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ボッシュが商用車の燃費を向上【ボッシュ】

2012年11月30日

経済的な走行を実現するEco.Logic motion
燃費とCO2排出量を低減

・ 前方ルートのプロファイルを走行ストラテジーに統合
・ 不要なギアチェンジを回避
・ 保管車両全体の経費を節減
・ ボッシュとメルセデス・ベンツが共同プロジェクトに着手
・ 2012年夏後半から量産を開始

商用車の世界では、環境への負荷の軽減だけでなく、運用コストの低減も両立する新たな方法が求められています。そこで、ボッシュの新しいアシスタンスシステム「Eco.Logic motion」は商用車の燃費の最適化を目指しました。このシステムで特に重点が置かれているのは、道路勾配やカーブの曲率などを含めた詳細なナビゲーションデータを活用し、エンジンとトランスミッションの制御システムを最適化することです。洗練されたアルゴリズムで、燃費とCO2排出量の両方を確実に低減します。

より経済的な走行を実現する予測センサー

ボッシュのカー・マルチメディア事業部の開発エンジニアは、専用のハードウェアを考案し、オペレーティングソフトウェアとアプリケーションソフトウェアを厳密に分けたため、燃費とCO2排出量を低減するための商用車メーカー固有のアルゴリズムを取り入れることができます。こうして、Eco.Logic motionは走行ストラテジーを最適化するための予測センサーとして機能します。

ボッシュは、メルセデス・ベンツ・トラックス社と共同で、この新しいシステムを用いた最初の量産プロジェクトを成し遂げました。2012年夏後半には、共同開発による「予測パワートレイン制御」システムのアクトロスへの導入が予定されています。このシステムのために、ボッシュはハードウェア、ソフトウェアプラットフォームとエレクトロニックホライズンを提供し、メルセデス・ベンツは該当するアプリケーションソフトウェアを開発しました。

ダイナミックエレクトロニックホライズンの生成

Eco.Logic motionは、道路勾配やカーブに関する情報も含んだデジタルマップに基づいて、車外環境の三次元イメージを生成します。GPS(Global Positioning System:全地球測位システム)から取得した車両位置に関する正確なデータから生成されるこのイメージは、「エレクトロニックホライズン」と呼ばれる、車両周辺のプレビューの計算に使用されます。これは、レーダーやビデオセンサーのような近接センサーテクノロジーよりもはるかに優れています。

環境に優しい走行ストラテジーの算出

アプリケーションソフトウェアは、ダイナミックエレクトロニックホライズンと現在の車両パラメーターから得られた情報をベースに、環境に優しい走行ストラテジーをシミュレートします。そのために、これから走行するルートに適した車速とギアが算出されます。この情報は現在のパラメーターとの比較後に車両のパワートレインに送られ、エンジンとトランスミッションのコントロールユニットはこの情報に従い、最適なタイミングで加速したり、坂道に差しかかる前で不必要なギアチェンジを回避できるようになります。

平均燃費を3%向上

ボッシュが実際の道路を走行して徹底的に調査したところ、驚くべき可能性が明らかになりました。それは、ドイツのアウトバーンと高速道路でEco.Logic motionを用いれば、ルートの地形によっては平均燃費を3%も向上できるというものです。これに伴い、CO2排出量も大幅に低減できます。年間走行距離が長い40tトラックの場合、昨今の高騰する燃料価格を考慮すれば、わずか1%の燃費削減が年間でおよそ650ユーロのコスト削減につながります。

ボッシュの開発したこのシステムは、こうした燃料コストと汚染物質排出量の低減を通じて、重要なメリットをもたらします。個々の車両についてはもちろん、保管車両全体についても早期に採算がとれ、資源保護にも寄与します。さらに、ボッシュのエンジニアはこのハードウェアプラットフォームとシステムソフトウェアを、ハイブリッドやバッテリー、サーマルマネジメントといった他の分野に応用しようとしています。このように特定のニーズに合わせて設計されたインテリジェントなシステムにより、商用車は今後、よりクリーンで経済的になっていきます。

ボッシュ・グループ概要 The Bosch Group at a Glance

ボッシュ・グループは、グローバル規模で革新のテクノロジーとサービスを提供するリーディング・カンパニーです。2011年度は、自動車機器テクノロジー、産業機器テクノロジー、消費財そして建築関連テクノロジーのセクターにおいての従業員数は30万人以上で、売上高は約515億ユーロです。ボッシュ・グループは、ロバート・ボッシュGmbHおよびその 子会社 350社超と、世界の約60カ国にあるドイツ国外の現地法人で構成されています。販売、サービス代理店のネットワークを加えると、ボッシュは世界の約 150カ国で事業展開しています。この開発、製造、販売、サービスのグローバル・ネットワークが、私たちのさらなる成長の基盤です。ボッシュは2011年、研究 開発費として42億ユーロを投資し、全世界で4,100件以上もの国際特許の基礎特許(第一国出願)を出願しています。ボッシュはすべての製品とサービスにおいて革新的で有益なソリューションを提供することによって、人々の生活の質(Quality of Life)を向上させ、循環型の持続的環境社会(Sustainable society)の創出に寄与していきます。

ボッシュの起源は、1886 年に創業者ロバート・ボッシュ (1861~1942)がシュトゥットガルトに設立した「精密機械と電気技術作業場」に遡ります。ロバート・ボッシュGmbHの独自の株主構造は、ボッ シュ・グループの財務上の独立性と企業としての自立性を保証するものです。「株主(利益配当)」と「経営(議決権)」が完全に分離した、この企業形態に よって、ボッシュは長期的な視野に立った経営を行い、将来の成長を確保する重要な先行投資を積極的に行うことができるのです。ロバート・ボッシュGmbHの株式の大半は非営利組織である公益法人「ロバート・ボッシュ財団」(持株比率92%、議決権なし)が保有しています。議決権 の大半は、株主の事業機能実行機関である共同経営者会「ロバート・ボッシュ工業信託合資会社」(議決権 93%)が保有しています。残りの株式と議決権は創業家であるボッシュ家(持株比率 7%、議決権 7%)とロバート・ボッシュGmbH(持株比率1%、議決権なし)が保有しています。

さらに詳しい情報は
www.bosch.com ボッシュ・グローバル・ウェブサイト(英文)
www.bosch-press.com ボッシュ・メディア・サービス(英文)
を参照してください。


このプレスリリースは2012年8月6日に Robert Bosch GmbH より発行されました。原文をご覧ください。



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