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WEC2024年シーズン第2戦 イモラ6時間 決勝 TOYOTA GAZOO Racing、 ハイパーカーの激戦を制しGR010 HYBRID 7号車が今季初勝利!
2024年4月22日
WEC2024年シーズン第2戦 イモラ6時間 決勝
TOYOTA GAZOO Racing、
ハイパーカーの激戦を制しGR010 HYBRID 7号車が今季初勝利!
8号車も健闘の5位フィニッシュ
4月21日(日)、イタリアのイモラ・サーキットでFIA世界耐久選手権(WEC)第2戦イモラ6時間レースの決勝が行われ、6番手からスタートしたTOYOTA GAZOO Racing(TGR)のGR010 HYBRID 7号車が逆転の今季初勝利を飾りました。8番手スタートのGR010 HYBRID 8号車もポジションを上げ、5位フィニッシュを果たしました。
小林可夢偉、マイク・コンウェイ、ニック・デ・フリースの駆るGR010 HYBRID 7号車は、降雨によりコンディションが大きく変わった難しいレースを、完璧なドライビングと優れた戦略により戦い抜き、19台のハイパーカーによる激戦を制しました。また、セバスチャン・ブエミ、ブレンドン・ハートレー、平川亮のGR010 HYBRID 8号車も8番手スタートから順位を上げて5位入賞を果たし、チームにとって素晴らしい一日となりました。
TGRにとって今季初となったこの勝利により、WECのマニュファクチャラーズ選手権ではポルシェとの差を9ポイントに縮め、また7号車のクルーは、ドライバーズ選手権でトップと16ポイント差の2位で、5月11日(土)にベルギーのスパで行われる次の第3戦へと向かうことになります。
6番手からスタートした7号車のコンウェイは、1周目から素晴らしいファイティングスピリットを見せ、5位へとポジションアップ。しかし、8番手スタートのブエミはコース幅が狭く、追い抜きの非常に難しいイモラ・サーキットの洗礼を受け、ポジションキープで序盤の周回を重ねました。
コース上での追い抜きが難しいイモラで、チームは優れた戦略と完璧なピット作業によってポジションを上げていき、2時間を過ぎたところで、7号車のコンウェイは3位でデ・フリースへとドライバー交代。8号車のブエミも5位で平川へとステアリングを託しました。
3位でコースに復帰したデ・フリースは前を行く2台のフェラーリに激しくプレッシャーをかけ続け、フルコースイエローからの再スタートのタイミングで絶好のダッシュを決めて2位へと浮上。その直後、首位のフェラーリ51号車がピットインしたことで、7号車が首位に立ちました。
3時間半が経過したところでコースアウト車両撤去のためバーチャル・セーフティカーが出されると、各車ピットへ。ここで7号車は小林、8号車はハートレーへと最後のドライバーチェンジを行いました。
2台がコースへ復帰してまもなくセーフティカー先導走行へと移行すると、その間に雨が降り始め、路面コンディションが一気にウェットへと変化。グリーンフラッグが振られるとすぐに2台のGR010 HYBRIDはピットへ向かい、ウェットタイヤへと交換。この早めの判断が功を奏し、小林の7号車は2位に20秒以上の大差をつけての首位に。ハートレーの8号車も3番手に浮上しました。
レースが残り1時間となったところで2台のGR010 HYBRIDは最後のピットストップを行い、スリックタイヤへと交換。その少し後にライバル勢も続いて最後のピットへ向かったことで小林の7号車は2台のポルシェを従えての首位に返り咲きました。
ハートレーはピットアウト直後、まだ湿っている路面でのタイヤ温度を上げるのに苦しみ、2度にわたってグラベルエリアへとコースオフを喫しましたが、無事コースへ復帰。タイヤが温まると、ハートレーはその時点でのファステストラップを連発しながら追い上げ4位へとポジションをアップ、さらに3位のポルシェに迫りました。
しかし、2台のGR010 HYBRIDは最後のピットがライバル勢よりもやや早めのタイミングだったため、最後まで追加の給油無しで走り切るために、ややペースを落とした燃料をセーブする効率的な走行を強いられることとなりました。
