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広い帯域、大容量メモリ搭載で、高分解能のオシロスコープを発表【アジレント・テクノロジー】
2013年1月9日
アジレント・テクノロジー㈱(社長:梅島 正明、本社:東京都八王子市高倉町9番1号)は、高分解能オシロスコープ「AgilentInfiniium(インフィニウム) 9000Hシリーズ 12bitオシロスコープ」を発表します。250 MHz(メガヘルツ)、500 MHz、1 GHz(ギガヘルツ)、2 GHz帯域幅の4モデルを提供します。12ビットの垂直分解能を実現したことが最大の特長で、一般的な8ビット分解能のオシロスコープと比べて、16倍の分解能を実現しています。また、業界最大容量のメモリ(1チャンネルあたり100 Mpts(メガポイント))を搭載しました。
振幅の小さな信号を正確に観測する場合、ノイズが大きな障害になります。今回発表の9000Hシリーズでは、ハイパーサンプリング技術とリニア・ノイズ低減技術により、従来の8ビット分解能オシロスコープと比べて、ノイズレベルを3分の1に低減しています。これにより、既存の8ビット分解能オシロスコープではノイズに埋もれて測定できなかった信号も観測できるようになります。
近年の電流測定において、大きく二つの問題があります。一つ目は微小電流測定ニーズで、プローブ・システムによる測定ノイズや分解能が正確な測定の障害となります。二つ目は、電流プロファイル全体像を観測できる広いダイナミックレンジで、これら相反する二つの特徴の両方を併せ持つ電流測定の革新が求められてきました。一つ目の課題について当社では、微小電流の観測・解析に適した低ノイズ・プローブを新たに開発しました。今回発表の「Agilent N2820A/N2821A AC/DC電流プローブ」は業界最高の感度を実現しています。50 μA(マイクロアンペア)~5 A(アンペア)の電流範囲に対応しています。今回発表のオシロスコープにこのプローブを用いることで、業界で最も高感度な電流測定が可能となります。高感度測定は、バッテリ駆動デバイスや組み込み回路の微小消費電流測定に最適です。
製品が多機能化するにつれ、各コンポーネントもさらに高いエネルギー効率が求められます。モバイル製品やエコ製品の普及により、デバイス自体の低電力化と併せ、パワーセーブ・モードによる総合的な省電力化が行われており、微小電流測定と同時に全体像を観測できる高ダイナミックレンジ測定の測定ニーズが高まっています。二つ目の課題について今回発表の9000Hシリーズ オシロスコープとN2820A 2チャンネル・電流プローブの組み合わせでは、微小電流測定チャネルと併せて、数A単位で変動する電流プロファイル全体像との2チャンネル同時観測を行い、より高精度な消費電流測定が可能となります。現在の厳しい電流測定ニーズに対応する高ダイナミックレンジ、高感度測定に特に適しています。
電源回路におけるプロービングの難しさも問題でした。N2820Aは、MBB(Make-before-break)コネクタを採用しています。コネクタの機械的機構により、測定対象基板上の複数の電源ジャンパ箇所において、電源を遮断させることなく、簡単かつ信頼性高く接続、取り外しが可能です。
当社のオシロスコープ製品事業部担当バイスプレジデント兼ジェネラルマネージャのジェイ・アレキサンダ(Jay Alexander)は次のように語っています。
「消費電力を測定されているお客様に、手頃なコストで正確な消費電流測定を実行できる包括的なソリューションをご提供できるようになりました。9000Hシリーズ オシロスコープ、およびN2820A/N2821A電流プローブにより、低ノイズ・高感度測定を実現しています。エネルギー効率の高い製品を開発されているお客様に、高確度な測定環境をご提供いたします。」
9000Hシリーズは、標準で1チャンネルあたり最大100 Mptsのメモリを提供しています。標準メモリとしては業界で最も大容量となっています。メモリは1チャンネルあたり500 Mptsまで増設可能です。これにより、長時間の波形捕捉や高速サンプリングレートの維持などが可能です。
販売価格 等
■ 9000Hシリーズ 12bitオシロスコープ
*販売価格(発表日時点での税抜き参考価格です):
*販売・出荷開始日 : 2013年1月9日
■ N2820Aシリーズ 電流プローブ
*販売価格(発表日時点での税抜き参考価格です) :
型番 |
概要 |
価格 |
N2820A | 高感度2チャンネル 電流プローブ | 約55万円 |
N2821A | 高感度1チャンネル 電流プローブ | 約40万円 |
*販売・出荷開始日: 2013年2月1日
※N2820Aシリーズは、9000Hシリーズのほか、Infiniium 9000A、InfiniiVision 3000 X/4000 Xシリーズでも使用可
「Agilent 9000Hシリーズ 9000Hシリーズ 12bitオシロスコープ」についての詳細は、以下のウェブサイトでご覧いただけます。
http://www.agilent.co.jp/find/9000H
「Agilent N2820A/N2821A 電流プローブ」についての詳細は、以下のウェブサイトでご覧いただけます。
http://www.agilent.co.jp/find/N2820A
製品写真は以下のウェブサイトからダウンロードいただけます。
http://www.agilent.com/find/9000H_images
アジレント・テクノロジーについて
アジレント・テクノロジー(NYSE:A)は、化学分析、ライフサイエンス、診断、エレクトロニクス、コミュニケーション市場における世界のプレミア・メジャメント・カンパニーであり、またテクノロジー・リーダーでもあります。20,500名の従業員を擁し、100カ国以上でビジネスを展開しています。アジレントは、2012年10月期、69億ドルの売上高を達成しました。アジレント・テクノロジーの情報は、以下のウェブサイトでご覧ください。
http://www.agilent.co.jp
※このプレスリリース中の「アジレント・テクノロジー」、「アジレント」、「当社」は、文脈により、「アジレント・テクノロジーズ・インク」、その日本法人や各国の法人、グループ全体を指すことがあります。
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