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TenCateとBASF、自動車用途向け熱可塑性コンポジットで戦略的提携を合意【TenCate/BASFジャパン】

2012年11月1日

■ 市場での将来性が高い連続繊維強化型の熱可塑性コンポジット
■高い量産性が必要とされる自動車用途における新材料の開発を促進


TenCate Advanced Composites(テン・カーテ・アドバンスト・コンポジッツ、本社:オランダ 以下、 TenCate社)とBASF(本社:ドイツ)は、高い量産性が必要とされる自動車用途に適した熱可塑性コンポジットの開発、製造、商業化を協力して推進する戦略的提携に合意しました。

今回のパートナーシップは、 構造部材等に適用可能なコンポジットを自動車用途向けに提供することを主な目的としており、自動車の軽量化と二酸化炭素の排出削減の推進に貢献することが期待されます。自動車業界では、量産車向けのコンポジット材料へのニーズが高まっており、コンポジット材料の短期間での開発および製造プロセスの短縮化を進める必要があります。

TenCate社は、TenCate Cetex®の製品群で連続繊維強化型の熱可塑性コンポジットの市場をリードしてきました。この製品は、主に、エアバスA380やA350 、ボーイング787などの最新の 航空機の構造部材の一部やインテリアなどに利用されています。また化学業界のリーディングカンパニーであるBASFは、 自動車業界において長年に渡る知見とネットワークを持っており、BASFとTenCate社が自動車用途向けコンポジット材料の分野で協力することにより、今後必要となってくる開発を迅速に行えるようになります。

戦略的提携

今回の戦略的提携で、BASFは、熱可塑性樹脂の製造と組成等について蓄積してきた豊富なノウハウを提供し、本用途に適した Ultramid®(PA)(ウルトラミッド(PA))、Ultradur®(PBT)(ウルトラデュアー(PBT))、Ultrason®(PESU)(ウルトラゾーン(PESU))の開発 をします。これに対し、TenCate社は、コンポジット材料の製造に関する知識を提供し、両社が協力することにより、スペシャリティプラスチックを用いた自動車用コンポジット材料(UDテープ、プレプレグ、ラミネート)の開発をします。

BASFのエンジニアリングプラスチック 欧州ビジネスユニットを統括するメラニー・マース ブルンナーは、次のように述べています。「自動車の軽量化をこれまで以上に推進するためには、加工コストを大幅に引き下げる必要性があります。連続繊維強化型の熱可塑性コンポジット材料を使用することで、それを実現できる可能性があると考えています。ただし、コンポジット材料を使って軽量化および量産性を実現するためには、今後、更なる進歩が必要になってきます。BASFでは、TenCate社と協力し、これを実現したいと考えています。」

TenCate Advanced Composites EMEAのグループディレクター、フランク・ムールス氏は、次のように述べています。「TenCate Cetex®のラミネートとプレプレグは、以前から、商用航空機の製造に利用されており、最近では、産業用途での活用も広がってきています。TenCate社としては、今後、自動車業界での用途拡大を目指しており、今回の提携成立により、自動車業界の量産性の要求に適した新材料を短期間で開発できるようになるものと思います。」

熱可塑性コンポジット材料の強み

コンポジット材料を使用する事により、金属部品と比べて30%~50%の軽量化が可能となります。熱可塑性コンポジット材料を採用すれば、自動車の燃料消費を低減するとともに、コストを削減することを可能にします。熱可塑性樹脂は加工が容易なため、サイクルタイムを大幅に削減できるほか、シェルフライフに制限もなく、リサイクル可能であるため、大量生産に適しています。コンポジットを複雑な構造部材と一体化する技術についても、またこのような構造部材を、多材料で構成される最終製品に組み込む技術についても、これまでに多くのノウハウが蓄積されてきました。今後目標となる用途は、構造部材のほか、自動車のボディーやシャーシに適用される一次構造部材です。

連続繊維で強化した熱可塑性ラミネートは、クロスあるいはノンクロスの強化用繊維に樹脂を含浸させてシート状に成形したもので、非常に軽量かつ非常に高い強度を持ちます。別のタイプとして、単一方向に繊維をそろえ、異方性を持たせたUDテープもあります。これらの半製品を次の工程で複雑な形状に成形し、その後、射出成形を行います。この組み合わせにより、さまざまな機能が統合された部品を製造する事が可能となります。


TenCate Advanced Composites社は、さまざまな業界で使用される熱可塑性および熱硬化性のプレプレグ複合材料について、開発および製造の世界有数の企業です。その製品は、自動車業界の各種製品のほか、医療機器など、多くの用途に採用されています。 TenCate Advanced Compositesは、生産および営業拠点を北米、欧州、アジアに展開しています。

Royal Ten Cate(TenCate)社 は、繊維技術と化学プロセスおよび材料技術を組み合わせ、機能性材料を開発・製造する多国籍企業です。TenCate社の製品は世界各地で販売されています。販売するシステムと材料の用途は、安全性・保護、航空宇宙、インフラストラクチャー・環境、スポーツ・レクリエーションと大きく4つの分野に分けることができます。TenCate社は、保護繊維、航空宇宙用複合材料、対弾道弾、ジオシンセティックス、人工芝などの分野をリードしています。株式は、NYSE Euronext (AMX)に公開しています。

BASF(ビーエーエスエフ) は世界をリードする化学会社「The Chemical Company」です。製品ラインは、化学品、プラスチック製品、高機能製品、農業関連製品、石油・ガスと多岐にわたっています。 BASFは、経済的な成功、社会的責任、そして環境保護を同時に実現しています。また、 BASFは科学とイノベーションを通して現代社会や将来のニーズを提示しながら、あらゆる産業のお客様を支援しています。 BASFの製品とシステムソリューションは、資源の確保に貢献し、健康的で栄養価の高い食品を提供するとともに、生活の質の向上に寄与しています。 BASFはこれらの活動を企業目標として「私たちは持続可能な将来のために、化学でいい関係をつくります」を掲げています。 2011年の売上は約735億ユーロで、従業員数は約11万1,000人です。BASFの詳しい情報は、www.basf.com(英語)、newsroom.basf.com(英語)、www.japan.basf.com(日本語)をご覧ください。



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