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LEXAN™樹脂がフィアット500Lのリア固定サイドウィンドウに採用【SABIC】

2013年1月11日

SABICのLEXAN™樹脂がフィアット500Lのリア固定サイドウィンドウに採用
自動車用ポリカーボネート製樹脂グレージングの普及を加速

SABICのイノベーティブプラスチックス事業では、自動車窓へのポリカーボネート(PC)樹脂を用いた樹脂グレージングの採用が拡大している。このたび同社の透明LEXAN™ GLX樹脂と黒色CYCOLOY™樹脂が「フィアット500L MPV(多目的車)」のリア固定サイドウィンドウに採用された。SABICの高性能樹脂を採用することで、ガラスと比較して35%の軽量化と空力特性の改善を達成するほか、ガラスでは達成できないスタイリングを実現できるメリットがある。フィアット500Lは既に欧州市場で販売を開始しており、2013年の初頭には米国でも販売が始まる予定である。同車のリア固定サイドウィンドウはエアスポイラーとのシームレスな部品統合を実現しており、これは米国内で初の二色射出圧縮成形部品となる。フィアット500Lの樹脂グレージングは、SABICの自動車用樹脂グレージング材料の性能を実証する共に、量産車種における樹脂グレージングの有用性と、自動車業界における樹脂グレージングへの志向の高まりを示すものである。

「SABICのPC樹脂グレージング材料と同社が持つ豊富な経験や専門知識により、私たちは500Lのリア固定サイドウィンドウの開発目標であった軽量かつ美しい外観を達成できた上、優れた空力特性を持つ最先端のデザインに作り上げることができました。ガラスと比較してSABICの樹脂グレージングは、商品差別化を実現するデザインの自由度、車両の優れた空力特性、そして燃費向上につながる設計の柔軟性を提供してくれました。私たちは最高の燃費効率とデザインをお客様に提供するためのさらなる進歩を目指し、PC樹脂グレージングの採用を進めて参ります。」と、フィアットグループの材料研究所ポリマー&ガラス部門のカルロ・トレッジアーニはコメントする。

SABICの樹脂グレージングは、フィアット車のリア固定サイドウィンドウの重量をガラスと比べ約35%軽量化しており、新型車における燃費向上と排出ガス削減という自動車メーカーの目標達成に大きく貢献する。

イノベーティブプラスチックス事業のV. ウママヘシュワラン自動車部門マーケティング部長は「樹脂グレージングの関連技術とPC樹脂材料は、既に量産対応可能なレベルにあり、フィアットのような先進志向の自動車メーカーの間で採用が広がっています。当社は、フィアットの伝統ともいえる500シリーズが新たな一歩を踏み出すお手伝いができたことを光栄に思います。」としており、加えて「PC樹脂グレージングは、自動車メーカーにとって有効で、かつ手の届く最先端技術となっています。現在、自動車メーカーは樹脂グレージングを採用することで、量産モデルの部品で最大50%の軽量化を実現でき、さらにフィアット500Lでもみてとれるように、設計の柔軟性と空力特性の向上という付加価値を提供することが可能です。SABICは現行の自動車用樹脂グレージングに関する豊富なノウハウを基礎として、さらなるLEXAN樹脂の開発と高度なコーティングシステムであるEXATEC™への投資を強化し、お客様の現在そして未来のニーズに応えられるよう鋭意努力を続けて参ります。」とコメントしている。

エアスポイラーを統合する革新的な成形法

エアスポイラーに隣接するリア固定サイドウィンドウの設計において、フィアットでは2つの部品間のギャップや色調の管理、そして取り付け方法などに課題を抱えていた。このたびSABICの樹脂グレージングを採用し、リア固定サイドウィンドウとスポイラーを統合することで、フィアットはこれら全ての課題を解決している。

このリアウィンドウは二色射出圧縮成形を採用することで、継ぎ目のない部品を実現した。またLEXAN GLX樹脂の優れた透明性によって、十分な視認性の確保も達成されている。さらに黒色CYCOLOY XCM樹脂は黒色の窓枠(黒セラ)として機能し、ウィンドウからスポイラーまで統一感のある色調を演出すると共に構造的機能も付加しているほか、Lexan GLX樹脂と組み合わせることで優れた寸法安定性を発揮する。

SABICでは、この部品を製造するに当たってフィアットと緊密な共同開発を行いながら、コンピュータ解析などを含む幅広い技術的専門知識を提供した。

LEXAN GLX樹脂は、自動車用樹脂グレージング向けに開発されたPC樹脂の特殊グレードであり、高い透明性と耐候性を発揮するほか、加工性に優れ、保護コーティングとの適合性も高い。またPC/ABSブレンドのCYCOLOY樹脂は、優れた寸法安定性と美しい外観を提供する。

SABICの樹脂ガラス向け製品についての詳細は、 www.sabic-ip.com をご覧ください。
技術関連のお問い合わせに関しては、 www.sabic-ip.com/prtechinquiry からご連絡ください。


SABICについて

SABIC(Saudi Basic Industries Corporation)は世界トップの石油化学企業の1つ。ポリエチレン、ポリプロピレン、および他の高機能樹脂、グリコール、メタノール、ならびに肥料のメーカーとして世界のマーケットをリードする企業の1つである。

2011年のSABICの純利益はSR292.4億(78億米ドル)を記録し、同年総売上高はSR1,899億(506.4億米ドル)、2011年末時点の総資産はSR3,327.8億(887.4億米ドル)である。

SABICは、基礎化学品、ポリマー、高機能化学品、肥料、金属、イノベーティブプラスチックス事業を展開し、研究施設としてサウジアラビア、米国、オランダ、スペイン、インド、および韓国に17の充実した専門のテクノロジー&イノベーションセンターを配置している。SABICは世界40か国以上で展開、全世界でおよそ4万人の従業員を雇用している。

SABICはサウジアラビア、アメリカ大陸、ヨーロッパおよびアジア太平洋地区を拠点に生産活動を行っている。

リヤドに本拠地を置くSABICは、1976年にサウジアラビア政府が石油産出に伴って発生する炭化水素ガスを化学物質、ポリマー、肥料生産の主要原料にすることを決定した際に設立された。サウジアラビア政府はSABIC株の70%を所有し、残りの30%はサウジアラビアの個人投資家および他の湾岸協力会議(Gulf Cooperation Council)諸国が保有している。

SABICのイノベーティブプラスチックス事業について

SABICのイノベーティブプラスチックス事業は、80年の操業実績を持つエンジニアリングプラスチックの大手グローバルサプライヤーで、お客様の緊急な課題を解決する画期的なソリューションを提供している。現在、同社の売上は数十億ドルに上り、世界35か国で約9000人の従業員を雇用している。SABICのイノベーティブプラスチックス事業は、お客様とのコラボレーションや新しいポリマー技術、グローバルアプリケーション開発、加工技術、および環境に配慮したソリューションへの継続的な投資により、自動車、エレクトロニクス、建築/建設、輸送、医療などの幅広い市場をターゲットに、今後もプラスチック業界のリーダーであり続ける。同社の幅広い製品ポートフォリオには、熱可塑性樹脂、コーティング、特殊コンパウンド、フィルム、シートなどがある。SABICのイノベーティブプラスチックス事業(www.sabic-ip.com)は、Saudi Basic Industries Corporation(SABIC)の完全子会社である。



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