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Imecとルネサスが超低消費電力な近距離無線通信技術を共同開発【ルネサス エレクトロニクス】

2013年5月16日

欧州の独立系ナノエレクトロニクス研究機関であるImec(所在地:ベルギー ルーベン市、CEO:Luc Van den hove)とルネサス エレクトロニクス㈱(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:鶴丸 哲哉、以下ルネサス)はこのたび、ホルストセンター(所在地:オランダ アイントホーフェン)において、スマート社会における自動車、産業用途のセンサーネットワークに向けた、さらなる超低消費電力(ultra-low power、以下ULP)な近距離通信用無線技術を共同で開発いたします。

これによりルネサスは、小型電池駆動や環境発電技術を搭載した、持ち運びが容易な機器に搭載する複数の通信規格に応じた無線通信技術の開発に加わります。革新的なアーキテクチャと先進的ULP設計IP、効率的低電力回路を組み合わせることで、imecのULP無線通信は、現在の無線通信技術と比べて1/3~1/10の低消費電力を実現します。さらに、imecの高性能ULP無線通信技術はBluetooth Low Energy(2.4 GHz帯)やZigBee(2.4 GHz帯)といった最先端の無線通信規格に準拠しています。

「設計の実績を積み重ね、ULP無線通信システムに関する我々の研究は当社のパートナーに大きな価値をもたらします」とホルストセンターのULP無線通信技術のprogram directorであるHarmke de Grootは述べています。「我々とルネサスは環境通信分野において5年間共同開発を行っており、有名な半導体会社であるルネサスと再び共同開発を行えるのは喜ばしいことです。大衆市場にあるIoT(モノのインターネット)の実現に貢献しつつ、さらなるULPソリューションの開発ができることを楽しみにしています。」

また、ルネサスのコア技術事業統括部 アナログコア開発第二部 担当部長である矢萩 孝一は次のように述べています。「スマート社会におけるセンサーネットネットワークの各種アプリケーションには、超低消費電力な無線通信技術を必要とします。そのため、我々はアプリケーションに応じた革新的なRFアーキテクチャや回路設計技術を開発しなければなりません。今回、このような世界最先端の超低消費電力の新たな技術研究を行っているimecのULPプログラムに参加出来ることを嬉しく思い、今後は、スマート社会の実現に向けて、ルネサスの得意とするマイコンに、今回の共同開発による超低電消費力な無線通信技術を搭載したソリューションを提供していきます。」

ルネサスの研究者が今後、ホルストセンターでimecの研究チームに加わることにより、ルネサスは、この分野における長年の研究成果も得ることになります。

Imecについて

Imecはナノエレクトロニクスの研究に関して世界をリードする独立した研究機関です。Imecは、ICT(情報通信技術)、ヘルスケア、エネルギーの分野で世界的なパートナーシップを持ち、その革新的な能力で、科学的知見を高めています。

Imecは、産業界と結びついたテクノロジーソリューションを提供しています。

独特なハイテク環境を備え、世界トップクラスの技術力で、持続可能な社会におけるより良い生活のための基礎技術開発を行っています。Imecの本部はベルギーのルーベン市にあり、オランダ、台湾、米国、中国、インドに支所があります。Imecのスタッフは約2,000名(駐在研究員、客員研究員約600名を含む)です。Imecの2011年の歳入は約3億ユーロです。Imecに関するさらに詳細な情報は、http://www.imec.beでご覧いただけます。

IMECは、下記の会社の登録商標です。IMEC International (”stichting van openbaar nut”として、ベルギーの法律で設定された法人 、IMEC Belgium (IMEC VZWとしては、フランダース政府によってサポートされる )、IMEC the Netherlands (Stichting IMEC Nederlandとしては、Holst Centreの一部は、オランダ政府によってサポートされています )、IMEC Taiwan (IMEC台湾の会社 )、IMEC China (IMECマイクロエレクトロニクス(Shangai)有限公司)、IMEC India(アイメックインディアプライベートリミテッド )。

ホルストセンターについて

Holst Centreは、無線自動変換器ソリューションとSiF(Systems-in-Foil)のための独立系のオープンイノベーション研究開発センターです。Holst Centreの主な特長は、共有ロードマップとプログラムを中心とした業界と大学とのパートナーシップモデルです。Holst Centreが科学戦略を業界のニーズに整合させることができるのは、この交流のためです。

Holst Centreは、オランダ経済省とフランダース政府の支援を受け、2005年にimec(ベルギーフランダース)とTNO(オランダ)により開始されました。研究・開発のオランダ人の先駆者でPhilips Researchの最初のディレクターであるGilles Holstにちなんで命名されています。

同社は、High Tech Campus Eindhovenにある最先端のオンサイト施設の恩恵を受けています。Holst Centreは、約28カ国から180名超の従業員を抱え、45以上の業界パートナーから協力を得ています。


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