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自動車のグローバル化要求に対応したマイコン製品のラインナップ強化【富士通セミコンダクター】
富士通セミコンダクター株式会社(注1)は、自動車業界におけるグローバル化による多種多様な要求に対応するため、16ビット・マイクロコントローラー(以下、マイコン)「MB96600シリーズ」、32ビット・マイコン「MB91520シリーズ」の計113製品(以下、本製品群)を開発し、本日より順次サンプル出荷を開始します。これにより本製品群に加えて、すでに昨年より提供を開始している32ビット・マイコン「MB91570/MB91580/MB91590シリーズ」と合わせて、すべての自動車向けアプリケーションに対応可能となります。
近年の自動車は、地球温暖化の抑制に向けて、環境に配慮した低燃費車への対応が急務になっています。また、先進国向けの安全・快適機能を向上したハイグレードな自動車や、成長著しい中国やインド、ブラジルなど新興国市場向けのコンパクトカーへの需要も高まっています。
このような多種多様な要求に対応するため、次世代の自動車ECU(注2)(Electronic Control Unit)システムには、幅広い要求に対応できるマイコンのラインナップが必要になってきています。
本製品群は、環境に配慮し、従来製品より25%以上の大幅な低消費電力を実現しつつ、先進国の多機能なシステムから新興国向けのシンプルなシステムまでお客様の要求にきめ細やかに対応した幅広い製品ラインナップを展開します。また全製品群で、システムコスト削減となるデータ用フラッシュメモリ、低電圧検出回路、CR発振回路、ハードウェア・ウォッチドッグ回路を標準搭載し、さらにソフトウェア負荷を低減するADコンバータ、自動チェックサムや自己診断機能などを備えた、より進化したLINハードウェア・アシスト機能も標準搭載しています。
高機能化と安全性が必要とされる32ビット・マイコンでは、多機能化に伴い増加するセンサーなどの外付け部品を柔軟に接続できるようにI2C、SPI、UART、LINを選択可能なマルチファンクション・シリアル・インターフェースを業界最多クラスの12チャネル(100ピン以上の製品、以下、pin)搭載し、マイコンの機能安全として、メモリエラー検知訂正機能、バスエラー検知機能、ポート入出力保護機能などのさまざまな診断機能を標準搭載しています。
本製品群に加えて、すでに出荷を開始している「FR81S MB91570/MB91580/MB91590シリーズ」により、ボディ系、ダッシュボード系、セーフティ系、インフォテイメント系、パワートレイン系などすべての自動車アプリケーションに対応します。
今後もさらに製品ラインナップの強化をしてまいります。
サンプル価格、およびサンプル出荷時期
製品名 ——————– |
サンプル価格(税込み) ——————————– |
サンプル出荷時期 ——————————- |
MB96F675R | 500円 | 2011年5月30日より |
MB91F526K | 800円 | 2011年12月末 |
販売目標
2014年度 2,500万個(本製品群 合計)
本製品群の特長
1. 豊富なラインナップで幅広いECU開発に貢献
自動車業界からの多種多様な要求に対応するため、16ビット・マイコン「MB96600シリーズ」では、48~144pinのパッケージ群、32キロバイト(以下、KB)~384KBのフラッシュメモリ群の組み合わせにより計53製品を、取り揃えており、また、32ビット・マイコン「MB91520シリーズ」では、64~176pinのパッケージ群、256KB~1メガBのフラッシュメモリ群の組み合わせにより計60製品を取り揃えています。この計113製品を取り揃えることにより、幅広いECU開発に貢献します。
2. シームレスな開発環境でソフトウェア開発の効率化に貢献
ソフトウェア開発の効率化に貢献するため、本製品群はAUTOSAR(注3)仕様に準拠したMCAL(注4)を順次提供します。「MB96600シリーズ」は、HIS(注5)推奨仕様に準拠しつつ、メモリサイズと性能を最適化したスケーラブルな「AUTOSAR R3.0/3.1」、「MB91520シリーズ」は、「AUTOSAR R3.1/R4.0」に対応します。また、本製品群は、16ビット・32ビットマイコン共通でJPwire(注6)対応のエミュレータ(MB2100-01-E)を使用することにより、シームレスな開発を行うことができます。
3. 自動車ECUシステムに最適な周辺機能
本製品群は、プログラム用フラッシュメモリとは別にデータ用フラッシュメモリを搭載しており、外部EEPROMを削減でき、システム開発の効率化に貢献します。また、更なる周辺部品の削減として、外部リセット用ICが削減できる低電圧検出、CR発振回路、ハードウェア・ウォッチドッグ回路の搭載や、ソフトウェア設定によりI/Oポートの配置を変更できるI/Oリロケーション機能を標準搭載しております。
商標について
記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。
添付資料
「MB96670シリーズ/MB91520Kシリーズ」の主な仕様(191KB)
注釈
注1 富士通セミコンダクター株式会社:
本社 神奈川県横浜市、代表取締役社長 岡田 晴基。
注2 ECU:
Electronic Control Unit
自動車用デバイスの制御用マイクロコンピュータユニット。
注3 AUTOSAR:
AUTomotive Open System Architecture
自動車メーカーとECUサプライヤーによるオートモーティブE/E(Electric/Electronics)アーキテクチャ用のオープンな産業標準を確立するための団体。
注4 MCAL:
Micro Controller Abstraction Layer
Basic Software Layerの最下層に位置し、マイコン内部のペリフェラルと外部デバイスをマッピングしたメモリへ直接アクセスできるドライバからなるレイヤー。
注5 HIS:
Hersteller Initiative Software
ECUに関わる標準のソフトウェアモジュール、プロセス成熟度、ソフトウェア試験、ソフトウェアツール、およびプログラミングを支援するためにドイツの主要自動車メーカーが設立したソフトウェアイニシアチブ。
注6 JPwire:
JASPAR(国内の自動車メーカーと自動車エレクトロニクス関連メーカーによる自動車ECUのソフトウェア基盤や車内LANインターフェース規格の標準化を推進するための団体)が策定した、自動車ECU の開発およびデバッグに用いられるインターフェース。
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