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自動車向けステアリングシステム用「ハンドル位置の新固定機構ウェッジギア方式」を開発【日本精工】

2013年4月24日

~自動車の安全性と快適性の向上に貢献~

日本精工㈱(本社:東京都品川区、代表者:取締役 代表執行役社長 大塚 紀男、以下NSK)は、電動パワーステアリングなど、ステアリングシステム用として、自動車の衝突時の乗員の安全性向上に寄与するステアリングシステム用「ハンドル位置の新固定機構ウェッジギア方式」を開発しました。本製品は、欧州や日本などで販売されているVWのコンパクトカーUp!(アップ)他に搭載されており、この他グローバルに幅広い車種に対応可能です。

NSKは本製品の投入など、ステアリング製品を常に改良・進化させることで、安全性や快適性など自動車に求められる多様なニーズに対応します。

開発の背景

ステアリングシステムは、ドライバーが曲がりたい方向にハンドルを操舵して回転(操舵角と操舵力)をタイヤへ伝えます。また、ステアリングシステムには、ドライバーの体格や好みに合わせて、ハンドルの高さや前後の位置を調節出来る機能があります。



一方、衝突の際には、ステアリングコラム自体が前後に縮むことでドライバーへの衝撃を緩和します。

さらには、エアバッグはシートベルトとともに乗員を保護し、衝突の際には、乗員は膨らんだエアバッグに衝突することで、頭部や胸部がハンドルなどに直接衝突することを防ぎます。このため、エアバッグを保持するステアリングコラムは、上下に動かず、エアバッグが作動する際の大きな衝撃を支えることが求められます。

従来のステアリングコラム用固定機構は、複数の鋼板を重ね合せて摩擦により保持する多板式が広く使われています。しかし、この方式では、鋼板の隙間が充分に取れないため、ハンドル位置調整の際、複数の鋼板が摺動し、スムーズに動かせない場合があります。また、摩擦力が不安定なこと、更には充分な固定力を得るためには多くの鋼板が必要となり部品点数と重量が増えることが課題となっています。

NSKは、衝突時のハンドル位置固定力安定化とハンドル位置調整時の操作性を両立した以下の優れた自動車向けステアリングシステム用「ハンドル位置の新固定機構ウェッジギア方式」を開発しました。

本製品の特長と効果


(1) ハンドル位置固定力を従来比26%向上
本開発品は、受け手のギアの表面に微小な歯を供えたくさび(ウェッジ)を噛み込ませることで、ハンドル位置固定力を従来品比26%向上させました。この結果、ステアリングコラムがより確実に固定され、エアバッグが作動する際の大きな衝撃を支え、乗員の安全性を向上します。

(2) スムーズなハンドル位置の調整
本開発品は、くさびと受け手のギアが接触せず、ハンドル位置をスムーズに調節できます。また、微小な歯の噛み合いで、ハンドル位置を固定するため、細かに調整出来、ドライバーの快適性を向上しました。

(3) 部品点数削減
従来の固定機構に比べて、部品点数が7割少なく、組立工程が簡素化でき、生産性を向上させました。


プレスリリース記載の情報は報道発表日時点の情報です。
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