx(窒素酸化物)3次排出規制*1に対応する中型船エンジン用の脱硝装置*2の販売を開始することとしました。
共同開発を行ってきたエンジンメーカーである新潟原動機㈱ に向けて6月よりOEM供給を開始し、今後、他の船舶エンジンメーカーへも拡販していきます。
帝人エンジニアリングは、これまで工場の自家発電用を中心に陸機用脱硝装置を展開してきましたが、このたび船舶エンジン用の脱硝装置に参入し、今後、海上での環境浄化にも貢献していきます。

*1船舶のNOx(窒素酸化物) 3次排出規制 :
国際海事機関(IMO)が2016年より施行予定の船舶の排ガス規制。NOx排出量については段階的に規制強化しており、3次排出規制では1次規制値に対して80%削減が義務付けられる見通し。2011年に開始した2次排出規制では、1次規制値に対して20%削減が義務付けられている。

*2脱硝装置 :
排ガスの中から、光化学スモッグの原因となるNOx(窒素酸化物)を除去する装置。


1. 背景・経緯

(1)     IMOは、船舶のNOx排出量について段階的に規制強化しており、2016年からは3次排出規制が義務付けられる見通しですが、これに対してはエンジン燃焼の改善技術だけでは対応が難しく、脱硝装置による排ガスの後処理が必要になると考えられています。
(2)     帝人エンジニアリングは、これまで工場の自家発電用を中心とした陸機用脱硝装置を展開しており、脱硝装置について豊富な技術やノウハウを持っていることから、新潟原動機との共同により、IMOによる船舶のNOx3次排出規制に対応する中型船エンジン用の選択触媒還元方式脱硝装置(SCR)*3の開発を進めてきました。
(3)     こうした中、中型船エンジン用のSCRの開発・設計が完了し、実船試験によるNOx排出量の80%削減が実証されたことから、当装置の販売を開始することとしました。

*3選択触媒還元方式脱硝装置(SCR) :
NOxを含む排ガスにアンモニアあるいは尿素水を混合し、触媒層を通過させ、NOxを窒素と水に分解することで無害化させる装置。

2. 装置の特長

・ エンジンの稼働状況に合わせて尿素水の噴射を制御します。
船舶に搭載されるエンジンは、波などの航行条件により稼働状況が常に変動するため、エンジンの稼働状況に合わせて尿素水を無駄なく排ガスに噴射するよう制御することにより、NOxを効率的に低減させます。

・ 揺れや振動を解析し、触媒層を最適な位置に配置します。
船舶エンジン用の脱硝装置は陸機用脱硝装置と異なり、波やエンジンの振動などで装置内の触媒層の最適な位置が変動するため、揺れや振動を解析し、触媒層を最適な位置に配置することで、NOxを効率的に低減させます。

・ 狭い機関室に設置できるコンパクトな設計です。
狭い機関室にも設置することができるコンパクトな設計で、触媒の交換を考慮した据付が可能です。

3. 販売目標

2016年度 25億円


■当件に関するお問い合わせ先
帝人㈱  コーポレートコミュニケーション部  (東京)03-3506-4055  (大阪)06-6268-2763


掲載されている情報は、発表日現在のものです。
その後、内容が変更になっている場合がありますので、あらかじめご了承下さい。




帝人株式会社ホームページはこちら

キーワードをクリックして関連ニュースを検索

#帝人
#船舶