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NEC、小田急電鉄に新列車無線システムを納入開始【日本電気】

2013年2月12日


NECは、小田急電鉄㈱(本社:東京都新宿区 取締役社長 山木 利満)に、SDR「Software-Defined Radio」(ソフトウェア無線)技術を採用した新列車無線システムの納入を開始しました。本システムは、2016年7月の全面稼働に向けて、今後、順次納入していきます。

本システムは、首都圏における列車の過密ダイヤに伴う列車の安全走行への関心の高まりと、総務省の「周波数再編アクションプラン」(注1)に基づき、高度化が望まれている列車無線のデジタル化を実現するものです。
また、本システムは、関東の相互乗り入れする鉄道事業者がデジタル列車無線導入時に装置の仕様を共通化することや車両に搭載する機器を最小限とし、効率的な運用を図ることを目的として作成された共通仕様に基づく初のシステムです。
従来、鉄道事業者間で車両の乗り入れを実現するためには、鉄道事業者ごとに、それぞれ固有の運用形態に併せた仕様の列車無線機器を、乗り入れの線区ごとに搭載していました。本システムの導入により、1台の無線装置で、事業者固有の運用形態に併せた機能・仕様の追加・変更・修正が容易に可能となります。
また、システム導入後は、現在のアナログ方式からデジタル方式に変更されるため、音声通話に加え、データ通信も容易になります。これにより、情報伝達の迅速化が可能となる他、乗務員や列車の乗客に対し、より正確な情報提供が可能となります。

本システムで採用したソフトウェア無線機は、ソフトウェア無線機のグローバル標準アーキテクチャーであるSCA (Software Communication Architecture) 規格(注2)を採用しております。

特長は次のとおりです。

1. 鉄道事業者間の相互乗入に対応

列車の相互直通運転利用時に、鉄道事業者間で異なる機能を実現するため、従来、車両の限られた運転台スペースに、事業者ごとに異なる複数台の機器が必要であったのに対し、本システムでは、ソフトウェア無線技術の採用により、1台の装置で複数の異なる機能に対応可能。これにより、1台の無線機で、機能・仕様の異なる事業者に対しても通信が可能となり、装置数の減少に伴う機器費用の低減や省スペース化に貢献。

2. 既設設備との上位互換性を確保

ソフトウェア無線の採用により、既設のアナログ無線機との互換性を確保したまま、デジタルシステムへの機能の切換が容易に可能なため、設備更新が全て完了するまで、既設設備と同一の機能/操作を実現。

3. 装置供給期間の長期化

従来システムでは、各鉄道会社の専用機能の実現のために、使用部品の供給停止に伴う再設計が必要で、長期間の製品供給が困難であったのに対し、本システムは、異なるハードウェアでもソフトウェアを移植する事で、同一機能の装置を長期間供給可能。

4. サービスの向上と安定・安全運行への寄与

現在の音声通話のみであるアナログ方式の列車無線から、デジタル方式に変更することにより、音声通話に加え、データ通信も実現。これにより、運転指令からの指示(通告)や運行情報の文字伝送を乗務員室へのモニタ表示することなどで、情報伝達の迅速化が可能となるほか、乗務員や列車の乗客に対してより正確な情報提供を行うことも可能。 また、本システムのデータ通信を活用し、車両故障情報の運転指令所での収集や、運行情報の客室内表示を行うなども可能。


NECは、「SDRデジタル列車無線システム」を、今後、他の鉄道事業者へも提供することで、鉄道事業者の安全輸送に一層貢献してまいります。

【別紙】 NECのデジタル列車無線 SDR(ソフトウェア無線)


(注1) 総務省にて策定している、毎年度実施する電波の利用状況調査の評価結果に基づく具体的な周波数の再編を円滑かつ着実にフォローアップするための取り組みを示すアクションプラン
http://www.tele.soumu.go.jp/j/adm/freq/search/saihen/index.htm

(注2) The Wireless Innovation Forumにて規定された規格
Wireless Innovation Forum(TM) : http://www.wirelessinnovation.org/

本件に関するお客様からのお問い合わせ先

NEC  交通・公共ネットワーク事業部
TEL:03-3798-2125




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