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60歳代ユーザーの増加でシニア向け車両が活況を呈するキャンピングカー【日本RV協会】
2012年11月5日
60歳代ユーザーの増加でシニア向け車両が活況を呈するキャンピングカー
(ここ数年の「キャンピングカー白書」から見るユーザーニーズの変化)
団塊世代マーケットの拡大が、キャンピングカー市場にも広がりを見せる
『キャンピングカー白書2012』において、キャンピングカーユーザーを年齢構成別に調べてみると、団塊世代といわれる「60歳代」が34.3%を記録し、全世代中トップに立ちました。これは、2年前に調査したときより4ポイントアップ。4年前の調査時と比べると、なんと12.5ポイントアップしたことになります。
また、前回調査では3.2%にとどまっていた「70歳代」が今回は5.3%まで増え、40歳代から70歳代だけで全体の92.3%を占めるという、熟年世代のユーザー層が厚くなってきた状況が明らかになりました。(※添付資料 図表1)
実は、団塊世代によるマーケット拡大は、今から6~7年ほど前も熱い議論を呼びましたが、その後の長引く不況の影響や、従来60歳から年金が支給される制度の見直しもあって、多くの団塊世代が貯蓄傾向を強めたことなどにより、多くのシニアビジネスは思ったほどの伸び率を占めませんでした。
また、2006年に施行された「改正高年齢雇用安定法」の影響により、高齢者を定年退職させずに継続雇用する企業が増えたことなども、シニア世代の「余暇への投資」を控えることの一因となっていました。
しかし、この2012年からは、いよいよ団塊世代のファーストランナーが年金を受給できる65歳を迎えます。団塊世代の大量退職は、当初想定されていた2007年より後にずれ、2012年以降に本格的に始まるという見方が出てきました。実際に、団塊世代の退職者数は2007年から2011年までの5年間で134万人でしたが、2012年から2016年までの5年間では158万人へと増加すると予測されています。
2012年版の『キャンピングカー白書』において、60歳代のユーザー比率が伸びているのは、このような状況を背景にしているといってよいでしょう。
このような「退職」という生活の変化が消費行動に影響を与えることは、さまざまな調査によって明らかになっています。それらによると、退職後は「退職金」 という“臨時収入”があるため、比較的高額商品が消費されやすい傾向にあるといいます。
特に、「旅行」と「自動車の購入」が目立ち、2010年の総務省の調査においても、「世帯主の年齢階級別世帯当たり」のパック旅行への年間支出金額は60歳代が最も多く、特に男性の場合は、退職を機会に小型のハイブリッドカーや軽自動車を購入することが多いことを明らかにしています。
キャンピングカーは、必ずしもハイブリッドカーと軽自動車だけで構成されているわけではありませんが、そのような車両をベースとした車種も年々増えており、それ以外の車種においても、宿代のかからない旅を可能にするという意味で、きわめて「経済的なクルマ」といえます。
キャンピングカー市場に、シニアの参入が顕著になってきた背景には、まさに彼らの「旅行」と「経済的に運用できる自動車」への関心が、その両方を具現化する「キャンピングカー」という商品に収斂されたと見るべきでしょう。
シニア需要を反映して、軽自動車のキャンピングカーの出荷率も上昇
子育てを終えたシニアたちは「夫婦の2人旅」を好むとよくいわれますが、実際に、『キャンピングカー白書2012』においても、キャンピングカーの購入動機を調べたところ、「夫婦2人で旅行を楽しむため」と答えた人が50.0%を記録しました。これは4年前の調査よりも4.8ポイントアップしたことになります。(※添付資料 図表2)
また、実際に「キャンピングカー旅行の同行者」を尋ねた調査においても、「夫婦2人」という答が56.9%を占め、4年前の調査と比べると、8ポイントも上昇しました。(※添付資料 図表3)
このように、夫婦2人でキャンピングカー旅行を楽しむ場合は、必ずしも大型のキャンピングカーである必要がなく、道の狭い温泉街や混雑した観光地でも気楽に使える小型キャンピングカーに人気が集まる傾向も出てきます。そのような状況を反映して、軽自動車ベースのキャンピングカーの増加が目立っています。
2011年度の出荷台数を調査した『キャンピングカー白書2012』によると、軽キャンピングカーの出荷台数は855台を記録しました。これは国産キャンピングカー総出荷台数の中では22.4%ですが、その伸び率は著しく、特にバンコン型の軽キャンピングカーでは前年比181.0%増、「8ナンバー以外」の軽キャンピングカーでは25.4%増を達成しています。(※添付資料 図表4)