終盤、首位を行く7号車の小林は2位のポルシェからの猛烈な追い上げを受け、最後の30分は1秒差以内での息詰まる首位攻防戦が続きましたが、小林は見事これをしのぎ切り、トップでチェッカー。2位のポルシェ6号車に7.081秒差をつけて、TGRと7号車にとってのWECイタリアラウンド2連勝を飾りました。8号車のハートレーは、最終ラップにフェラーリ50号車にかわされましたが、5位でフィニッシュし貴重なポイント獲得を果たしました。
予選
今季のSUPER GTの予選は、これまでのノックアウト方式でなく、異なるドライバーでQ1、Q2の予選を走行し、両セッションでのベストタイムの合算で決勝レースのスターティンググリッドを決定する方式へと変更されました。また、この2回の予選及び決勝のスタートを同一セットのタイヤで走行しなくてはならない規則となり、タイヤの使い方などを含めて新たな予選に注目が集まりました。
13日(土)、気温27度、路面温度36度と暑さをも感じさせるほどの好天の下、午後2時より予選が行われました。
GT500クラスのQ1では、朝の練習走行から好調さを見せていた36号車の山下が早めのアタックで好タイムをマークするも、GRスープラでの初予選アタックとなる38号車大湯、14号車福住が塗り替えて、このセッション2,3番手に。やはり好調さを見せている39号車の中山が4番手、山下は5番手となりました。笹原右京がアタックした37号車が8番手、国本雄資の19号車は14番手となりました。
Q2では、39号車の関口雄飛が1分17秒台に入れる好走を見せ、合算でトップに立ったかと思われましたが、最後の最後に36号車の坪井が、Q1の山下のタイムを上回るタイムを叩き出して逆転。新方式となった予選での初ポールを坪井/山下組36号車が獲得。関口/中山組39号車が2番手に入り、GRスープラが最前列グリッドを占めることとなりました。
38号車の石浦、14号車の大嶋もベテランらしい速さを見せて4,5番手。37号車はジュリアーノ・アレジがアタックし11番手。阪口晴南がアタックした19号車は14番手となりました。
GT300クラスは台数が多いため、2組に分けてQ1を実施し、それぞれの上位8台がQ2のグループ1、それ以外がグループ2でアタックし、2人の合算でグリッドを決定します。
昨年、惜しくもランキング2位に終わった2号車は、Q1で平良がトップタイムをマーク。Q2の堤も好走を見せましたが、0.067秒及ばず2番手グリッドに。ベテランコンビのK-tunes RC F GT3 96号車が4番手。チャンピオンカーであるGreen Brave GR Supra GT 52号車が8番手につけました。
小林可夢偉(チーム代表 兼 7号車 ドライバー):
とてもタフなレースで、本当に驚くべき勝利です。我々のGR010 HYBRIDはこの週末最速ではありませんでしたが、チームが素晴らしい仕事をしてくれました。マイクとニックも最高の走りで、上位争いへとポジションを上げて私にバトンを託してくれました。私の担当スティントでは、雨の中スリックタイヤで首位を守らなくてはならなかったので、最初から大変なプレッシャーとなりました。ウェットタイヤへ交換した我々の判断は的確で、後続との差を広げることができ、その後もウェットタイヤで良いペースを維持できました。最後のスティントは、燃料が最後までもつか確信が持てなかったので、燃料セーブに全力を尽くしました。本当に大変でした。優勝を争えたのは、戦略面でもチームが本当に素晴らしい仕事をしてくれたおかげです。最高の仕事をしてくれた皆に感謝しています。
マイク・コンウェイ(7号車 ドライバー):
最後まで本当に緊迫したレースでした。可夢偉は最後、燃料をセーブしながら首位を守るという、素晴らしい仕事を成し遂げました。いつものように彼はプレッシャーを跳ね除ける走りで、走っていた彼の心拍数よりもピット内で見ていた私の心拍数の方がきっと高かったのではないかと思います。ニックのスティントも見事でした。私が担当したスタートでは、混乱に巻き込まれることなく、上位を目指しました。ここイモラでの、私にとって初めてのレースは最高に楽しかったです。ピットクルーの作業は素晴らしく、戦略もこれ以上無いほど良かったです。チームとトヨタの全員でこの勝利を祝いたいと思います。
