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自動車用「新興国市場向け円すいころ軸受」を開発【日本精工】

2012年12月27日

~現地調達、現地生産により新興国に最適な製品~

日本精工㈱(本社:東京都品川区、代表者:取締役 代表執行役社長 大塚 紀男、以下NSK)は、拡大が続く中国などの新興国での現地生産を可能にした、自動車用「新興国市場向け円すいころ軸受」を開発しました。

NSKは、本製品の拡販を図り、売上として2015年にグローバルで30億円/年を目指します。

開発の背景

自動車変速機用円すいころ軸受は、軌道面を高精度に加工することが難しいため、従来は主に日本で生産されており、海外では日本から部品や材料を輸出して生産していました。

昨今、中国などのアジア市場において、自動車生産が拡大しており、これに伴い、トランスミッションメーカーの海外進出が加速しております。NSKとしては、円すいころ軸受の新たな一大需要地である新興国において、材料・部品調達を含めた現地生産を行い、高品質な製品を供給することが課題となっていました。

製品の特長

1. 現地製の鋼材の改良
軸受鋼中には、製鋼の過程で発生する非金属元素が酸素と結合した異物が存在しています。なかでも現地製の鋼材には、異物が多く存在するため、軸受の寿命に悪影響を及ぼしていました。NSKは独自の材料技術を盛り込み、製鋼メーカーと協力し、鋼中酸素量を低減させました。この結果、軸受鋼中の異物の含有量を日本製の鋼材と同等にし、日本製と同等の寿命や強度を実現しました。

2. 現地製のころ・保持器の活用
現地製のころは、転動面の形状の精度が安定していないため、転動面の一部の箇所に荷重が集中し、寿命が短くなることがありました。また、ころ端部の形状の精度が安定していないため、摩擦トルクの増大や早期焼付きも発生していました。そこでNSKは現地サプライヤーに加工技術を指導し、品質管理を徹底させることで、転動面と端部形状の精度を改善しました。この結果、日本製のころと同等の寿命、摩擦損失、耐焼付き性を実現しました。また、現地製の保持器についても機能評価を行い、日本製と同等の品質を確認しております。

製品の効果

新興国向け高品質製品のコスト競争力の向上
高品質を要求される自動車変速機向けに、現地の材料を採用した高品質でコスト競争力を高めた円すいころ軸受を開発しました。NSKは今後も、新興国市場への拡販を進めます。


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