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世界最小クラス/高精度・高安定な慣性計測ユニット(IMU)『S4E5A0A0』を商品化【セイコーエプソン】
世界最小クラス※のサイズと消費電力を実現した
高精度・高安定な慣性計測ユニット(IMU)『S4E5A0A0』を商品化
~ 産業・工業分野の製品への組み込みが容易に ~
セイコーエプソン株式会社(社長:碓井 稔、以下エプソン)は、このたび、世界最小クラス※の外形サイズ・消費電力と、高精度・高安定な計測性能を実現した慣性計測ユニット(*1)(Inertial Measurement Unit、以下IMU)『S4E5A0A0』を商品化し、2011年7月よりサンプル出荷を開始します。
IMUは、わずかな傾きから大きな動きまでの慣性運動情報を正確に検出できる機器です。従来は慣性運動について高精度・高安定な計測が必要な航空・宇宙分野などで、専用機器に組み込まれ利用されることが一般的でした。近年では産業・工業分野向けのIMUも開発され、さまざまな製品への組み込みが進み始め、今後の市場拡大が見込まれています。この新しい市場においては、IMUの製品への組み込みを容易にするために、精度や安定性を高めながら、さらなる小型化と低消費電力の実現が求められていました。
そこで水晶デバイス業界をリードしているエプソンは、強みである水晶微細加工技術QMEMS(*2)を用いて開発した水晶ジャイロ(角速度)センサー(*3)と、GPSなど位置情報デバイスで培った半導体技術やノウハウを融合させるという独自のアプローチで、新しいIMUの開発を進めました。
(参考:IMU開発に関するリリース 2010年9月30日発表 http://www.epson.jp/osirase/2010/100930.htm)
そして、このたび世界最小クラスの外形サイズ(24×24x10mm)と低消費電力(30mA:動作電源電圧3.3V時)でありながら、高精度・高安定の計測性能を持つ、IMU『S4E5A0A0』を商品化しました。
高精度・高安定の3軸ジャイロセンサー(±300deg/s)と3軸加速度センサー(*4)(±3G)を組み合わせた6軸センサーを搭載し、角速度の計測性能においては角度ランダムウォーク性能(*5)0.24deg/√hr、ジャイロバイアス安定性(*6)6deg/hを実現しています。また、インターフェイスには、産業・工業分野の標準であるSPIとUARTを採用しています。
本IMUは、産業・工業分野における慣性運動の解析・制御、モーション解析・制御、移動体制御、振動制御・安定化、ナビゲーションシステムなどの用途に適しています。小型・軽量・低消費電力化により、従来のIMUよりも組み込む製品の設計自由度を高め、さらにはこれまで難しかった、よりさまざまな産業・工業分野の製品への組み込みも可能となります。
エプソンは、2015年度における会社としてのありたい姿を定めた長期ビジョン「SE15」において、時間や圧力、角速度などを計測するセンシングを成長が見込める重要な事業領域と位置付けています。今後も、水晶を素材としたQMEMS技術を核に、保有する半導体技術やソフトウェア技術との融合をさらに進め、多岐にわたる製品やモジュール・システムなどのデバイスソリューションを提供し、お客様の安心・安全・快適を実現してまいります。
※ 従来の産業・工業分野向け小型IMU製品との比較(2011年5月末、エプソン調べ)
展示会への出展について
下記の展示会にエプソンブースを出展、本製品の展示およびデモンストレーションを行います。
「Sensors Expo & Conference」
日程:6月6日~8日
場所:アメリカ イリノイ州ローズモント
エプソンブース番号:909
展示会公式ウェブ
http://www.sensorsmag.com/sensors-expo
「Sensor+Test 2011」
日程:6月7日~9日
場所:ドイツ ニュルンベルク
エプソンブース番号:12-655(ホール12)
展示会公式ウェブ
http://www.sensor-test.de/welcome-to-the-measurement-fair-sensor-test-2011/
IMU『S4E5A0A0』の特長
1. 小型・軽量
24×24x10mm(外形サイズ)、7g(本体重量)
2. 低消費電力
30mA(動作電源電圧3.3V時)
3. 高精度・高安定の計測性能
±300 deg/sの3軸ジャイロセンサーと±3 Gの3軸加速度センサーを組み合わせた高性能6軸センサーの搭載により、
下記を実現しています。
角度ランダムウォーク(精度):0.24 deg/√hr
ジャイロバイアス安定性(安定性):6 deg/hr
初期0点バイアス偏差(静止時の安定性):±0.5 deg/s
4. 充実したデジタルシリアルインターフェイス
SPI、UARTを標準装備
本IMUの主な用途
● モーション解析・制御
● 移動体制御
● ナビゲーションシステム
● 振動制御・安定化
● 運動解析
具体的な産業・工業分野における製品への組み込みは、以下を想定しています。
● 高精度測量機器
● 自動車向けデッドレコニングや振動解析
● 自動車自体の運動解析
● 衛星アンテナやカメラの追尾・制振
● 工作機械等の制御システムの振動検知機能 など
「IMUマーケットとエプソン製品ターゲット」
用語説明
(*1) 慣性計測ユニット(IMU)
3軸の角速度センサーと3方向の加速度センサーからなる慣性運動量を検出する装置。主に運動体の挙動の計測・制御を目的として使用。
(*2) QMEMS
高安定・高精度などの優れた特性を持つ水晶素材である「QUARTZ」と、「MEMS」(微細加工技術)を組み合わせた造語。半導体を素材としたMEMSにならって、水晶素材をベースに精密微細加工を施し、小型・高性能を提供する水晶デバイスを「QMEMS」と呼称。
※「QMEMS」は、エプソントヨコムの登録商標です。
(*3) ジャイロ(角速度)センサー
基準軸に対して物体が単位時間当たりの回転角度(角速度)を検出するセンサー。
(*4) 加速度センサー
単位時間当たりの速度の変化(加速度)を検出するセンサー。
(*5) 角度ランダムウォーク(Angle Random Walk)
角速度のホワイトノイズによって引き起こされる一定時間の角度の誤差。
(*6) ジャイロのバイアス安定性(Gyro Bias Instability)
指定された有限のサンプル時間と時間間隔の平均より計算されるジャイロ出力バイアスの1/fノイズ密度の特徴を持つ不規則変動量。
関連リンク
本製品の詳細情報については以下のウェブサイトをご参照ください。
製品ホームページ :http://www.epson.jp/device/
製品デモ動画(YouTube – Epson Device Channel):
http://www.youtube.com/user/epsondevicejp?feature=mhee#p/a/u/0/EtnmeGnifdo
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