「8ナンバー以外」のキャンピングカーも増加傾向
また、「夫婦2人の気楽な旅」を楽しむ場合は、トイレや物品販売所、食堂なども完備した「道の駅」および、高速道路のサービスエリア(SA)やパーキングエリア(PA)で休憩を取る機会も増えるので、必ずしもトイレ・シャワー、キッチン機能を充実させたクルマである必要はなく、豊かなベッド機能があれば十分という判断も生まれます。
そのような傾向を反映して、簡易的なキャンピング装備を組み込みながら3ナンバー登録もしくは4ナンバー登録となる「8ナンバー以外」の車両も増えてきました。
この「8ナンバー以外」のキャンピングカーも、前年比において19.0%増を記録し、国産キャンピングカー全体の構成比では32.0%に達しました。(※添付資料 図表5)
しかしながら、一方において、比率としては少数ですが、1,000万円を超えるキャンピングカーが伸びているのも今回の白書で分かりました。
これらのキャンピングカーは豪華で大型の輸入車か、国産車であっても充実装備を満載した高級車が中心となります。昨年のデータを調べてみると、この1,000万円を超える高級車の占める比率が6.3%に達し、不景気といわれながらも、高額車両を購入する人が健在であることも示しています。(※添付資料 図表6)
これらの高額車両を買う層も熟年世代とみられ、シニア層のマーケットが多方面に広がりを見せていることが分かります。やはり、戦後の消費社会をリードしてきた団塊世代は商品に対する認識眼も鋭く、キャンピングカー選びにおいても、彼らが目的をしっかり見定めた賢明な選択を行っている様子が伝わってきます。
ペット同伴で旅行を楽しむ人たちに人気があるキャンピングカー
シニアユーザーのキャンピングカー旅行の特徴として、ペット同伴率が高いことも挙げられます。現在、ペット連れでキャンピングカー旅行を楽しむユーザーの比率は、全キャンピングカーユーザーの40.1%に達します。また、毎回旅行に連れて行かないまでも、家でペットを飼っている人の率は約5割にのぼります。(※添付資料 図表7)
ペットフード工業会が中心となって調査した2011年度の 「犬猫飼育率調査」 によると、「犬を飼育している世帯率は17.7%、猫の世帯率は10.3%」 ということで合わせても28.0%ですから、キャンピングカーユーザーのペット飼育率の約5割というのは、日本の一般世帯の飼育率と比べても、そうとう高めであることが分かります。
高年齢になるとペット連れ旅行の比率が高くなるのは、テントキャンプを楽しむ人たちの間でもいえることで、日本オート・キャンプ協会が発行する『オートキャンプ白書』 によれば、各世代の平均的ペット保有率は22.9%ながら、50代では40.6%、60代では31.3%と高くなることが報告されています。
最近はペット同伴ホテルやペンションも増えていますが、それらは予約が必要であったり、ハイシーズンは混んでいたり、“同伴”といいつつも飼い主が泊まる宿泊棟と、ペットを収容する建物が離れていることもあります。
そのようなことを考えると、食事をするときも寝るときもペットと一緒にいられるキャンピングカーは、ペットにとっても安心できる空間といえるでしょう。
お台場キャンピングカーフェア2012開催迫る
また、この11月10日(土)から11日(日)にかけて、今年最後の大規模なキャンピングカーショーとなる「お台場キャンピングカーフェア2012=秋のお台場大商談会」が開催されます。ぜひ、お見逃しなく。
「お台場キャンピングカーフェア=秋のお台場大商談会」の日程および詳細
開催日 : 2012年11月10日(土)~11日(日) 9:30~16:30
会場 : お台場野外特設会場(フジテレビ湾岸スタジオ隣)東京都江東区青海2丁目
主催 : お台場キャンピングカーフェア2012実行委員会 TEL : 03-5753-2595
特別協賛 : 一般社団法人 日本RV協会
問い合わせ : お台場キャンピングカーフェア2012実行委員会事務局
TEL : 03-5753-2595
HP : http://www.odaiba-camp.com/
入場料 : 一般(高校生以上) 700円/小・中学生 300円
前売り : 一般(高校生上) 500円/小・中学生 200円
出展&イベント内容 : キャンピングカーの展示・販売、キャラクターショーやクラフト体験などのKid’s Park、全国名品・名産のフードコーナー、初心者のためのキャンピングカーセミナー、アウトドア料理教室、ドッグランコーナー、アウトドア用品の販売 他
【本件に関するお問い合わせ先】
企業名 : 一般社団法人 日本RV協会
TEL : 042-720-7911
Email : office@jrva.com
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