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自動車ボディネットワーク・エレクトロニクスを効率化し、車体重量の削減を実現する新しいマイクロコントローラを発表【フリースケール・セミコンダクタ・ジャパン】

2013年3月26日

コネクティビティ、機能安全、セキュリティ、ネットワーク管理機能を統合し、
ECUや重い銅線の数を削減する最新Qorivva/S12 MagniVデバイス

フリースケール・セミコンダクタ・ジャパン㈱(本社:東京都目黒区下目黒1-8-1、代表取締役社長:ディビッド M. ユーゼ、以下 フリースケール)は、自動車ボディネットワーク向けにQorivva(コリーヴァ)/S12 MagniV(エス12・マグニヴィ)マイクロコントローラ・ポートフォリオを拡充することを発表しました。現在の自動車産業は劇的な変動期を迎えており、高帯域幅ネットワークの実現、データ・セキュリティの向上、機能安全の実装、全体的なエネルギー消費の削減など、複雑な課題に対処することが求められています。今回の拡充は、このような課題に対処しつつ、自動車ボディ・アプリケーションに新次元の統合性と機能性をもたらすものです。

自動車内の電子制御ユニット(ECU)数が増えるにつれ、必要とされるコネクティビティの規模も増大します。現在の平均的な自動車には、車載ネットワーク向けに総計で長さ数キロ、重さ150ポンド(68キロ)以上の銅線が組み込まれています。自動車のメインECUに機能を統合し、サテライト・ノード(ドアや電気モータのモジュール)のインテリジェンスを高めることで、必要とされるECUの数や銅線の量を減らすことが可能になり、それに応じて、車載配線ハーネスの重量が削減され、自動車の燃費が改善されます。

現在は、グリーンな車に対する需要に加え、車載ボディ・モジュールの機能安全規格「ISO 26262」への準拠を求める声も強まっています。外部照明やワイパーなど、自動車ボディネットワークによって実現する機能が極めて重要な役割を持つためです。また、車載ワイヤレス通信が普及する中、車載マイクロコントローラ内のセキュリティ対策を求めるニーズも拡大しており、マイクロコントローラに格納される知的財産(IP)を保護しつつ、車載ネットワークに対する不正なアクセスを防ぐことが必要とされています。

フリースケールの新しいマイクロコントローラ「Qorivva MPC5748G」と「S12 MagniV S12ZVL/S12ZVC」は相補的な技術で、Qorivvaセントラル・コントローラは、集中型のデータ・セキュリティ、インテリジェントな電力管理、機能安全のためのASILサポートを実現とするネットワーク・ゲートキーパーとして機能し、S12 MagniVサテライト・ノードは、電源や通信トランシーバを統合型のミックスド・シグナル・マイクロコントローラに組み込んでいます。最新デバイスがもたらす究極の統合性により、車載ネットワーク設計が簡素化され、重量の削減、製造効率の改善、最大30%のボード・サイズ削減が実現します。

フリースケールの副社長 兼 オートモーティブ・マイクロコントローラ製品のレイ・コーニンは、次のように述べています。「自動車は今日、接続機能により外部の世界とつながるスマート民生用機器に変容しつつあります。車載セントラル通信コントローラのインテリジェンスを高めることで、車載ネットワークのセキュリティ性能を増強し、電気的・機械的なエネルギー消費を削減することが重要です。フリースケールの最新マイクロコントローラを採用すれば、銅線の重量とボード部品が最大20ポンド(9キロ)削減されるため、全体的な車体重量を減らし、燃費を改善することができます。」

Qorivva MPC5748Gマイクロコントローラ

Qorivva MPC5748Gマイクロコントローラは、次世代セントラル・ボディ制御/ゲートウェイ・アプリケーション向けのシングルチップ・ソリューションです。革新的な低消費電力管理モード、機能安全のサポート、堅牢なセキュリティ機能を比類のないレベルで統合しています。

MPC5748Gマイクロコントローラは、市場で最大規模の多様性を誇るネットワーク通信ペリフェラルを備え、Ethernet AVB(オーディオ・ビデオ・ブリッジング)、FlexRay(TM)、メディア・ローカル・バス(MLB)、USB、CAN FD(フレキシブル・データ・レート)、最大18のLINコントローラをサポートします。マルチコア・アーキテクチャと最大6MBのFlashメモリ、768KBのRAMというメモリ・オプションを通じた優れた性能により、データ転送を効率化し、通信面でのボトルネックを解消します。

セントラル・ボディ制御モジュールは、動作時間の多くを、低消費電力のモニタリング状態で動作します。MPC5748Gは低消費電力ユニット(LPU)モードを備えており、低消費電力状態での機能性が改善されているため、周期的なウェイクアップのためのピーク電流消費が従来世代のデバイスに比べておよそ30%削減されます。また、スタンバイ・モードから動作するアナログ・コンパレータと疑似的ネットワーク機能により、次世代の消費電力制約要件に対応します。

