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高リップル耐性・高実効容量を実現! 金属端子付き積層セラミックコンデンサの量産開始について【村田製作所】
2012年11月20日
要旨
㈱村田製作所は、高リップル耐性・高実効容量の金属端子付き積層セラミックコンデンサの量産を開始しました。
一般用のKR3シリーズと自動車用のKC3シリーズを取り揃えています。KR3シリーズはJIS規格に準拠しており、熱ストレスや振動・衝撃がかかるような民生・産業電子機器などに最適です。KC3シリーズは車載電子部品規格のAEC-Q200に準拠しており、エンジンやECU、駆動系制御、セーフティ機器などに最適です。
背景・詳細
近年の地球環境問題・エネルギー問題への関心の高まりから、自動車市場において、ハイブリッド電気自動車 (HEV) 、電気自動車 (EV) の実用化が推進されています。こうした自動車向けの電子部品には耐熱性が要求されるため、高温に強いコンデンサが必要とされています。そこで、新しいセラミック材料を開発することによって、高リップル耐性 (自己発熱が少ない) の積層セラミックコンデンサを開発しました。
また、平滑用途として使用されている電解コンデンサやフィルムコンデンサの置き換えとして、より小型・長寿命のセラミックコンデンサにおいて、高い静電容量を実現することが求められています。そのため、新材料を使用することによって、DCバイアス印加時 (使用時) に静電容量が低下する性質を抑え、高実効容量を確保しました。
さらに、熱ストレスや振動・機械的衝撃によってコンデンサの素体および実装はんだにクラックが入る可能性があるため、そのような条件下で使用される自動車や一般電子機器、産業電子機器などでは、クラック対策が必要です。そのため、弾性作用を持つ金属端子を付けることにより、コンデンサ素体および実装はんだへの衝撃を軽減しました。
特徴
高リップル耐性を実現
損失が小さく許容電流容量が大きいため、電流を流した時のコンデンサの発熱 (自己発熱) を少なくできます。
例 : (下図右上のグラフ参照) 周波数f=250kHz時で、新材料品は約1.6倍の電流許容量があります。また、静電容量1µF品の場合、周波数f=250kHz時にて、発熱温度が20℃となる時の電流許容量は従来材料商品で2.9Armsですが、新材料は4.7Armsです。
高実効容量を実現
DCバイアス印加時の静電容量の低下が小さく、高い実効容量値を確保できます。
例 : DC250V印加時で約2倍の静電容量が確保できています。
用途
一般用 (KR3シリーズ)
1. LED照明のEMI除去、平滑用
2. スイッチング電源、ACアダプタのPFC (力率改善) 回路用
3. 一般電子機器のDC-DCコンバータ用
自動車用 (KC3シリーズ)
1. エンジンECU等の駆動系制御用
2. その他駆動系制御・セーフティ機器用
品番表
外形寸法図
生産体制
2012年9月より出雲村田製作所にて量産中
積層セラミックコンデンサについて
コンデンサとは、電気を蓄えたり放出したりする電子部品です。充放電を繰り返すことで電圧を安定させたり、ノイズの吸収や一定の周波数の信号を取り出す役割として幅広く使用されます。積層セラミックコンデンサ (MLCC) は、いまや電子機器に欠かせない部品です。たとえば、最新のスマートフォンに搭載されるMLCCは約500個といわれています。電子機器のなかで重要な役割を担うMLCCの市場において、当社は市場と技術の両方をリードするリーダー的な存在です。
当社のMLCC事業に関する動画もご覧ください。
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