ニュース
ITS技術の活用により安全で環境にも優しい、「信号情報活用運転支援システム」の公道走行実験を実施【トヨタ自動車】
2013年5月1日
-700MHz帯の通信インフラを活用した効果評価により、今後のシステム開発に活用-
トヨタ自動車㈱(以下、トヨタ)は、高度道路交通システム(ITS*1)技術を活用して交通事故低減を目指す、「インフラ協調による安全運転支援システム*2」(以下、インフラ協調システム)開発の一環として、警察庁が推進し、一般社団法人 UTMS協会*3が主催する「安全運転支援システム(DSSS*4)」の実証実験に参画しており、愛知県豊田市において信号情報活用運転支援システムの公道走行実験を2013年5月から開始する。
同実験は、豊田市内の1路線を対象として、700MHz帯*5の電波により信号灯色情報を送信。車両側の実験用車載システムで受信し、音声や画面表示でドライバーに情報提供するもの。
警察庁、愛知県警察の協力を得ることにより、連続した交差点の信号灯色情報を取得し、運転支援を行う。既に実証実験が行われている信号見落とし防止支援に加えて、早めにドライバーへ減速を促すことにより、CO2排出量の低減効果が期待される。
トヨタは、今回の公道走行実験を通じ、様々な運転状況でのドライバーの運転行動データを分析し、インフラ協調システムによる事故低減効果・CO2排出量の低減効果を明確化することにより、当該システムの開発に活かしていきたいと考えている。
なお、トヨタは、安全技術・車両開発の方向性を示す「統合安全コンセプト」に基づき、人、クルマ、交通環境の連携を可能とするITS技術を活用した安全運転支援システムの開発に積極的に取り組んでおり、2012年3月からITS向けに割当てられた700MHz帯の電波を用いて、認知ミス防止のための右折時衝突防止支援システムに関する公道走行実験を既に行っている。
*1 ITS : Intelligent Transport Systems
*2 インフラ協調による安全運転支援システム :
高度道路交通システム(ITS)のひとつで、ドライバーから直接見ることのできない情報や管制情報を、道路に設置された通信インフラや他の車両などから無線通信によって受信し、ドライバーに知らせることで、安全運転の支援や事故防止につなげるシステム
*3 一般社団法人 UTMS協会 :
高度情報通信技術を活用した新交通システム(UTMS:Universal Traffic Management Systems)に関する調査、研究・開発により、道路交通のインテリジェント化を推進し、道路交通の安全と円滑の確保および環境の調和を図り、公共福祉の増進に寄与することを目的とする協会
*4 DSSS : 警察庁の推進する安全運転支援システム(Driving Safety Support Systems)
*5 700MHz帯 : ITS向け周波数で使用する無線通信方式
・ 700MHz帯高度道路交通システム標準規格(ARIB STD-T109)
・ 回り込みに優れた電波特性を有するため、交差点での出会い頭衝突事故や、右折時の対向直進者との衝突事故などの防止支援に有効であると期待されている
トヨタ自動車株式会社ホームページはこちら