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自動車内装用塩ビパウダースラッシュコンパウンドの供試を開始【カネカ】
2013年1月16日
㈱カネカ(本社:大阪市 社長:菅原公一)の連結子会社、龍田化学㈱(本社:東京都中央区 社長:長野武士)は自動車内装用塩化ビニル(以下、塩ビ)パウダースラッシュコンパウンド(以下PSC)市場に参入すべく自動車メーカー、成形メーカーへの供試を開始した。
現在、自動車内装用(特にインストルメントパネル、以下インパネ)パウダースラッシュは主にポリウレタン製が使用されている。この用途では継ぎ目のない(シームレス)エアーバックがデザイン性の良さで採用され、そのシームレス構造から塩ビ製は耐久性能(低温下におけるエアーバック展開時)に課題があり、適応されなかった経緯があった。近年、塩ビの環境問題に関しては、世界的に沈静化しポリウレタンと比較して、軽量、コストメリットがあり、また、省石化原料樹脂である塩ビ製の性能が向上してきたことから塩ビへの回帰が自動車メーカーでも動き出し、採用車種も増えてきている。
インパネ用表皮材は自動車内装用表皮材の中で最も高い品質が要求される。その理由はエアーバッグを有効に展開させる構造を要求されるため。特に近年好まれているデザイン面からのシームレス構造は、エアーバックが展開する時に表皮を突き破って飛び出すことから、その表皮が脆性破壊して破片が飛び散らないようにするため、更に厳しい要求品質となっている。当社の保有する塩ビ樹脂技術とPSCに関するノウハウ、及び龍田化学が保有するインパネ用表皮材で培った配合技術を中心とした高機能化技術の融合を行うことで、耐熱特性と耐寒特性の両方が要求されるインパネ用表皮材向けに著しく改善した性能を持ったシームレスエアーバック対応のPSCの開発に成功した。
今後の計画としては2013年10月からの本格生産開始を予定し、2年後7億円、5年後30億円の売り上げを目指す。
龍田化学株式会社の概要
所在地:東京都中央区
社長:長野武士
事業内容:塩化ビニル樹脂の成形加工および販売
資本金:300百万円(カネカ70.5%)
ウェブサイト:http://www.tatsutachemical.co.jp/index2.htm
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