MPC5748Gは、フリースケールSafeAssure機能安全ソリューション対応製品で、ISO 26262機能安全規格に準拠するよう、一から定義と開発が行われています。自己検査機能やエンドツーエンドのエラー訂正コード(ECC)といった組込みセーフティ機能、AUTOSAR OSやMCALドライバなどの包括的な自動車セーフティ・ソフトウェア、ならびに広範なセーフティ・ドキュメントにより、ASIL B向けの用途に対応します。

MPC5748Gは、データ保護用のハードウェア・セキュリティ・モジュール(HSM)を備えており、AES暗号アルゴリズム、セキュア・メモリ、セキュア・ブートといった機能を通じて、セキュアな通信とFlashメモリのアップデートを実現します。

S12 MagniV S12ZVL/S12ZVCマイクロコントローラ

高集積のS12 MagniV S12ZVL/S12ZVCマイクロコントローラを採用すれば、CAN終端ノードやLINノードのインテリジェンスを高め、自動車ボディネットワーク・システム全体を最適化することができます。S12ZVCを利用すれば最小のCANノードが、S12ZVLを利用すれば最小のLINノードが実現し、プリント基板(PCB)のサイズが最大30%削減されます。高電圧信号や電源を直接S12 MagniVマイクロコントローラに接続した自動車システムが可能なため、追加のディスクリート部品を増やさず、システム品質の向上、システム設計と製造の簡素化が実現します。

S12 MagniVポートフォリオは、CAN/LIN接続オプション、8KB~192KBのFlashメモリ、32~64ピンのパッケージ・オプションを備えており、さまざまなアプリケーションを横断したスケーラブルなボディ・エレクトロニクス・プラットフォーム設計を可能にします。

S12 MagniV S12ZVL/S12ZVCマイクロコントローラは、フリースケールの16ビット車載マイクロコントローラ・ポートフォリオの中で、フリースケールSafeAssure機能安全プログラムの対象となる最初のメンバ製品で、ISO 26262機能安全規格に準拠するように開発が行われております。

供給

Qorivva MPC5748GとS12 MagniV S12ZVLは、2013年第2四半期に特定顧客向けのサンプル出荷を開始する予定です。一般向けの出荷は2014年下期に開始する予定です。S12 MagniV S12ZVCは、2013年第3四半期に特定顧客向けのサンプル出荷を開始する予定です。一般向けの出荷は2014年末に開始する予定です。詳細については、フリースケール・セミコンダクタまたはお近くの販売代理店にお尋ねください。

各製品の詳細についてはQorivva MPC5748GS12 MagniV S12ZVLS12 MagniV S12ZVCのWebサイトをご覧ください。

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@Freescale Qorivva and S12 MagniV MCUs help streamline automotive body electronics networks and reduce vehicle weight

フリースケールSafeAssureプログラム:機能安全の容易な実現に向けて

フリースケールのSafeAssure機能安全プログラムは、国際標準化機構(ISO)のISO 26262や国際電気標準会議(IEC)のIEC 61508といった機能安全規格に準拠したシステムの開発を支援します。このプログラムは、機能安全の実装を最適にサポートするフリースケールのハードウェア/ソフトウェア・ソリューションを対象としており、豊富な開発ツール・セットを備えています。詳細については、www.freescale.com/SafeAssureのWebサイトをご覧ください。

フリースケール・セミコンダクタについて

フリースケール・セミコンダクタ(NYSE:FSL)は、先進の自動車、民生、産業、およびネットワーク市場において、業界を牽引する製品を提供する組込みプロセッシング・ソリューションの世界的リーダーです。マイクロプロセッサ、およびマイクロコントローラ、センサ、アナログ製品やコネクティビティといった私たちの技術は、世界中の環境、安全、健康を向上させ、そしてそれらをよりつなげるイノベーションの基盤となります。また、オートモーティブ・セーフティ、ハイブリッドや電気自動車、次世代のワイヤレス・インフラストラクチャ、スマートエナジー、ポータブル医療機器、家電やスマート・モバイル製品といったアプリケーション向けの製品を提供しています。フリースケールは、テキサス州オースチンを本拠地に、世界各国で半導体のデザイン、研究開発、製造ならびに営業活動を行っています。詳細は、http://www.freescale.com/(英語)、またはhttp://www.freescale.com/ja/(日本語)をご覧ください。


FreescaleならびにFreescaleのロゴマークは、米国、またはその他の国におけるフリースケール社の商標、または登録商標です。文中に記載されている他社の製品名、サービス名等はそれぞれ各社の商標です。




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