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NXP、セントラル・ビークル・コントロールの リアルタイム・スーパーインテグレーションを実現する S32N55プロセッサを発表

2024年4月11日

  

NXP、セントラル・ビークル・コントロールの
リアルタイム・スーパーインテグレーションを実現する S32N55プロセッサを発表

  

車載用スーパーインテグレーション・プロセッサS32Nファミリの最初の製品は、ソフトウェア・デファインド・ビークル(SDV)における安全なリアルタイム・セントラル・ビークル・コントロールを実現します。

  

NXP Semiconductorsは新しい車載用スーパーインテグレーション・プロセッサS32Nファミリ の最初の製品S32N55プロセッサを発表しました。最近発表した S32 CoreRideセントラル・コンピューティング・ソリューションの中核として、S32N55プロセッサは安全なリアルタイム処理とアプリケーション処理をスケーラブルに組み合わせており、自動車メーカーの多様なセントラル・コンピューティング・ニーズに対応します。 S32N55プロセッサは最高レベルの機能安全をサポートする高性能で決定論的な演算が求められる、安全なリアルタイム・セントラル・ビークル・コントロールを特長としています。ソフトウェアで定義され、ハードウェアで強制的にアイソレーションすることにより、さまざまな重要度を持つ車両機能を数十個ホストし、機能間の干渉を防ぐことができます。

これまで、自動車の駆動、ビークル・ダイナミクス、シャーシ制御、ボディとその他の主要機能は個別の電子制御ユニット(ECU)としてそれぞれ別のマイクロコントローラーと配線を用いて実装されてきました。S32N55プロセッサの登場により、車両機能は複数のアイソレーションされた実行環境で安全に統合されるため、SDV統合における障壁が解消されます。

この「スーパーインテグレーション」により、自動車メーカーはECUハードウェアのコストを大幅に削減できます。材料が削減されて軽量化するため、持続可能性と走行距離の面でもメリットがあります。最終的にECUの数が減り、配線も大幅に減るため、自動車メーカーにとって製造の複雑さと時間の軽減につながります。

S32N55は「core-to-pin(コアから端子まで)」のハードウェアアイソレーション技術と仮想化技術を搭載しているため、リソースを動的に分割し、車両機能のニーズの変化に合わせて最適な方法で使用することができます。ハードウェアで車両機能を強制的にアイソレーションできるため、自動車メーカーはECUの安全な統合、ソフトウェア開発の合理化、ライフタイム延長とアップグレードのサポートが可能になります。車両機能は故障処理やリセットなどを含め、個別に管理できます。車両機能はS32N55の安全できめ細かなOTA(Over-the-Air)アップグレード機能により、個別にソフトウェア・アップデートを適用できます。これはSDVの機能強化を継続する上で欠かせません。

NXPの上席副社長 兼 車載プロセッサ担当ゼネラル・マネージャーのRay Cornynは次のようにコメントしています。「S32N55プロセッサは新しいS32 CoreRideプラットフォームにおけるリアルタイム車両制御の頭脳として中心的な役割を担っています。追随を許さないリアルタイム性能、クリティカルなハードウェア強制アイソレーション機能、車載ネットワーキング機能という強力な組み合わせにより、少ない機器で多くの機能を提供すると同時に、コスト削減と自動車の改善や将来への対応に役立つアップグレードを実現します。」

車載グレードのS32N55プロセッサはリアルタイム演算用に1.2GHzで動作するスプリット・ロック方式のArm® Cortex®-R52プロセッサ・コアを16個搭載しています。このコアはスプリット・モードまたはロックステップ・モードで動作させることができ、ISO 26262 ASIL Dまでの機能安全レベルをサポートします。また、補助としてロックステップ方式のCortex-M7コアが2個搭載されており、システムと通信の管理をサポートします。密結合の統合メモリと48MBのシステムSRAMが搭載されており、低レイテンシのアクセスで高速実行が可能です。ハードウェア・セキュリティ・エンジンはファイアウォールで保護されており、セキュア・ブート、セキュリティ・サービス、鍵管理における信頼の基点(Root of Trust)を提供します。

メモリはLPDDR4X/5/5X DRAM、LPDDR4Xフラッシュ、NAND/NORフラッシュ・インターフェースで拡張可能です。機能安全とセキュリティ要件は、メモリのエラー修正とインライン暗号化でサポートされています。

統合されたTSN(Time-Sensitive Networking)2.5Gbit/sイーサネット・スイッチ、24個のCAN FDバスを効率的に内部ルーティングするCANハブ、4個のCAN XLインターフェース、PCI Express Gen 4インターフェースも搭載しており、配線とシステム・コストの削減に役立ちます。

S32N55はS32 CoreRideプラットフォームのセントラル・ビークル・コントロール・ソリューションとして、NXPのシステム・パワー・マネジメント製品や車両ネットワーキング製品を補完しながらお客様の設計を加速します。ASIL D機能安全をサポートするために共同設計したFS04安全システム電源管理ICはプラットフォーム設計用のスケーラブルな PF53コア電源と組み合わせることで、高効率の電力変換、低電力モードのサポート、電源シーケンス処理を実現します。

S32N55プロセッサ、および開発環境の提供
S32N55は主要なお客様向けにサンプル供給中です。NXPと、S32 CoreRideソフトウェアのパートナー・エコシステムを含む強力なパートナー・エコシステムにより、お客様の設計を迅速化する包括的なボード、イネーブルメント・ソフトウェア、ツール、システム・サポートを提供されています。

詳細については S32N車載用スーパーインテグレーション・プロセッサをご覧ください。

  

NXP Semiconductorsについて
NXP Semiconductors N.V.(NASDAQ: NXPI)には、より良く、安全・安心なコネクテッド・ワールドを実現する画期的なテクノロジを生み出すために優秀な頭脳を集結しています。組み込みアプリケーション向けのセキュアなコネクティビティ・ソリューションで世界をリードするNXPは、オートモーティブ、インダストリアル& IoT、モバイル、通信インフラの各市場で新たな可能性を拓く一方、より持続可能な未来を実現するソリューションを提供しています。60年以上にわたって蓄積した経験と技術を活かし、NXPは世界30か国強で約3万4,200名の従業員を擁しています。2023年の売上高は132億8,000万米ドルでした。詳細はWebサイト www.nxp.comをご覧ください。

NXPジャパンはNXP Semiconductorsが開発および製造するプロセッシング・ソリューション、認証技術、コネクティビティ、高出力RFやアナログ製品などを日本市場に提供しています。本社は東京都渋谷区で、名古屋および大阪に営業所があります。詳細はWebサイトwww.nxp.jp(日本語)をご覧ください。

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Tel: 070-3627-6472 rieko.sakai@nxp.com


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