ニック・デ・フリース(7号車 ドライバー):
私自身、久しぶりに表彰台の中央に立つことができて最高の気分ですし、チームメイトとそれを共有できたことも嬉しいです。可夢偉とマイクと一緒に同じ車で戦って勝てたことは本当に嬉しいですし、誇りに思います。彼らと、チームみんなの最高の仕事に本当に感謝しています。全ての戦略が的確で、全てのスティントで力強く走ることができ、誰もミスすることなく走り抜いたことで驚きのパフォーマンスを示せました。全員が完璧なレースを戦った結果で、真に勝利に値すると思います。
セバスチャン・ブエミ(8号車 ドライバー):
見事なパフォーマンスで勝利を飾った7号車、おめでとう。カタールでの戦いからここでの勝利へと導いた、素晴らしい復活劇です。我々の8号車にとっては難しいレースとなってしまいました。私は8番手からのスタートでしたが、追い抜きが難しい中での戦いを強いられました。それでもポジションを上げていき、表彰台を争い、最終的に5位でフィニッシュできました。満足いく結果ではありませんが、チームにとっては素晴らしい一日でしたし、我々も次戦スパでは力強く上位争いに加われるよう努力を続けます。
ブレンドン・ハートレー(8号車 ドライバー):
フェラーリのホームコースでの優勝を果たしたチームに、最高の祝福を贈ります。フェラーリの方が速いことは明らかでしたが、7号車は適切なタイミングで適切なカードを切って、見事な走りでトップフィニッシュを果たしました。我々8号車にとっては厳しい一日でした。表彰台まであと一歩でしたし、ここでのレースは最高でした。私の最後のスティントは、燃料をセーブしながらの走りを強いられ、ファイナルラップでポジションを落とすことになってしまったのは悔しいです。最終的な結果は望み通りではありませんでしたが、チームのパフォーマンスは素晴らしかったです。
平川亮(8号車 ドライバー):
優勝した7号車のみんなと、表彰台の中央に返り咲いたチームを祝福します。勝てるとは誰も想像していなかったと思いますが、チームが素晴らしいパフォーマンスを発揮し、クルマから全てを引き出してくれました。チームがこの好結果を達成できたことはとても嬉しいです。我々8号車は、ファイナルラップで4位を失うことになったのが少し残念ですが、レースでは起こり得ることですし、この悔しさをバネにして、次戦ではもっと強くなって戻ってこなくてはなりません。
WEC第2戦 イモラ6時間 決勝結果
■ 太文字順位 | No. | ドライバー名 | チーム/車種 | 周回 | トップとの差 |
1 | 7 | マイク・コンウェイ 小林可夢偉 ニック・デ・フリース | TOYOTA GAZOO Racing/ トヨタ GR010 HYBRID | 205 | |
2 | 6 | ケビン・エストレ アンドレ・ロッテラー ローレンス・バンスール | ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツ/ ポルシェ 963 | 205 | 7.081 |
3 | 5 | マット・キャンベル ミカエル・クリステンセン フレデリック・マコヴィッキィ | ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツ/ ポルシェ 963 | 205 | 25.626 |
4 | 50 | アントニオ・フオコ ミゲル・モリーナ ニクラス・ニールセン | フェラーリAFコルセ/ フェラーリ 499P | 205 | 31.469 |
5 | 8 | セバスチャン・ブエミ ブレンドン・ハートレー 平川亮 | TOYOTA GAZOO Racing/ トヨタ GR010 HYBRID | 205 | 33.777 |
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