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エアバス、関西エアポート、川崎重工、水素航空機の運用準備に向け連携を加速

2024年10月18日

  

エアバス、関西エアポート、川崎重工、水素航空機の運用準備に向け連携を加速

  

 エアバス(本社:仏トゥールーズ、最高経営責任者:ギヨム・フォーリ)、関西エアポート 株式会社(本社:大阪府泉佐野市、代表取締役社長 CEO:山谷 佳之、以下「関西エアポート」)、 川崎重工業株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長執行役員:橋本 康彦、以下「川崎 重工」)の 3 社は、日本において水素航空機の導入・運航を実現するために、関西エアポートが 運営する関西地域の 3 空港(関西国際空港、大阪国際空港、神戸空港)での水素インフラ整備の フィージビリティ・スタディ(実現可能性調査)を実施する覚書を締結しました。本覚書締結 により、今後 3 社は、「Hydrogen Hub at Airports」プログラム*の一環として、水素航空機 の導入・運航を実現するための初期的なフィージビリティ・スタディを行い、3 空港における航空 機への水素供給を具体化させるための連携を強化してまいります。

 3 社による新たな取り組みは、関西地域の 3 空港すべてにおける水素インフラの定義付けと 供給に関するロードマップを作成することに焦点を当てています。

 調査結果は、技術、経済性、法的適合性、運用の観点で評価し、 調査を通じて明らかになった 課題は、実証プロジェクトを立ち上げるなどして、より具体的に検証を行います。

 2022 年以来エアバスと関西エアポートは、空港における水素の利活用について協力してきま した。関西エアポートは、空港内での水素利活用に先駆的に取り組んでおり、特に空港内の 水素ステーションを中心とした燃料電池フォークリフトや燃料電池バスなどの運用については、 世界でもトップクラスの実績を誇っています。また、関西エアポートが運営する 3 空港は、それ ぞれ地理的な特徴や航空機の運用に関する特徴が異なるため、空港内に水素を供給する複数の ケースを検討することが可能です。

 またエアバスと川崎重工は、水素社会実現に向けたインフラの検討について 2022 年から協力 してきました。川崎重工は水素ソリューションにおいて世界を牽引する企業として、液化水素 のサプライチェーン構築の計画をいくつも提案しています。また、ハイドラントシステム(航空 機給油施設)の整備実績もあり、空港のインフラ整備に知見があります。

 これらの協力により空港における水素インフラに関する強固な理解が得られ、このたび 3 社に よる、より統合的なフィージビリティ・スタディの実施へと進展しました。3 社での連携により、 サプライチェーン、空港運営の両方の視点を取り込んだ、より実現性の高い検討が可能となり ます。

 これまでのエアバスによる、3 空港における液化水素の需要予測の調査で、水素航空機が導入 される初期段階では 1 日あたり数トンの液化水素が必要で、2050 年頃には 1 日あたり数百トン まで増加すると予測しています。また、関西やその他の地域では、様々な政策が打ち出される ことにより水素産業が発展しており、水素航空機にとって有望な市場であると予測しています。

  

各社コメント

エアバス ZEROe エコ・システム責任者 カリーヌ・ゲナン:
「水素は脱炭素化の手段として世界的に注目されており、日本政府も 2050 年までにカーボン・ニュートラ ルの目標を達成するため水素をベースとしたエネルギー戦略を推進しています。実際、日本政府は水素 の製造から消費にいたるまでの具体的な開発計画を発表しています。エアバスの『Hydrogen Hubs at Airports』プログラムにおける日本企業とのパートナーシップにより、2035 年までに水素航空機の運航開 始を実現できるでしょう」

関西エアポート 専務執行役員 最高技術責任者 マチュー・ブティティ:
「関西エアポートグループは 2050 年までに温室効果ガスの排出量を実質ゼロとするビジョンを掲げ、水 素の利活用など環境への負荷を低減するための様々な施策に取り組んでいます。本提携は、空港分野 における水素利活用策の具体化だけでなく、航空分野における脱炭素化への貢献につながるもので、 大変うれしく思います。2022 年からのエアバスとの取り組みに続き、川崎重工とも連携し、空港における 水素利活用のモデルケースとなるべく取り組んでまいります」

川崎重工 執行役員・水素戦略本部本部長 山本 滋:
「川崎重工は、使用時に二酸化炭素を排出しないクリーンエネルギーである水素に早期から着目し、国 際的な液化水素サプライチェーンの構築に必要なあらゆる技術を開発してきました。3 社提携による今回 の取り組みは、二酸化炭素排出量削減が難しい航空業界で、水素による脱炭素ソリューション実現への 一歩になると信じています。本覚書の締結を通じ、水素航空機の運用に向けた準備を加速していきます」

  

これらの知見を持つ、エアバス、関西エアポート、川崎重工の 3 社での、本連携に関する覚書により、 将来の水素航空機の運航が可能となる社会の実現を目指してまいります。

将来の航空機の動力に水素を利用することで、航空機からの排出ガスを大幅に削減できるだけでなく、 地上における関連活動の脱炭素化にも貢献します。エアバスは 2020 年、水素を動力源とする世界初の 民間旅客機「ZEROe」を 2035 年に就航させることを発表しました。現在、必要な技術開発が世界中の研 究開発ネットワークを通じて進行中です。

*エアバスは、低炭素化を実現する空港運営に関する研究を促進するため、空港インフラの調査を行う 「Hydrogen Hub at Airports」プログラムを立ち上げました。現在までに、日本、フランス、ドイツ、イタリア、 アメリカ、カナダ、ニュージーランド、ノルウェー、シンガポール、韓国、スペイン、オーストラリア、スウェー デン、イギリスを含む 14 カ国のパートナーや空港との合意が発表されています。

  

  

  

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