鉛酸バッテリ（鉛蓄電池）向けに画期的なバッテリ・モニタ技術を発表【日本テキサス・インスツルメンツ】

2013年4月17日

日本テキサス・インスツルメンツは、独自開発のImpedance Track™技術を採用し、バッテリ動作時間の延長と保護機能の提供を実現する業界初の鉛酸バッテリ（鉛蓄電池）向けバッテリ管理/残量計ICを発表しました。新製品の『bq34z110』は小型の14ピン・パッケージで提供され、マルチセル構成の4V、12V、24V、48Vや、より大電圧の鉛酸バッテリ・パックをサポートする、業界唯一のスケーラブル電源管理デバイスです。この新製品は高精度と使いやすさを特長としており、医療機器、基地局、通信シェルタ、電動自転車、UPS（無停電電源）などの携帯型や固定型機器をサポートします。製品の詳細とサンプルのご注文については http://www.tij.co.jp/bq34z110-pr-jp をご覧ください。

鉛酸バッテリ向けに95パーセントの高いモニタ精度を提供

動作温度範囲が広い環境下では、各種のリチウム系バッテリと比較して、鉛酸バッテリは一般的に性能が優れています。しかし、現行の鉛酸バッテリ製品は、正確なバッテリ残量計測とレポート機能を備えていないため、ユーザーを混乱させており、システムの充電状態を適切に維持するためにバッテリ本数を不必要に増やすような事態が頻繁に発生しています。Impedance Track技術を採用した新製品の『bq34z110』は、バッテリの動作状態と充電状態に関する情報をユーザーに提供するとともに、バッテリの動作寿命期間全体にわたって、最大95パーセントの高いバッテリ残量計測精度を維持します。こうした情報により、早まったシャットダウンが回避され、バッテリ寿命と機器の動作時間の延長が可能になります。

『bq34z110』の主な特長

● 1Ahから65Ah強の大容量バッテリや0Aから32A強の大電流用途向けバッテリなどの広範な鉛酸バッテリ（4V～65V）をサポートする、業界初のスケーラブルなマルチセル・バッテリ残量計IC
● 電流、電圧の測定値、温度、バッテリ特性値を使用してバッテリの充電状態、動作状態、容量を把握する、TIの独自技術であるImpedance Trackアルゴリズムにより、95パーセントの高いバッテリ残量計測精度を実現
● アプリケーション・ノート、ユーザー・ガイド、『bq34z110EVM』評価モジュールにより、設定が容易

すべての化学組成タイプに対応したバッテリ管理IC

TIは、最小のコイン・セルから最大のマルチセル・バッテリ・パックまで、あらゆるタイプの化学組成を持つバッテリの要件に対応した充電管理/残量計ICを供給しています。新製品の『bq34z110』バッテリ残量計ICのほか、TIの『bq24650』と『bq24450』 10Aバッテリ充電ICは、マルチセル構成の鉛酸バッテリの充電管理をサポートします。また、TIは、1セル～16セル構成のリチウム-イオンやリチウム鉄燐酸などの広範なバッテリをサポートする、リチウム系の各種化学組成のマルチセル・バッテリ向け残量計IC『bq34z100』を発表しています。

供給、パッケージ、価格

『bq34z110』鉛酸バッテリ向け残量計ICは、5mm x 6mmの14ピンTSSOPパッケージで供給中です。1,000個受注時の単価は2.30ドルです。『bq34z110EVM』は、TI eStoreから単価（参考価格）49ドルで供給中です。

『bq34z110』と『bq34z100』の特性表

製品に関する情報はこちらでも参照できます。

● TIの産業用アプリケーション向け電池管理製品ラインナップ（英語）： http://www.ti.com/batteryindustrial-pr
● TIの電源IC セレクション・ガイド： http://www.tij.co.jp/powerguide-pr-jp

TIの産業用電子機器向けアナログ製品

TIは、ファクトリ・オートメーション（FA）、スマート・グリッド、高電圧電源、LED照明、制御機器などの広範な産業機器向けアナログICで業界をリードしています。TIのデータ・コンバータ、アンプ、インターフェイス、アイソレーション、クロック、電源ICの多様なラインナップは、製品の差別化を実現します。さらに、オンライン設計/シミュレーション・ツール、評価モジュール、リファレンス・デザインなどを提供し、設計サイクルの簡素化と迅速化を実現しています。TIのアナログ製品は、産業機器の安全性、効率、信頼性を向上します。詳細については、http://www.tij.co.jp/industrial をご覧ください。

※Impedance TrackはTexas Instrumentsの商標です。その他、すべての商標および登録商標はそれぞれの所有者に帰属します。