ニュース

VALOX™樹脂製 外板部品がGM社に採用、イノベーション・アワード受賞【SABIC】

2012年12月21日

SABICのVALOX™樹脂がゼネラル・モータース社のシボレーカマロZL1スポーツカー2012年モデルに採用され、
米SPE®のオートモーティブ・イノベーション・アワード、パフォーマンス&カスタマイズ部門の受賞に貢献


SABICのイノベーティブプラスチックス事業は、同社のVALOX™樹脂がゼネラル・モータース社(以下GM)のウォーターデフレクター一体型エアエクストラクタに採用され、第42回米国プラスチック技術者協会(SPE®)のオートモーティブ・イノベーション・アワードにおいてパフォーマンス&カスタマイズ(アフターマーケット)部門を受賞したことを明らかにした。このたびGMが受賞したアプリケーションは、シボレーカマロZL1スポーツカー2012年モデルのボンネット上に取り付けられた炭素繊維コンポジット製のエアエクストラクタである。この独自の炭素繊維プリプレグコンポジット部品は、ロアグリルから取り入れた空気をボンネット上へ送ることにより、エンジンを冷却し、その冷却効率を高めると共に走行時の空気の流れを整え、車体を安定させる。この部品はウォーターデフレクターを統合した一体構造となっており、エンジン周りの過酷な環境下において優れた機械性能と耐熱性が必要とされるため、SABICのVALOX樹脂が用いられている。この用途におけるVALOX樹脂の採用は、GMが炭素繊維プリプレグの採用を可能にしたことに加え、価値ある最上級の自動車ソリューションをお客様と業界に対して提供し続けているSABICの実績と取り組みを証明するものである。

イノベーティブプラスチックス事業の自動車部門マーケティング部長のV. ウママヘシュワランは「私どもはGMがこの業界で一目置かれる賞を獲得する支援ができたことを喜んでおります。今日の自動車メーカーは非常に高い要求への対応を求めており、特に進化し続けるエンジン周りのスペースにおいて顕著です。このたび受賞したウォーターデフレクター一体型のエアエクストラクタは、高い性能と優れた耐熱性を実現すると同時に、一体型の炭素繊維ソリューションでは設計上の制約があるため不可能だったスタイリングを実現することもできました。SABICのVALOX樹脂で成形されたこの部品は、業界が求めるユニークな熱可塑性樹脂ソリューションがもつ当社の高い対応力を物語るものです。当社はお客様との共同作業により、これからますます複雑になるアプリケーションへのお客様の挑戦を支援し続けていきたいと考えています。」とコメントする。

SABICは、GMおよびシステムサプライヤーであるトランスグローバル社と共に、材料選択のサポートやコンピュータ解析などを行うと共に、金型の設計や検証支援までを提供することでウォーターデフレクターの開発をサポートした。

VALOX樹脂デフレクターは高耐熱性と美しい外観を実現

カマロZL1のエアエクストラクタは炭素繊維コンポジットで成形され、軽量でありながら最高レベルの剛性と強度を実現している。

このエアエクストラクタは接着によって2つの部品を接合し一体型のデザインにしている。これらの2部品は、ポリアミド製ベントスクリーンとSABICの高性能熱可塑性ポリエステルであるVALOX樹脂で成形したウォーターデフレクターである。接着により接合することで、炭素繊維コンポジットパネルをアルミ製のエンジンフードから絶縁し、電解腐食を防ぐことができる。

VALOX樹脂は優れた耐熱性を発揮することから、ウォーターデフレクターに長期耐久性を付与することができる。エンジンコンパートメントへの水の侵入を防ぐためにデザインされたこの部品は、エンジンからの高熱に耐える必要がある。これは、デフレクターがボンネット裏側のエンジン近くに位置していることを考えると特に重要である。この用途に選択されたVALOX樹脂は最高216°C(420°F)の耐熱性要求に合致しており、加えて耐薬品性、寸法安定性、耐衝撃性の優れたバランスを備えている。

この用途における他のVALOX樹脂の主なメリットは材料の高い質感と表面外観であり、高性能スポーツカーに対して消費者が求める、高級感と魅力的な外観を備えたデフレクターを実現する。またこの部品は原材料着色成形されているため、外観をより美しくする一方で、塗装工程でのコストや揮発分の排出を削減できる。

VALOX樹脂製品群は、ポリブチレンテレフタレート(PBT)またはポリエチレンテレフタレート(PET)を基材としており、世界中に供給されている。

2009年以来、SABICの材料を採用した9種の革新的な自動車向け樹脂パーツが、SPEオートモーティブ・イノベーション・アワードを受賞している。またそれとは別に、同社材料を使用した11のアプリケーションが同期間中に最終候補に選出された。

SABICの自動車業界向け樹脂についての追加情報は、次のサイトからご覧ください。
www.sabic-ip.com
技術関連のお問い合わせに関しては、次のサイトからご連絡ください。
www.sabic-ip.com/prtechinquiry


SABICについて

SABIC(Saudi Basic Industries Corporation)は世界トップの石油化学企業の1つ。ポリエチレン、ポリプロピレン、および他の高機能樹脂、グリコール、メタノール、ならびに肥料のメーカーとして世界のマーケットをリードする企業の1つである。

2011年のSABICの純利益はSR292.4億(78億米ドル)を記録し、同年総売上高はSR1,899億(506.4億米ドル)、2011年末時点の総資産はSR3,327.8億(887.4億米ドル)である。

SABICは、基礎化学品、ポリマー、高機能化学品、肥料、金属、イノベーティブプラスチックス事業を展開し、研究施設としてサウジアラビア、米国、オランダ、スペイン、インド、および韓国に17の充実した専門のテクノロジー&イノベーションセンターを配置している。SABICは世界40か国以上で展開、全世界でおよそ4万人の従業員を雇用している。

SABICはサウジアラビア、アメリカ大陸、ヨーロッパおよびアジア太平洋地区を拠点に生産活動を行っている。

リヤドに本拠地を置くSABICは、1976年にサウジアラビア政府が石油産出に伴って発生する炭化水素ガスを化学物質、ポリマー、肥料生産の主要原料にすることを決定した際に設立された。サウジアラビア政府はSABIC株の70%を所有し、残りの30%はサウジアラビアの個人投資家および他の湾岸協力会議(Gulf Cooperation Council)諸国が保有している。

SABICのイノベーティブプラスチックス事業について

SABICのイノベーティブプラスチックス事業は、80年の操業実績を持つエンジニアリングプラスチックの大手グローバルサプライヤーで、お客様の緊急な課題を解決する画期的なソリューションを提供している。現在、同社の売上は数十億ドルに上り、世界35か国で約9000人の従業員を雇用している。SABICのイノベーティブプラスチックス事業は、お客様とのコラボレーションや新しいポリマー技術、グローバルアプリケーション開発、加工技術、および環境に配慮したソリューションへの継続的な投資により、自動車、エレクトロニクス、建築/建設、輸送、医療などの幅広い市場をターゲットに、今後もプラスチック業界のリーダーであり続ける。同社の幅広い製品ポートフォリオには、熱可塑性樹脂、コーティング、特殊コンパウンド、フィルム、シートなどがある。SABICのイノベーティブプラスチックス事業(www.sabic-ip.com)は、Saudi Basic Industries Corporation(SABIC)の完全子会社である。



SABICイノベーティブプラスチックスホームページはこちら

キーワードをクリックして関連ニュースを検索

#SABICイノベーティブプラスチックス
#材料
#熱可塑性
#2012年12月21日