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ドイツTK Industries社の買収について【三菱レイヨン】

2012年11月14日

三菱レイヨン㈱(本社:東京都千代田区、社長:越智  仁、以下「当社」)は、このたび欧州市場における炭素繊維複合材料事業の発展拡大を図るため、ドイツの炭素繊維ファブリック開発製造会社であるTK Industries GmbH(概要を文末に記載、以下「TK社」)の全株式を取得し、10月31日付けで当社の100%子会社と致しました。今後、当社は高性能ラージトウをTK 社の多軸ファブリックに適用し、自動車用途をはじめ一般産業用途の成形加工に最適な中間基材の開発を加速します。

TK社は2008年の創業で、特にラージトウを用いた炭素繊維多軸ファブリックの設計、開発に優れた技術、ノウハウを有しており、自動車用途、一般産業用途の顧客より高い評価を受けています。両社は、昨年7月に稼動を開始した当社大竹事業所炭素繊維工場(2,700トン/年)から供給される高性能ラージトウを採用した多軸ファブリックの開発を共同で進めて参りました。

ドイツを中心とする欧州自動車市場では、炭素繊維強化樹脂(CFRP)を車体構造材に使用した電気自動車BMW i3が来秋に販売開始されるなど、CFRP部品を本格的に採用する動きが加速しており、中規模量産に適したRTM工法は、自動車用CFRP成形技術として主流になることが見込まれます。さらに、風車の高発電効率翼への交換需要の増大、北海での大型オフショア風車建設など、再生可能エネルギー分野での炭素繊維複合材料需要が益々増加する中、大物造形に適したRTM工法は一般産業用途でも重要性を増しています。

これまで当社は、高性能ラージトウやハイサイクルプレス成形(PCM工法)用プリプレグ材料の開発・製品化をすすめてきましたが、今回RTM工法の基材となる多軸ファブリックの開発に強みを持つTK社がグループに加わったことにより、大手自動車メーカーをはじめとするユーザーへの提案力を強化し、欧州における炭素繊維複合材料事業の拡大を目指します。

多軸ファブリック(Multi-axial Non Crimp fabric)について

カーボンなどの強化繊維を多方向(通常2軸であれば±45°)に多層積層(2から4層)し、ステッチ糸で目止めしたもの

TK Industriesについて

1. 正式社名 : TK Industries GmbH
2. 所在地 : ドイツ バイエルン州 ナイラ(Naila)市                                                    
3. 設立 : 2008年
4. 会社概要 : 炭素繊維製多軸ファブリックメーカー


掲載内容は発表日現在のものです。
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