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燃料電池車技術の商品化を加速させるための合意書に調印【日産自動車】

2013年1月28日

戦略的提携関係にあるダイムラーとルノー・日産アライアンス、フォードと
燃料電池車技術の商品化を加速させるための合意書に調印

ダイムラーAG、フォード、日産は、ゼロ・エミッション技術の利用を促進し、投資コストを大幅に削減するため共通の燃料電池システムを共同開発する3社間の合意書に調印
今回の合意により、世界初の手ごろな価格の量産型燃料電池車を早ければ2017年に発売予定
3つの大陸に亘る3つの企業のユニークな協力関係により、グローバルな仕様と部品規格を確立
サプライヤー、政策立案者、産業界に対して世界的な水素インフラ整備を促す明確なメッセージを提示


ダイムラーAG、フォード、日産自動車株式会社は28日、燃料電池車(FCEV)技術の市販化を加速させるための3社間の合意書に調印しました。

今回の合意の目的は、FCEV技術の開発に関連する投資コストを低減させながら、共通のFCEVシステムを共同で開発することです。各社は本プロジェクトに対し、均等に投資を行います。デザインの共通性を最大限に高め、ボリュームを活用し、スケールメリットによって効率性をもたらす戦略により、早ければ2017年に世界初の手ごろな価格の量産型FCEVを発売する予定です。

ダイムラー、フォード、および日産は、FCEV開発に関し、合わせて60年以上の経験があります。3社がこれまで開発してきたFCEVは世界中で、お客さまが運転する他、実証実験プロジェクトの一環として様々な条件下で1,000万km以上の試験走行を行ってきています。3社は今後、共通の燃料電池スタックと燃料電池システムを開発し、走行中にCO2を出さないFCEVを、それぞれのブランドに沿った全く異なるデザインで投入する予定です。

今回の合意は、サプライヤー、政策立案者、産業界に対して、水素ステーションやFCEVの量産に必要不可欠なその他インフラのさらなる整備を促す明確なメッセージとなります。

水素と酸素で作られた電気をエネルギーとするFCEVが走行中に排出するのは水だけです。FCEVは、現在のバッテリーを使った電気自動車を補完するものとして考えられており、お客さまが利用できるゼロ・エミッションモビリティの選択肢を広げることになります。

日産の研究・開発担当副社長で取締役の山下光彦は以下のように述べています。「燃料電池自動車は、自動車産業がより持続可能な輸送手段に取り組んでいる中で、今日のバッテリー式電気自動車を補完する次のステップとなることは明らかです。私たちは、ゼロ・エミッションのラインアップにバッテリー式の電気自動車以外にFCEVを新たに加えることで、将来的に多くのお客さまのニーズに応えられることを楽しみにしています。」

ダイムラーAGの取締役でグループリサーチ、メルセデス・ベンツ・カーズ開発統括のトマス ウェーバーは、「私たちは燃料電池自動車が将来のゼロ・エミッションモビリティにとって中心的な役割を果たすと確信しています。3社の力強い取り組みのおかげで、燃料電池を使ったモビリティをより広範に広めることができます。つまり、今回の合意により、世界中の多くのお客さまが燃料電池車技術を利用できるようになります」と語りました。

フォードのグローバル・プロダクト・ディベロップメント担当副社長であるラジ ナイールは、「私たちが協力することで、お客さまにとってより手ごろな価格での燃料電池車技術の市場への投入が加速されるでしょう。3社全てにとって今回の合意は有益であり、結果として生まれるソリューションは各社が単独で行うよりも良いものとなるでしょう」と述べました。

燃料電池スタックおよび燃料電池システムの開発は、3社共同で世界のいくつかの拠点で行われます。また、3社はさらなるシナジー創出のため、FCEV構成部品の共同開発についても検討中です。

この3つの大陸をまたぐ3社のユニークな協力関係は、高いスケールメリットを達成するために必要な条件であるグローバルな仕様と部品規格の確立を促進していきます。

燃料電池自動車の仕組み

FCEVは、現在のバッテリーを使った電気自動車と同様に、従来の自動車よりも効率的で、石油以外の多様なエネルギー源を利用します。

FCEVで使われる電力は、クルマに搭載した燃料電池スタックで作られます。そこでは、専用設計の高圧タンクに蓄えられた水素と、空気中にある酸素の電気化学反応により発電が行われます。副産物は水蒸気と熱のみです。



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